5人組が2グループ続いた後に1人きり。ステージが寂しく見えるのは、致し方ない。彼女の見せるパフォーマンスや聴くものを引きずり込むリズム感溢れるピアノ、そして空間を満たし尽くす歌声は健在。ならば、1人だって問題はない。
伸びやかな美声を自在に操り、時にコミカルに、ときに哀愁を満たし、あっという間に彼女の空間を作り上げた。ヒョロッと伸びたその体や、奥手で真面目過ぎる素顔からできる想像を上回るパフォーマンス。彼女のライブで裏切られたことはない。
ただ細かい点でちょっと気になったことが。小姑みたいで嫌だから、本人には言えなかったけど、書いとこう。
1曲目の「眠れぬ夜のシンフォニー」、やや崩し過ぎたか。唐突にとびだしたり、ためたり、早くしたり。色々と変化をつけて、場の空気をHi-Endorphineのものから一気に変えたいと意気込んだか。心の中で打っていた手拍子の拍が取りづらい。そのため、ちょっとのりずらく。上手く崩すのって難しいね。
セットリストはこんな感じ
1)眠れぬ夜のシンフォニー
2)ベランダでボー
3)かすみ草
4)最後に笑おう(新曲)
5)叫び
6)ひまわり
言葉遊びと、技巧的な演奏で疾走するベランダでボーは何度聞いても面白いや。曲前には秘技マイク回しも披露するサービスも。ただ、この秘技だけ切り出してやると、単なる芸に見えてしまう。
やはり、マイク回しは「chanty」という曲の中でやってこそエンターテイニングな演出になる気がする。曲の一部としてやられると、「すげぇ」と思っちゃうんだよね。そんな「chanty」を、また見たいなあ。正月から連続でマイク回し失敗したことがあって、最近あまり取り入れなくなってるけどね。
続けてバラードの「かすみ草」。この曲は本当に彼女の本質の一端を現す佳作だと思う。ここで決定的に客席の心掴んだような空気を感じた。欲を言えば、曲の前にいつものようなMCが欲しかったかな。前の2曲だけではまだいいくぼさおりがいかに誠実で、優しい感性を持っているか伝わっていない。それをしっかり仕込んだ感動的なMCで伝えてから「かすみ草」を歌っていたら、さらに説得力が増したと思う。
で、この曲の後に、まだMCしない内に告知。新作DVDの宣伝をしたのだが、ちょっと商売っ気が出てしまった感じ。かすみ草の前にMCしてれば、もうちょっと印象良くなるな。
新曲はこないだのワンマンで初披露したもの。コミカルで文学的という、彼女の特質がよくでている1曲で気に入った。そして叫び~ひまわりと情感たっぷりに聞かせる2曲。今日も良かったな。
さあ、そしてトリで企画者のヒメノアキラ登場。オープニングで「1、2、3」「トランペットファンファーレ」を歌っており、その後3組の個性豊かで高水準な演奏の後だけに、本人もテンション上げてきた様子。彼女の曲のタイトルはあまり知らないので、セットリストは不確かですが、こんな感じかな
1)声がなくなる前に
2)Today's Tomarrow
3)エンドロール
4)君はさわりたい
5)今
4)5)が新曲だった。曲名よく解りません。間違ってたら訂正してね。
彼女は本当に曲想が豊か。色々なジャンルや他のアーティストから学んで自分の引き出しを増やしているのだろう。向上心こそ、彼女の持ち味だよね。
曲によって拝郷メイコに似ていたり、伊藤さちこに通じてたり。この3人で先日、コンピアルバム「If the Girls~」のツアーで名古屋・関西方面を車で回っていたが、何処か似た者的な要素があるんだろうな。
最後にアンコールで他の3組の女性ボーカルをステージに呼び込み、松任谷由実「優しさに包まれたなら」をセッション。なかなか良い。特にハイエンドロのかおりちゃんがかっこいいね。また聞きたし。お疲れの翌日、パソコン買いに秋葉原へ行ったあずままどかに付き合わされ、飲むことになったとか。
「優しさに~」はヒメノが先のコンピツアーでもセッションしたとか。気に入ってるみたいだね。僕らにはえらく懐かしい選曲で嬉しい。
そしてブランドからのプレゼントが当たる抽選会へ。七つ森、Hi-endrophine、いいくぼさおりのそれぞれがくじを引き、書かれていた番号が記入された「ヒメノ新聞」を受付でもらった人が当たり。
3人目にいいくぼさおりが引いたくじがビンゴ


しかし、まだこれで終わりではなかった。4組の充実した演奏があり、ヒメノの頑張りも素敵で、会場からさらにアンコールの拍手。期待に応えて、最後はヒメノアキラ1人が登場。「喜びのポケット」を熱唱。感動で涙出そうになってたな。ハートが熱いな。幸せな瞬間をステージで迎えられるアーティストって本当に羨ましいなあと、改めて感じた夜でした。