10/6/10 いいくぼさおり ヒメノアキラ@月見る君想フ | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

大音響の後、3番手に登場したのがいいくぼさおり。

5人組が2グループ続いた後に1人きり。ステージが寂しく見えるのは、致し方ない。彼女の見せるパフォーマンスや聴くものを引きずり込むリズム感溢れるピアノ、そして空間を満たし尽くす歌声は健在。ならば、1人だって問題はない。

伸びやかな美声を自在に操り、時にコミカルに、ときに哀愁を満たし、あっという間に彼女の空間を作り上げた。ヒョロッと伸びたその体や、奥手で真面目過ぎる素顔からできる想像を上回るパフォーマンス。彼女のライブで裏切られたことはない。

ただ細かい点でちょっと気になったことが。小姑みたいで嫌だから、本人には言えなかったけど、書いとこう。

1曲目の「眠れぬ夜のシンフォニー」、やや崩し過ぎたか。唐突にとびだしたり、ためたり、早くしたり。色々と変化をつけて、場の空気をHi-Endorphineのものから一気に変えたいと意気込んだか。心の中で打っていた手拍子の拍が取りづらい。そのため、ちょっとのりずらく。上手く崩すのって難しいね。

セットリストはこんな感じ
1)眠れぬ夜のシンフォニー
2)ベランダでボー
3)かすみ草
4)最後に笑おう(新曲)
5)叫び
6)ひまわり

言葉遊びと、技巧的な演奏で疾走するベランダでボーは何度聞いても面白いや。曲前には秘技マイク回しも披露するサービスも。ただ、この秘技だけ切り出してやると、単なる芸に見えてしまう。

やはり、マイク回しは「chanty」という曲の中でやってこそエンターテイニングな演出になる気がする。曲の一部としてやられると、「すげぇ」と思っちゃうんだよね。そんな「chanty」を、また見たいなあ。正月から連続でマイク回し失敗したことがあって、最近あまり取り入れなくなってるけどね。

続けてバラードの「かすみ草」。この曲は本当に彼女の本質の一端を現す佳作だと思う。ここで決定的に客席の心掴んだような空気を感じた。欲を言えば、曲の前にいつものようなMCが欲しかったかな。前の2曲だけではまだいいくぼさおりがいかに誠実で、優しい感性を持っているか伝わっていない。それをしっかり仕込んだ感動的なMCで伝えてから「かすみ草」を歌っていたら、さらに説得力が増したと思う。

で、この曲の後に、まだMCしない内に告知。新作DVDの宣伝をしたのだが、ちょっと商売っ気が出てしまった感じ。かすみ草の前にMCしてれば、もうちょっと印象良くなるな。

新曲はこないだのワンマンで初披露したもの。コミカルで文学的という、彼女の特質がよくでている1曲で気に入った。そして叫び~ひまわりと情感たっぷりに聞かせる2曲。今日も良かったな。


さあ、そしてトリで企画者のヒメノアキラ登場。オープニングで「1、2、3」「トランペットファンファーレ」を歌っており、その後3組の個性豊かで高水準な演奏の後だけに、本人もテンション上げてきた様子。彼女の曲のタイトルはあまり知らないので、セットリストは不確かですが、こんな感じかな

1)声がなくなる前に
2)Today's Tomarrow
3)エンドロール
4)君はさわりたい
5)今

4)5)が新曲だった。曲名よく解りません。間違ってたら訂正してね。

彼女は本当に曲想が豊か。色々なジャンルや他のアーティストから学んで自分の引き出しを増やしているのだろう。向上心こそ、彼女の持ち味だよね。

曲によって拝郷メイコに似ていたり、伊藤さちこに通じてたり。この3人で先日、コンピアルバム「If the Girls~」のツアーで名古屋・関西方面を車で回っていたが、何処か似た者的な要素があるんだろうな。

最後にアンコールで他の3組の女性ボーカルをステージに呼び込み、松任谷由実「優しさに包まれたなら」をセッション。なかなか良い。特にハイエンドロのかおりちゃんがかっこいいね。また聞きたし。お疲れの翌日、パソコン買いに秋葉原へ行ったあずままどかに付き合わされ、飲むことになったとか。

「優しさに~」はヒメノが先のコンピツアーでもセッションしたとか。気に入ってるみたいだね。僕らにはえらく懐かしい選曲で嬉しい。

そしてブランドからのプレゼントが当たる抽選会へ。七つ森、Hi-endrophine、いいくぼさおりのそれぞれがくじを引き、書かれていた番号が記入された「ヒメノ新聞」を受付でもらった人が当たり。

3人目にいいくぼさおりが引いたくじがビンゴチョキシュリケンブランドのワイシャツを私も頂いてしまいました。さおりちゃん、感謝にひひ今年、勝手に彼女を僕のラッキーガールとしてるのだけど、当たってるよね。

しかし、まだこれで終わりではなかった。4組の充実した演奏があり、ヒメノの頑張りも素敵で、会場からさらにアンコールの拍手。期待に応えて、最後はヒメノアキラ1人が登場。「喜びのポケット」を熱唱。感動で涙出そうになってたな。ハートが熱いな。幸せな瞬間をステージで迎えられるアーティストって本当に羨ましいなあと、改めて感じた夜でした。