続々 LIVE ORANGE  黒赤ちゃん、吉田司、山崎ひな | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

さてこのライブで一番目立ったのが、美女と野獣だったと前に書きました。
進行役が、2008年度ミス法政大学の山崎ひな子と総合格闘技DEEPのライト級チャンピオンである菊野克紀の2人だったからだ。

イベントのハイライトは、なんと菊野のバット折り(笑)
「僕もベトナム女性の教育のため、歌えないから、バット折ります」だと。
にわかに登場したスタッフがバットを抑え、舞台を傷つけないようブルーシートを支えて、いざ菊野の蹴りが一閃。見事、ぶち折ってくれました。


さて、もう一人の進行役の山崎ひな子ちゃん。

進行中、少しだけ自分で紹介していましたが、彼女も真剣に社会貢献活動に取り組む一人だ。ミスキャンパスを集めて、こうした社会貢献活動のサポートをする団体「Sweet Smile」を2009年8月に立ち上げた。

「国際協力は身近なこと」「世界のみんなと笑顔を共有したい」が団体設立の動機。<誰もが気軽に国際協力できる環境の実現を目指します>というVISIONを掲げて、現在彼女を含む6人のミスキャンパスが活動している。

活動の第一弾は、Table For Two(TFT)という取り組みの親善大使。TFTは、社食や学食でヘルシーメニューを出して食べてもらうことで、メタボ対策をする一方、その売上の一部でアフリカの子どもたちに給食を提供するという社会貢献運動。日本でTFTメニューの定食頼み食べるごとに、アフリカの学校給食1食分にあたる20円が寄付される仕組みだ。

この考えに賛同したコンビニのスリーエフも、TFT弁当開発に取り組み、SweetSmileとコラボ商品を開発。11月から販売している。

さらに、Sweet Smileでは、チャリティーや国際貢献活動、LiveOrangeのようなイベントの進行役を引き受けている。ミスキャンパスは、客を呼べるブランドだ。その自覚を持って、社会貢献活動などを敬遠している人を集めることができ、来た人が何かに目覚めるきっかけを作れるなら「客寄せパンダ」でもなんでもやります、と頑張っている。

単に外見がいいだけのミスも多いのではないか、と思っているあなた。その通りかもしれないけど、彼女がこうした活動を説明するときの目の輝きは素晴らしいよ。

ただ、ここまでくるのに苦労も多かったとのこと。「社会貢献活動やろう」と他のミスキャンパスに声をかけても、なかなか賛同者が集まらなかったという。根気よく声をかけ続け、ようやく横浜国大、学習院、桜美林、一橋、成蹊の5人のミスキャンパスが参加してくれたそうだ。

さらに、彼女は大学4年生なので活動を次世代に引き継ごうとしたが、代表として牽引してくれる後輩が見つからない。そのため、就職しないで、代表をあと1年間続けると決めた。今は就職大氷河期。こうした活動に尽力するという選択も一つの決断だ。ペイ・レスペクト。

この氷河期の中で、大量のプーや自ら留年する学生が産まれている。不景気は根深く、構造的なので彼1~2年では抜け出せないだろう。留年組も嫌でも来年には氷河の中にこぎだす事になる。

その時、社会に求められる人材になっていれば良いが、ほとんどがモラトリアム=遊んでしまうだろう。いざ景気が回復しても、そうした人材に価値を見出だしてくれる企業がどれだけあるだろうか。

自分を磨き高め、社会に積極的に関わり続けた若者しか昇れない。そんな社会になりつつある。ミス法政山崎ひな子ちゃんのスイートスマイルの活動は、そんな視点からも価値があると思う。彼女のチャレンジにエール送りたい。

さて、2組目の出演者「黒赤ちゃん」だ。男4人で、ボーカル&ギターが2人、ベース、パーカッションという構成。またまたキーの高いこと。それをハモる。流行りだね。

音楽的には、無理やりセピア色にした映画のよう。郷愁やリラックス作りました、はい、どうぞ。と出された感じ。優しい淡い感覚を狙ってかわいい声出すけど、どこかおっさん臭い。

「心地好く裏切られた」みたいな評価の声が紹介され、腹黒の赤ちゃんからグループ名とったという。自覚的にやってるのだろう。でも、そんなのただの自己満足でしかない。一番気に入らないのは、音楽に対して不真面目なところ。楽器演奏が下手すぎる。なのに向上心感じられない。

3組目は吉田司。ギター、パーカッション、ピアノのサポート。全て男。このサポートの3人がいい。黒赤との対比でより目立ったのかもしれないが、みな音楽にまっすぐ向き合っている。当然、はるかに演奏が上手い。そして音にセンス感じられて嬉しい。

吉田司のボーカルも、また声が高い!!ただ残念なのは、ホールの空気を変えるほどのスケール感が無かった。断然、ノリは良かったけどね。

しかし、男性陣に元気ないよなあ。奇しくも、アンコールを全員で歌う時、黒赤や吉田司らは、はじっこに固まってステージ全体への目配りがない。で、みさちゃんが仕切ることに。

草食系とか言われてるが、本当に危機感あるなあ。日本の将来に。等々変な事思わされたライブでした。