10月10日 拝郷メイコ ハセガワミヤコ 玉城ちはる @ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

今宵は女性シンガーソングライターのホスト役が毎回ゲストを招くFAB連続ライブ企画「FLOWER VOICE」通称「フラボ」第47弾。

ゲストはかつてフラボ草創期(笑)にホストだった2人。初代がハセガワミヤコ 、2代目拝郷メイコ 、3代目池田綾子、4代目辻香織、5代目SHUUBIと続いているらしいが、その初代と2代目総長の登場だ。


現在は6代目、初のダブルホストで玉城ちはると清家千晶 の二人。オープニングのPV映像がおっされーで、意味深。カラフルな衣装にポップな映像はさすがプロ。2人の表情がいい。久世さんの才能感じる作品。DVDも売っていて、いやあFABも商売うまい。ちょっと欲しくなった。迷ったが購入しなかったけど。


そして、今日またひとりのアーティストにほれたな。清家千晶。良かった。ここまで自分の声が形作る劇的な世界を、意図的に創造できる歌手少ないんじゃないかなあ。ポイントは「意図的」ってとこかな。狙った声を絞り出す声帯や技術もすごいけど、そこはあくまでツールであって、それで何を表現するのかに、しっかり焦点を当てている。そして彼女自身の「もっと、もっと、もっと、もっと」と歌の背後で叫んでいるような焦燥感みたいな何かが、じりじり伝わってきて、こっちの尻にも火がつきそうになる。いろいろ書きたいので、彼女だけ別項、フラボ47後編を設けるね。


しかし、彼女が一番分からなかったという人もいた。人によって評価は違うもんだ。このブログもあくまで僕の独断による評価だから、毒があってもどうか許されよ。

さてさて、時間を戻そう。まず冒頭にホストの2人が登場し、ゲスト紹介。初代、2代目降臨とあって、しかもある意味濃いキャラがそろったことで、今宵は「金網デスマッチ」は不可避か、とちはるさん。彼女はその年齢の割りにすごくしっかりしている。底抜けの爆笑の連続ながら、とっても頼りになりそうな存在感。女性とかアーティストとか抜きにして、人間として好きになりそうなタイプ。



1で、トップバッターは拝郷メイコ ちゃん。


彼女のかわいい声から少し想像できないが、結構負けず嫌い(ごめん)なのか、2代目総長としての貫禄か、今宵もちはるちゃんに対抗意識を燃やしているような、チロチロ感が(笑)

ギターは相変わらず格好いいし、歌も深い。何度も聞けば聞くほど、心に響いてくる。MCでは、アルバム発売から「西へ南へ」ライブツアーで、在来線を使い東京から九州まで26日間かけて歌の旅を続け、多くの出会いや体験が大きかったこと語る。途中、前奏から歌い出しで失敗して、崩れ落ち、やり直す場面も(笑)客席との掛け合いが絶妙。ストリートやステージの経験が素晴らしい安定感に結び付いてる。自信を感じる。


やはり、「モンスター」や「garden」はいい曲だ。新アルバム「HELLO TREE」の曲はどれも好きだが、この2曲はヘビロテしてる。あの優しい声で歌われると、彼女が描く日常の中に芽吹いた感情のヒダがひしひし伝わってくる。それにMCで自身で言っていたが、新アルバムでは初めてすべての曲で主語が「僕」ではなくなっているところに、心境が現れているかもと話していたが、そんな女の子的な歌も彼女の声にはぴったりと合う。この日歌った初恋の曲「ハニーレモン」や、アルバムの「東京タワー」などいい感じだ。

個人的には「悲しみcloset」や「ソイトゲヨウ」を聞きたかったけど今夜は持ち時間が短いこともあり、選曲されず。残念。




22番手にハセガワミヤコ さん。彼女の声、作った曲からは、癒される春のような温かさを感じる。彼女の楽曲には高い音楽センスを感じる。曲の盛り上げやまとめかたがうまく優しさを表現している。新アルバムを発売したばかりで、その曲が中心。

いつもは自分でキーボードを弾きながらの演奏だが、この日はギターサポートに伴奏を任せて歌に専念。
ただいま妊娠中ということだが、大丈夫なのだろうか。安定期に入ってるのかな。


4人の中では一番穏やかで、とりまとめ役的な存在だったが、それも彼女の包容力やたおやかさがなせる技。昔からそうだが、やはり母は強しという感じ。他の3人が彼女にはレスペクトしてるのがよくわかる。


12月18日(金)にFABで開くワンマンライブ「記憶」を最後に、音楽活動を一時「産休」するそう。母親になっても音楽は続けられるし、母だからこその歌を紡げるだろう。特に都さんの優しい視点で、子供や生命、母などを題材にして歌ってもらいたいねえ。来年のいつごろ復帰でしょうか。



3さて3番手、清家千晶 については後で、と先に書いたが、実は先に書いてしまいました。ので、この日記の方が日付は早いのですが、先にアップされています。詳しくはそちらで。



4ラストに登場したのは、玉城ちはる


スケール大きい歌手だね。体も大きいのだけど、歌の世界に広がりがあって、それをよく通る力強い声でのびのびと歌い上げていく。歌いながら、歌詞を振り付けのように手話でも伝える。手の動きにも意志が通っていて、声と手と全身を表現手段として、生きる前向きな力を一人でも多くに伝えようとする彼女の強い意志がひしひしと伝わる。体全体でライブ空間を自分の中に取り込んでしまうような勢いだ。


彼女のライブは、うじうじしている小学生や思い悩んでいる中高生とかに見てもらいたいなあ。まあ、キレイごと過ぎると拒否反応を持つひねくれも多いだろうが、「前を向いて」や「君が愛の種」などを歌う彼女を間近で目撃する機会があったなら、きっと生きるパワーをもらえることだろう。PTA的オススメだし、それ以上に、世知辛い世の中をあくせく生きている大人たちにも応援歌として響くのではないだろうか。


ところがMCは、下ネタありのくだけた庶民的なお姉ちゃん風。そのギャップがおもしろい。

女優もやるキレイな人だが、豪快でサバサバした酒好き。いいよね。そういうところ。


実は6人もの留学生を預かるホストマザーでもある。

広島市出身(沖縄生まれ)。戦争に関しては色々と想いがあり、音楽を通じて平和活動したいと語っていたこともある。ただ、単に「Love & Peace」と叫ぶだけでは駄目だと頓悟。まずアジアの人たちとの、人と人の交流と相互理解の上に築ける信頼関係づくりの第一歩として留学生支援に力を入れる。


常に体当たり、常に本気。「本気と書いてマジと読む」とかいつか言っていた気がするが、人間としてレスペクトできる存在だ。



そして最後、4人全員で、6代目ホストのテーマソング「Emily」(by清家千晶)のセッション。玉城と清家の二人がリードし、拝郷とハセガワが「フッ、フッ」と入れるコーラスも絶妙。みなが入れ替わり歌う後半も全員レベルが高くて、最高のステージになった。「Emily」は格好いい締めの一曲。メロディーラインが単純でやるせなくて、頭にいつまでもリフレインする。素晴らしい余韻を引いてくれた。


拍手喝采。


終了後の物販コーナーには4人とも現れて、大混雑。しっかり、玉城さんの「針と波紋」、「Emily」、清家さんの「doll」を購入。サイン書いてもらい、握手してもらいました。いつまでも輝いていて欲しい4人でした。