10/8/9 笹生実久 和紗 東川亜希子@月見ル君想フ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

予告通り、笹生実久を見に南青山・月見る君想フへ。他の出演者にも人気があるのか、開演前から大入り立ち見状態。案の定、ここではいつものことだが業界関係も多し。開演前から一部では名刺交換会の趣。まあ、仕方あるまい。

1番手に登場したのが、和紗。混んでる理由が解った。歌いだしたところで、ガツンときた。いやー、予想超えはるかに素晴らしいボーカル。いいシンガーと出会った喜びで笑みが止まらない。きれいな声で、歌唱力もあり、心を揺り動かすパッションも持ってる。詩をきれいに、心に届くように歌う繊細な心配り。知らなかったが、色々な関係者やファンが彼女に注目して見に来たのも頷ける。

もう、どう考えてもメジャークラス。早くメジャーへ行けえ!って、実はもうとっくにメジャーなんだそうだ。

後付けの知識だけど、今売り出し中で結構注目されているらしい。現在放映中のフジテレビの火曜夜のドラマ「逃亡弁護士」の主題歌になっているのが、本日ラストに歌った「Standup For Love」。しかも、7月に収録を見に行ったベッキー司会進行の深夜音楽番組「ライブB」の8月の収録に出てるじゃないですか。僕が見たhinacoや近藤夏子、インティラミなどの次の回の放送になるようだね。いやー、今日見れて超ラッキーなのかも。

1)Distance?
2)アイタクテ
3)True Love (藤井フミヤのカバー)
4)夏の花火
5)Stand Up For Love

うかつにも、1曲目はぼーっと聞き入ってしまったので、どんな歌詞だったか思い出せないけど、バラードで心地好いメロディー。なので、Distanceかなあ。2)が1年前にメジャーデビューした曲「アイタクテ」。いい曲だ。

True Loveは、我々の世代の青春歌。そこに詰め込んできた思い出と、若い彼女の解釈が同調せず、ちょっと違和感。これは致し方ない。

それより、京都出身の彼女が、夏の終わりの京都の切なさ、寂しさを表現力たっぷりに歌った「夏の花火」が珠玉。これには感動したなあ。ラストのドラマ主題歌も、選ばれるだけのドラマ性があって心動かされる。良いライブだった。もっと長く聞きたかった。

彼女のライブが終わると、ざーっと客の波が引いていく。それまで1階に15人くらい、階段にも10人、2階にも20人くらいが立ち見で見ていたのだが、2番手の東川亜希子が登場したら1階と階段の立ち見がいなくなったから、和紗を目当てに来た客がどれだけ多かったか。

少し寂しくなった会場に2番手に出てきたのが東川亜希子&そのバンド。彼女のライブでは最大規模の編成で、キーボード兼ボーカルの彼女自身に加え、いつものシンセ兼キーとドラムに、さらにベース、トランペット、バイオリンまで加える豪華さ。最近レコーディングした、東進ハイスクールのCM曲を録音した編成という。

個人的には、東川のボーカルに魅力を感じないのだが、彼女の才能は認める。ソングライター兼ミュージシャンとしての総合力が高いのだ。ビートルズやオールディーズのパロディといった趣の曲を、上手くまとめて自分たちの色を出している。東進のほかに、ニッセンのCM曲も今日は披露。才能が認められているから依頼が来るということなのだろう。

それにしても、東川バンドは突っ込みどころ満載。いや、突っ込ませるのも狙いで、知的な彼女は確信犯だ。やはり突っ込まないでおこう。第一ボタンまで留めてるドラムとベースや、ラサール石井の全盛期を彷彿とさせるシンセ田中については(笑)


さあ、3番手に笹生実久が登場。

この頃になると再び会場に客が続々と押し寄せ始め、和紗の時よりさらに2割増しぐらいの客で1階から2階まで完全に埋まってしまう。すごい人気だ。

僕は最近の笹生実久しか知らないが、漏れ聞こえる話から、随分遠い昔から彼女のファンという人も多そう。去年アニソン歌ってメジャーデビューし、その前後はライブを1年程度休んでたようだが、古いファンは当然、休む前からの信奉者。先日の下北沢monaライブでは、おかえり、とみんな口々に声かけてたね。

でも、彼女を待ち焦がれてた気持ちもよく解る。美形なのに、彼女は親しみやすさ、脆さ、強さ、不思議さなどなど複雑な要素を併せ持ち、類い希なオーラを醸し出している。お高くないけど、気高いところにスター性がある。ベースには、ミュージシャンとしての格好良さがあるのだ。

セットリスト
1)Sunday Is Beautiful Sky(曲名なんでしたっけ?)
2)水の中(新曲)
3)ハロー
4)朗読 カーテンがない?
5)おやすみ、そばにいて

そういえば、いつも歌ったり、詠んだりしている1)と4)のタイトル聞くの忘れてた。カーテンには小さく、バンダナには大きいキレを窓にかけている部屋って、何から着想したのか気になるなあ。

「水の中」という新曲は、まだ歌い込みが足りないようだが、彼女には実に合っている。彼女はクリスタルブルーに輝く水中にまさに存在していそう。そう美しい人魚に通じる瑞々しさがやミステリアスな所が、彼女にはあるね。


4番手はThe Rocos。カウントリー&フォークバンドといった感じの4人組。ボーカル&アコギのヒロコと、ベース、エレキギター、ドラムという構成。アコギが効いている。

1)Hello,Hello
2)愛の言葉
3)夢の中で
4)記憶の夏歌
5)?

懐かしさがあり、体が踊り出したくなるビートもある。なかなか素敵なバンドです。

ラストの岡田淳はギター弾き語り。最後まで聞かずに退散。

歌う曲はアンケートにこう書いてあった。
1)デザート
2)宵の月
3)ぶきようなワルツ
4)眩しい人
5)プロローグ
6)深い森

良ければ最後まで残ったが、足を止めさせるほどのインパクトも歌唱力も雰囲気も感じず。

それでも今日は収穫があった。もちろん笹生実久が惚れちゃうほど良いのはもう当たり前なのだが、新たに和紗を知ったのが大きな収穫。最近では、MiyuMiyuのゆきこに並んでお気に入りになりそう。といってもCDはゲットせず。もうすぐアルバムが出るだろうから、そちらを手に入れたい。