続 LIVE ORANGE @錦糸町トリフォニーホール | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

この日のライブのタイトル通り、ステージの背景に巨大なオレンジのちぎり絵(?)。多分メッセージが書き込まれた大量の紙を張り付けて、オレンジ型の地球儀にしたのでしょう。手作り感あふれ、なかなか素敵でした。

ではLive Orangeとは何か。ホームページには以下の説明がありました。(一部略)

「LIVE ORANGEの収益の一部は学校の建設や奨学金の提供のために使われます。しかし、LIVE ORANGEはチャリティーではありません。持続的に世界に教育を届けるために、持続的な資金の獲得と情報の発信を行うことを目的としています。そのためには何度も継続的にライブ・イベントの開催が必要となります。しかし、人々の善意のみに頼る従来のチャリティー・ライブでは限界がありました。そのため、ビジネスとしてライブを成り立たせて、寄付に頼らない自立させビジネスとして社会貢献活動を行っていこう!! そういった、想いで立ち上がったのがLIVE ORANGEです!」

このライブ事業の収益の一部は、アメリカのNGO「Room To Read」に寄付されるとのことです。

正確には、チャリティーではないのですね。

「チャリティー疲れ」という言葉があります。これまで、高い志を抱いて活動を始めた多くの人たちが、奉仕活動を長続きできず撤退していきました。その原因は明らかです。無償奉仕を続けることは、体力や財力を削り続けるることになります。体力や財力が尽きるか、状況が許さなくなった時点で、お終いなのです。

あまりにも自明な事なので、欧米では早くから社会貢献「事業」という考え方が定着しています。つまり、専従の事業者が給与をもらいながら、活動を継続していく形態です。労働組合に近いですね。当然、その収益には税金の優遇措置が適応されるなど、国家としてもそれを支える体制を整えていることが多いようです。事業化することで、寄付できる金額も有志のチャリティーを大きく上回り、世界の貧困撲滅やAIDS患者救済、教育機会提供、自然保護などを推進できるわけです。

もちろん弊害もあって、NGOやNPO貴族とも呼ばれるリッチ層が一部には産まれています。浄財で裕福になるのは許せんと批判を集め、解散に追い込まれる所もあります。事業として継続する最低限の条件は、資金使途の透明化です。そして、不透明な使途が明らかになった際のペナルティーや、事業者をクビにできる制度などが必要といえるでしょう。

翻って日本では、社会貢献「事業」に対する理解があまりに乏しい。そのため、「チャリティー活動なのになぜお前は給与をとるんだ」といった批判を浴びせる企業や大人が余りに多いでしょう。そうした、日本の現実を変えるためにも、また音楽が世界を救う具体的な動きとしても、この事業に取り組むために設立された株式会社「FEELS LIKE ORANGE」には頑張ってもらいたいと思います。

新会社は数人の専従スタッフと、10人程度のボランティアサポーターで活動をスタートさせたようです。

第2回のライブは
日時: 来年1月16日(土) 17:30開場 18:00開演
場所: 吉祥寺Club Seata
料金: 前売り2500円、当日3000円
出演: 村上ポンタ秀一+人気の女性歌手ChiyoTia
    宏美
    DAG FORCE
    サルーキ=
    nothing ever lasts
EXIT

という豪華な顔ぶれ。これも楽しそうだね。趣旨に賛同できるなら、ぜひ参加してみては?