10/6/16 Tiny Sun 水野真菜三 オオクボエミ@月見る | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

久し振りのタイニーサンを見に、南青山の月見る君想フへ。梅雨入りしたというのに、天気は意外や晴れ晴れ彼女たちは晴れ女か?そういえば前のワンマンの時も強力な台風が来てたのに、ライブが始まる前には台風一過で晴れてたなあ。

今日もバイオリン舞ちゃんが加わり女性Duo+1の3ピース。客席から見ると、中央にキーボードのアユコちゃん、右に身長170cm超というハットとショートパンツでカウガールぶりが格好いいバンジョー&ギターのサエコちゃん、左にサポートながら今やレギュラーメンバー、最若年でも大人っぽい色気が素敵な舞ちゃん。

両サイドがスタンディングなので、調度ステージ上に均整とれたM字が。ダヴィンチではないが、絵画的に美しい。持ち味が違う2人が左右に分かれ、その押しだし具合もバランスが取れている。

しかも、バランスは視覚だけではない。舞ちゃんのバイオリンを得て、音が格段に格好よくなってるのだ。タイニーサンは元々カントリー音楽がベースにある。そこに、遊び心一杯の名フィドルが加わり、グルーヴが増して楽しいビックリマーク日本のDexeeChicsの最右翼に名乗り上げたね。

彼女たちも長い音楽活動の中で色々あって、今の3人形態に最近なった。昔のバンド形態も好きだったが、タイニーサンはもしかしたらこの3人形態になる運命だったのでは、とさえ思うほど今の形がフィットしてきた。ビジュアル的にも魅力的で、ステージ力も上がり、これからじわっと人気に火が着くかもしれないな。この夏はライブの本数も増やしていくようだし、ストリートもやる予定。新たなファン獲得の好機だよね。

さて、この日は、3番手で登場。持ち時間30分で6曲を披露した。

1)私ここにいるわ
2)せい一杯
3)さよなら、ありがとう(新曲)
4)やじま
5)Music Life
6)悲しい月

冒頭から、アユコちゃんがキーボードを離れ、マイク持ってしっとり切なく、私ここにいるわ。伴奏はギター。途中から入るバイオリンの調べが郷愁感を掻き立てる。これまで、この曲になんとなくセピアがかったイメージを頭に描いていたのだが、バイオリンが入ることで陰影と色彩が増した。

新曲がなかなかいい。サエちゃんが楽器を置いて、ボーカルに専念。Aメロはほとんどサエちゃん。あなたに出逢えて本当に良かったと、優しく素朴な女の子の気持ちを切々と表現する。こんな風に歌われたら、サエちゃん、サイズに似合わず可愛く見えるよ(笑)

前半3曲がバラード。ここからアップテンポに。昨年末から歌ってる、ノリのよい4)。矢島美容室に歌ってもらいたいと作った曲で、曲名が未定のままなので、前から「やじま」と呼称されてる。なんか、もう彼女たちはやじまでいいと思ってる様だね。ま、いいけどねガーン

そして、この後、サエちゃんが始めてバンジョーを手に。ヤッタービックリマークMusic Lifeだあ。タイニーサンと言えば、やはりカントリー。カントリーならバンジョーだよね。とにかく、サエちゃんの見事な早弾きで、一気にテンションがあげあげアップ。会場からはこの夜、5組出演して唯一の手拍子だ。

ラストはステージに浮かぶ背景の月に合わせて、バラード「悲しい月」を心を込めて熱唱。姉妹ならではの息があったアユコちゃんとサエコちゃんのコーラスが美しい。

やはりタイニーサン好きだなあ。何でも聞くけど、僕は結構カントリーやフォークが琴線に触れるのだ。そんなテーストで、水準高い演奏と演出を堪能させてくれるグループといったら、やはりタイニーサンしかいないね。早く、次のライブが聞きたいな。

さて、この日は他にも4組が出演した。トップはオオクボエミ。穏やかに、静かな水面に波紋を広げるような楽曲。ソロのギター弾き語りだが、PCを持ち込み、環境音楽のような打ち込みの音を流し、アコギのアルペジオを重ねていく。さらにループも使いこなし、1人ながら、素敵な音の空間を作っていた。

2番手の奈良から来たという空風(くーふ)君もギター弾き語り。5曲すべて、つぶやくように歌ってたが眠くなった。

3番手のタイニーサンに続き、男性3ピースバンドのfrom a novel。キーボード兼ボーカルに色気がある。固定ファンとみられる女性客も多く熱い視線や写メを向けていた。音楽も骨太で、ボーカルの声も艶があり、なかなか。

ラストは水野真菜三。まなみというのだろうが、面白い当て字だ。音楽は流行りもので、プロデューサーがキーボードを弾き、ドラム、エレキギター、ベースというフルバンドのサポート付き。彼女自身もギターを弾きながら歌うが、曲と演奏にのっかっている感じ。

これだけの御膳立てがあれば、別にボーカルが彼女でなくても良いかな。彼女の個性が出てない。このままでは、彼女自身のファンは掴めないのではと危惧する。ゲーム曲歌ったり、周りは色々動いてるみたいだけどね。

よく似たアーティストにマリアがいる。同じような音楽で、サポートがいるが、彼女自身もギターを弾き語る。ただ、マリアの方が、ずっとパワフルで、ストレートで、根性があって、それでいてチャーミングだ。何より、彼女は自分の人生を歌に叩き付けてくる。その迫力は素晴らしく唯一無二、彼女の替わりは効かないだろう。イマイチ売れてないけど、今後への期待は大きい。