1月28日 BleuBleu 漆乃 他@グラフィティ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

久々に凄く気に入ったアーティストと遭遇した。「BlueBlue」だ。オシャレで格好いい。歌にパッションがこもっていて、歌唱力もある。声もいい。それ以上に一つ一つの詞に感情を込めていて、前のフレーズと切ってでも言葉特有のイントネーションを伝えようとする。気持ちがひしひし伝わる。そういう歌い方、好きじゃない人もいるようだけど、僕は大好きなのだ。

今夜は、時間が空いたので赤坂グラフィティを覗いてみた(最近このパターンが多いなw)。出演者は誰もよく知らない。が、天窓などでよく名前は見かける伊達恵子と漆乃。それと初めてのブルブルとNostalgicScopeの4組でみな女性ボーカル。

さて、どんなん歌を聞かせてくれるだろう。楽しみに開演を待った。しかし最初のノスタルジック、2番手の伊達恵子、3番手の漆乃までは帯に短し襷に長し。一長一短あって、それぞれ魅力的な側面もあるのだが、トータルでは心に響いてこなかった。

で、最後の1組に。否が応でも期待は高まり、ハードルも高くなっていた。ブルブルは男性がキーボード、女性がボーカルの2人組。どちらもルックスが良い。清潔で前向きで陽性で、センス感じる。

最初の2組がバンドだっただけに、音の厚みで負けかねないかな、と一瞬抱いた危惧は、ボーカルが一声発した瞬間に消え去った。自信に満ちた伸びやかな声で、グラフィティの弛緩していた空気を変えた。びびびっときた。

で、冒頭の感想だ。彼女の仕草が一つ一つ、絵になるのだ。鏡の前で何年も試行錯誤してきたのだろうか。

元々は大阪でやっていて5年前に上京。東京でこつこつライブを重ねてきたという。BlueBlueとしてはアルバムはまだ自主制作の一枚のみ。このライブの直前に滋賀の山奥のスタジオに籠って2枚目を制作したばかりという。こちらは来月中旬にも発売らしい。多分、天窓スイッチでのツーマンで手売り始めるのだろう。

楽曲のテイストは違うのだが、同じ大阪出身で男女2人組で東京に出てきて、代官山ノマドをベースに活動していたエポコールに似ている。エポコのしおりちゃんと、ブルブルの愛ちゃんの顔の作りが似ているのも不思議。

ただ、しおりちゃんは素焼きの迫力ある器で、これから絵柄を付けていく段階だったと思う。それに比べ、愛ちゃんはもっと洗練された有田焼のような感じ。って分かりにくいか。

ボーカリストとして近いタイプを探すなら、玉城ちはるだな。同じように、前のめりに何かを伝えようとする意思が、歌やステージから明確に見てとれる。

多分、大阪時代や上京当初はもっと粗野だったのだろう。購入した2年前制作のミニアルバムを聞いてみたが、同じ曲でも今回のライブでの演奏の方が洗練され、ビシビシ伝わってきた。

玉城ちはるのステージ力や人間味、エポコしおりちゃんの素朴な野生ともいえる個性に比べ、インパクトはは小さいかもしれない。でも逆にブルブルの方が、すーっと入ってくる部分もある。新しいことに積極的で、まだまだ伸びそうな雰囲気に好感だ。

次のアルバムや、3月8日のワンマン@天窓スイッチが楽しみだ。ただワンマンの方は月曜日なんだよなあ。行けなさそうだが。

初めて聞いたのでセットリストはやや怪しいが、下のような順だったと思う。

1)君に続く恋のカケラ(多分、曲名言わなかったので)
2)ランプウェー
3)アイコトバ
4)限界ライン
5)キキトドケタリ (午前2時の締め切りや満員電車の歌、なんじゃそれw)
6)もしも君が笑ってくれたら
en)窓

特に3)に才能を感じ、5)と6)が良かった。新アルバム収録曲で、レコーディングで歌い込んできたばかり。フレーズやブレスが凄く仕上がっていて、しかも気持ち良さげに歌っていて、こちらも笑みがこぼれる。内容的には5)は身につまされる詞なのだが、それだけ詞がしっかり伝わってきたということだ。

多分、最後まで残っていた客の半分以上がブルブル目当てでなく、その前に歌った漆乃や伊達恵子目当てだったと思う。終宴後の物販の集客状況や演奏中の撮影熱で明らかだ。それでも、アンコールや曲ごとの拍手は4組中で一番だったのではないかな。

ググってみた。元々は5人組のバンド「I's Cube」として2001年秋に活動開始。2005年4月に活動拠点を東京に移すが、メンバーが徐々に脱退し2人に。2007年10月にはブルブルに改名して出直したようだ。今発売してるミニアルバムはその直後に制作したものらしい。今回制作したアルバムはブルブルとして2枚目だが、アイスキューブ時代には何枚かリリースしており、キャリアは長い。

ちなみに、彼女らが活動開始した2001年頃にデビューして、いまもライブシーンを盛り上げている女性シンガーって結構多いね。コンピアルバム「IF THE GIRLS ARE UNITED」参加アーティストの大半がその前後ではなかろうか。その頃から10年近く。酸いも甘いも突き抜けて、今、脂がのっているのだろう。

何れにしろ、キャリアはあるがまだフレッシュなBlueBlueのこれからに目が離せなくなりそうだ。