初田悦子vsいつか | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

珍しく連日遅くまで働いてる偏遊です。さすがに毎晩はライブに行けません。なので今日は、とっても魅力的ながら知名度が高くないように感じる2人をピックアップ。

大阪拠点のママさんアーティスト初田悦子と、秋田出身で「大人のavex」なるavexの別レーベル?に所属する「いつか」。この東西の歌姫を、僕は個人的に高く評価しています。

共通項は、ともにライブ回数が多くなく生声を頻繁に聞けない点で、それが本当に惜しいのです。何故なら彼女たちの歌唱力は、このブログで紹介したことあるアーティストの中で1、2を争うのではと個人的に思っているからです。

勿論、アーティストの魅力は、特にライブの場合、トークからサポートミュージシャンの実力までパフォーマンスの総合力が問われ、楽曲の善し悪しも重要なので、歌唱力だけで評価できるものではありません。でもその歌唱力で、圧倒的な誘引力があるのが2人なのです。

さっき初田悦子が、アルバムでカバーした荒井由美の「翳りゆく部屋」を聞いていて、はからずも、本当に涙が出てきてしまいました。曲は勿論、ユーミンの名作。過去のある時期を思い浮かべると、この曲が必然のように脳内に流れ出す思い出が僕にもあります。それだけに、下手なアーティストがこの曲歌ってると、ちょっとムカッとくるのです。思い出は汚されたくないでしょう?

それが、彼女が歌うと同じ思い出のシーンが曲と共に浮かびながら、その情景を違う角度から見せてくれたのです。ああ、あの時、彼女はそう感じてたのかもしれない、と。初田悦子の解釈したこの曲の登場人物の想いが、歌詞に乗って僕の中にすっと入り込んだのです。すごい表現力だよ。

彼女の声域はユーミンより広く、腹からのしっかりした声が特徴。特に中音域の声の使い方が絶妙で、囁くような声に沢山の表情を描け、徐々に盛り上げる時の声質の転換に気をとられます。アップテンポでの力強さ、全体を覆う前向きな明るさもいい。

一方、いつかちゃんは高音域が天使の歌声のように綺麗。透き通るようで、かわいらしさも存分にある声なのです。その声を、正統派の声楽家のように、癖がなく、ストレートにライブ会場に降り注いでくれる。彼女の歌を聞いているだけで、幸せに包まれるのです。

洋楽の名曲などを見事にカバーして、とても魅力的な空気を作りだします。ですが、オリジナルで彼女ならではという楽曲に恵まれさえすれば、大ブレークするんじゃなかろうか。真面目にそう思う。

映画主題歌など歌ってるけど、もっと気軽にライブやって欲しいものです。幸せに包まれたなら、とユーミンのように夢想しています。アルバムも早く出して欲しいなあ。もしかして、すでに出てる?

ちなみに初田悦子はつい先週、逗子の鎌田スタジオでセカンドアルバムを録ったようですね。今から発売が楽しみです。

2人の対バンとか、聞いてみたいなあ。