
それに、他の3人のアーティストが輝いてること。みんな最高のパフォーマンスで、今夜の同じ年4人組のライブは、すごい盛り上がりだった。一昨日のアラサーライブ

ただマワリーに関していえば、彼女の音楽活動はもはや来年3月まで(つまり、入社まで)の期間限定。社会人になったらライブ活動引退なので、これから9ヶ月のマワリーの活動は貴重。カシグレもキンモクセイもイチバンもカラードレインボーも、残念ながら生で聞けるのは今のうち。
という事で、本日は渋谷7th Floorへ。雨女としてテレビで紹介されたばかりのマワリーの面目躍如。しっかり関東地方の梅雨入りをこの日に合わせてきた。
ライブのタイトルは「復活!最強レディースデイ1988s」。みな1988年生まれ。3年前の12月、まだみんな十代だった日に鉄平ちゃん企画「最強レディースデイ」のティーンズ編で共にこの7階のステージに立ち、以来お互いに切磋琢磨しながら仲良しだった四人組だ。
今宵も司会を努めた鉄平ちゃんも、最後に「みんな本当に上手くなったよ」と感慨を込めて話していたが、激しく同感。しかも、この数ヶ月という短期間が、揃って大きく成長する転機になったのではないか。4人の上昇ベクトルがこの日のライブに向け偶然揃ったようだ。そんな運命的なものさえ感じさせてくれた。
同じ意味で、このライブハウスの音声も、急に良くなっている。何かPA関連で秘密兵器を投入したのかも。歌い手の技量とPAが相まって、かなり高水準な音を堪能できたことも、予め特筆しておく。さて、ライブだ。
先陣をきって登場したのは中山由依。本当に彼女の歌唱力の向上ぶりはすごい。昨年から、今日に至るまでで、彼女が自他共に認める成長のステップとなった大きなイベントがあった。前も書いたけど、Voice of McDonaldの世界大会出場だ。
1) ねぇ
2)True Colors
3)月が満ちて行く
4)imperious
5)blue
日本からは14000人が応募し、予選を経て最後に日本代表に選ばれたのが中山由依だ。世界大会に向けては今大会を協賛するソニーミュージックの音楽関係者が彼女につき、音楽やダンスを指導。そして、米フロリダで行われた世界大会では、専属の付き人がつき、ボイストレーナーが付き、世界から集まった歌唱力豊かなアーティストたちとしのぎを削った。それだけの経験が何かを彼女に与えない訳がない。
昨年のクリスマスライブでも、大会応募曲となったTrue Colorsを歌っていたが、その時より今日歌ったTrue Colorsの色彩感の豊かさ、感情の機微の微妙な表現力、英語の発音、いずれもかなり巧かった。腕を上げたな,お主、といった感じだった。
2番手はEMILY。
圧倒的な歌唱力と美声。感動的な音の響き。魂が震える。こんな素晴らしい歌手だったのか、彼女は。
この半年ぐらいの間に2回聞いているが、その2回でこれほどの感動は抱かなかった。何なのだろう。この脱皮ぶりは。彼女の次に歌った阿部ゆうも、今日の彼女を聞いて、EMILYは何かを覚悟したのだと感じた、といったことを話していたが、本当そんな気がする。
来週月曜日にワンマンライブがある。渋谷セルリアンタワーにあるJZbratというジャズの名プレーヤーが演奏する大人のライブハウスに殴り込む。その事が彼女には大きなプレッシャーになっていると自身で話していたが、その舞台へ向けて高い水準に目標を定め、着々とステップアップしてきたのではないか。その演奏が今日、素晴らしい形で出たと思う。
こんな演奏が聞けるなら、ワンマンは是非行かなければならない。
セットリストは
1)町、時代
2)広がる世界
3)青い地球
4)花
5)気持ちを伝えよう
特に4)の花は、彼女が高校生の頃に作り、この曲を引っさげて鹿児島から上京してきたという代表曲。歌い込まれて、珠玉の一曲に仕上がっていて、この日のベストだった気がする。
3番手に登場した阿部ゆうは、今宵唯一のギター弾き語り。で、そのボーカルがすごい!
魂がふるえる、爆発的なエネルギーの放出。おお、同姓の阿部真央に勝るとも劣らない力強いボーカル。素晴らしい。前に聞いた時はピッチも安定せず、音痴?とさえ思える部分があったが、今回はあれだけの熱唱ながら安定感もある。爆弾だな。
1)残流
2)endless
3)Waiting for You
4)化粧
5)あなたと歌と
感性で歌うタイプの歌手だよね。天才的なものを感じる。まだまだ荒削りな原石だが、これからすごい歌手に化けてくるのではないだろうか。象徴的なのが、4曲目に歌った「化粧」が新曲。女が化けること、その感情の深さを、表現力たっぷりに訴えかけてきた。
そしてラスト。
復活の廻田彩夏が登場した。
ここで、ピピー。やった!日本代表がカメルーンに勝ったぞ。おおっ。(このブログ書いている最中の話。ライブ中のことではありません)
最近の日本代表を見て、信用していなかったのだが、最後まで素晴らしい集中力。よく、1点を守りきったよ、日本のディフェンスは。2戦以降、ますます疲れが出るだろうが、その中でこんな守備を維持できたら、そして、さらに矢のような攻撃が機能したら、もしかしたらデンマークにも勝てるかもしれない。得点した本田が「満足してない。もう次へ切り替えてやるしかない」と話していたが、あくなき向上心と意欲。オランダに勝てる気はまだしないが、決勝進出の可能性が見えてきたね。ねえ、マワリー。
さて、そのマワリーのライブは圧巻の勢いでした。音楽でも、トークでも、その場の空気を読み切ってぐいぐいと引っ張って行く聡明さや明るさ。澱みなく自己の信念や来歴を簡潔に説明できる賢さ、決して飽きさせないサービス精神。これだけの社会的な才能を感じるアーティストは珍しい。
それを自身で分かっているから、彼女も自分の力をビジネスの世界で試したいと音楽引退を宣言したのだろう。だから、彼女のビジネスでの成功も応援したいのだが、そんな彼女の音楽を聞けなくなるのは残念でならない。
今夜は、彼女の代表曲を中心に充実のライブ。
1)カシグレ
2)買い物袋と私の右手
………………ここからマワリーバンドと
3)キンモクセイ
4)ピグレット
5)イチバン
………………再びピアノ弾き語り
6)チャルラララ
7)Colored Rainbow
en)地球の迷子
最後は全員でセッション「CHERRY」(spitz)
いきなり冒頭のカシグレを替え歌で、「帰って来ました廻田彩夏~」みたいな出だしで拍手を求め、会場を自分のペースに引き込んでから、一気に勢い良くカシグレ。いいねえ。
2曲目はかなり古い曲。自分史の昔を紹介しつつ、今の自分の気持ちも表現しているのかな。
そしてマワリーバンドを呼び込んで、かなりアップなキンモクセイ、そして「パンクロック」と商会したノリノリのグルーヴで「ピグレット」。さらに、YOKOHAMA HOODで優勝した曲「イチバン」。
MCでは、自身が中3の時に世界で困っている問題があることに何かできないかと考えて、国境のない音楽で世界に笑顔の連鎖をもたらしたい、とシンガーソングライターへの道を決めたこと。ただ、それだけでは世界を変えられないと気付いたこと、そして、ビジネスのスキームを使ったより大きな仕掛けで世界の貧困解消などに役立ちたいと考えたこと(そこまでは今日は言わなかったか)などを、滑らかに語る。話術はうまいんだよな。
そして、「さあ、みなさんが歌う番が来ましたよ」とチャルラララ。2番で「パート2」とお客さんに歌ってもらう部分がある。じゃあ、練習、といって何度かお客さんにやらせながら、どんどん引き込む。もっとも、この時間帯の7th floorは超満員で、20人近くが立ち見状態。そのほとんどがマワリーの大学の友達や、内定が決まった商社で同期となる内定者仲間たち。歓声やかけ声、拍手など大きな盛り上がりをお客さんが作り出す。当然、パート2もみな大きな声で歌う、歌う。素晴らしい。
そして、最後の曲として彼女が歌による笑顔の連鎖を作りたいと志して、作った代表曲「Colored Rainbow」。世界の平和と幸せを考えて、歌を歌っているという彼女の本気は、この歌からもよく分かる。そのために邁進する彼女の姿は、自分にとっても大きな刺激となっている。この曲を音楽プレーヤーで聞いている時もそう思うが、やはり彼女自身の肉声で聞くと、その想いも一層強くなる。
それは、僕だけの感想ではなかったと思う。一旦、下がった彼女へのアンコールの拍手の大きさがそれを語っているのではないか。アンコールは、世界を歩き、歌で語りかけてきた彼女自身の体験から生まれた「地球の迷子」。何もなくても幸せと話す途上国や貧困国の若者がいる一方で、何でもあるのに足りないと不満ばかりの日本人。日本人は地球上で迷子になっているのではないか。そんな疑問をストレートに投げかけてくる。
最後は、全員を呼び込んでCHERRY。阿部ゆうの強くて個性的な歌唱がいいねえ。恒例のサイン入り色紙のじゃんけん大会は今夜は最後にもあったが、実は開場直後にも3枚分やっている。何度も4人とお客さんの間でコミュニケーションがもたれた感じ。すごい、充実したライブだったよ。
この4人でまた近くライブするらしい。また、それぞれのライブもたくさん予定されている。いま、彼女たちは間違いなく旬を迎えていると思う。聞きに行かねば(毎度、言ってますが、笑)