そのバンドとは、なんと初来日のオーストラリア人シンガーソングライター、Alisa Fedele率いるバンドだ。世界的に注目を集めているというジャズシンガーだが、それだけでは飽き足らず、ロック/ポップスバンドでも活動中なのだ。今回の日本ツアーは、東京・横浜でロックを、大阪ではジャズを演奏するという。そのバンドのステージは、迫力のボーカルに加え、ノリノリのトランペットソロや、シャッフルたっぷりのドラム、ギンギンのギターが絡み合い、とにかく格好いい

さらにいえば懐かしい

そうだな、TOTOやクリストファークロス、スパンダーバレー、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどの音楽と通じ、我が青春のフェアグラウンド・アトラクションのエディー・リーダーやキム・ワイルドのような味わいも。あ、思い出した。ローラ・ブラニガンに似ているんだ。いいねえ。「My Way」「She Told Me」などの曲が気に入ったよ。
さーて、そんな最高のバンド演奏の後に、渋谷めぐみ登場。
うわ、これはちょっと酷ですな。だって、本日の彼女はアコギとキーボードだけのアコースティックな構成。トランペットやドラムやエレキまで入って、英語で会場をダンスホールに変えてしまったバンドの後だけに、そのテンションの差がちょっとつらい。
この日の最初の曲は、ライブの最後かアンコールでしんみり歌うことが多いバラードの「奇跡」から。続けてスローな曲を挟んで、「六本木心中」(カバー)をバラードに編曲して静かな演奏で歌う。せっかく六本木のCLUBを、盛り上げる予定の曲だったはずなのに、ぐーっとテンションが下がってしまいましたよ、編曲した高田さん!(笑)
でも、ここから挽回。「magic」「ユメオチ」などアップテンポな曲を並べて、会場の雰囲気もようやく戻ってくる。Alisa Fedeleバンドのみなさんも手拍子や掛け声で盛り上げてくれて楽しくなってきた。ほんと、ドラムかベースでもあればなお良かったのだが残念。
それとちょっと苦言。「私、盛り上がらないんです」というMCは不要。だめだよー、そういうこと言っては。ステージに立つものの宿命でしょう、お客さんに楽しんでもらうのは。まず、自分が盛り上がろう、ですよ。頻繁にライブやってるのに、まだそんなこと言うか(藁)
最後に、とっておきのバラード「Day After Day」でしっとりと。これは客の心を掴んだな。すごく良い雰囲気だった。
しかし、彼女がバンド背負って、思いっきりロックしている時は本当に格好良くて、Alisaにも負けてないのだけどなあ。ぜひ日豪対決して、どちらが会場を盛り上げられるか競って欲しかったなあ。いつの日か。