今回ノマド側からは、吉村かおり、菅田沙江、詩-uta-、戸城佳南江が出演。大阪からは小玉哲也と小川エリ。こてこて関西人の笑いとノリを振り撒いていった。楽しい企画だね。僕は中盤から参戦、少玉→詩→小川→戸城と聞いた。
結局また吉村かおり聞けなかったのは残念だが、目当ての戸城佳南江はトリだったので、しっかり堪能。彼女の高音やファルセットの使い方、何より醸し出す雰囲気が好きなんだよなあ。結構はまってます。
この日もギターのムラタトモヒロ君をサポートに迎え、椅子に腰掛けボーカルに専念のスタート。この構成時の大人っぽい表情、ムラタ君とのアットホームな掛け合い、スローだけど暖かいナンバー、安定したパフォーマンス。そして、インディーズ女性アーティストの中では、飛び抜けておしゃれなファッション。とってもいいのだよ。
1)流れ星☆願い事
2)チョコレート(ムラタトモヒロのカバー)
3)夏の記憶
4)スピロデザイン
5)マルデコメディ(ムラタトモヒロのカバー)
6)白い足跡
en.あしたへ
白い足跡は「雪が降る」から始まる冬の歌。昨冬以来歌っていなかったが、めっきり冷え込み始めたことで、この日解禁

それと共に、時間がたつことの早さを噛み締めた。たぶん咋秋、彼女が盛んにこの曲を歌っていた頃に初めて戸城佳南江のライブ見たのだったと思う。また春が近づけば、「桜」「四つ葉のクローバー」なども聞けるだろう。季節を織り込んだ彼女の曲は、何れもビジュアルで良い曲ばかりです。
勿論、気温や雲の形、緑の色や種類から季節の移り変わりを感じたいものだが、ライブハウスに生息する人種としては歌でも四季を感じ取れることって、とても幸せだ。
そう、その「白い足跡」は、ムラタ君が退き、1人でピアノ弾き語り。本来のこのスタイルに戻ると、大人モードからシンガー仕様に切り替わるようだ。ソングライターとしての才能もキラキラ輝く。彼女の鍵盤のタッチや音の装飾も、バラのような派手さはないけど、スイートピーのようなかわいさと清廉さがある。
アンコールは「愛のうた」かと思いきや、「あしたへ」。明るく元気付けてくれるゆずの「栄光の架け橋」に通じるような応援歌だね。最近、最後は「愛のうた」というパターンが多かったから変化を考えたのかな。これも良い。
さて、トリから書き始めてしまったが、他の出演者についても触れよう。
大阪の2人は、関西らしいノリで楽しめたよ。共にギター弾き語り。冒頭、「僕の(私の)名前は~

小玉くんは軽妙で、とてもオープン。誰でもすぐ心を開かせてしまう性格が音楽に滲む。
小川エリさんは、前半は明るい曲で盛り上げたが、後半はシリアスなフォーク調に。こっちが持ち味なんだろうな。生身の彼女の悲しさ、つらさ、痛みなどが刺さる。
詩-uta-は、体に似合わず低い通る声で、顔に似合わず大人びた達観に満ちた、リアルな歌詞世界を展開。聞かせるなあ。詞はほぼ実体験に基づくという。シンガーソングライターは、身を切り売りするものだ、とかなり強い信念で歌ってるみたいだ。ただ個性的なだけに、お客さんの好き嫌いが割れるかも。
NOMAD meets Knave。全国では無名だが実力のある東西ライブハウスのアーティスト交流企画。面白かった。アーティストにとっても良い刺激になるだろうし、インディーズ音楽業界の活性化にもなるだろう。僕らも普段出会えないアーティストを知る機会になるし。是非、今後も続けて欲しい企画です。