9月27日情熱大陸 Superfly | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

おおっ!!Superflyが情熱大陸に取り上げられていましたね。

今や日本の音楽シーンで最も実力があり、販売につながっている傑出した存在といっても過言ではないんじゃない?

「愛をこめて花束を」を初めて聞いた時の衝撃は忘れられない。こんな凄い歌手が日本にいたのか!!と驚愕。即座にCDを購入して、暫くSuperfly漬けの日々だったからなあ。

パワフルで、ソウルフルで、格好良くて。世界のどこに出しても誇れるホンマモンのアーティストの出来だと、多分多くの人と同様に僕も感じたものです。

例えば青山テルマやAI、クリスタル・ケイなどは代表的な日本人とはいい難い。倖田來未や浜崎、福山などを日本代表とするのは恥ずかしい。PUFFYや安室だって、海外ではクールジャパニーズという文脈のなかで評価されているのではないだろうか。

いや、日本的なもので勝負して、評価を得ることはむしろ良いことだと思う。ただ向こうの土俵で勝負できる日本人アーティストは少なかった。ガツーンと歌いかまして、彼らのハートを鷲掴みできたらこれほど爽快なことはない。そんな勇姿をいずれ誰かに見せて欲しいという願望が常々あった。

クラシックの世界では、随分多くの日本人が世界標準で大いに活躍してきた。ところが日本のポピュラー音楽は内向きで、アジアでこそジャニーズや谷村新司も人気だが、そこからの広がりに乏しかった。

「情熱大陸」の番組で、彼女がウッドストックでの野外に呼ばれ、見事に迫力のステージを繰り広げた事を知った。最初はちっちゃい日本の女の子にこのステージ務まるの?といった冷めた目で見ていたお客さんが、彼女の声に「んっ」と反応し、自信に満ちたステージからの挑発に「意外とやるなあ」と目を見張った。そして遂に迫力タップリのブルースロックに総立ちで体揺らし始めた。

涙でたね。

勿論テレビだから、いいシーンつないで感動的に仕上げてる訳で、これで勝負に勝ったとか言うつもりない。演奏後のお客さんの声もいいものだけ流した訳だし。それでも第一歩は十分な手応えだったんじゃないか。

ライブ直後、緊張が解けて彼女も涙が止まらなくなっていた。しかし、何より彼女が格好良かったのは、翌朝慌ただしく帰国の途につく際に、「次の仕事で頭が一杯」と勝ち気な瞳で言い放ったシーンだね。次の戦場に向かう戦士の顔だった。

彼女はレコーディングの際のドラムの音一つから、PVの背景、ジャケットのデザインに至るまで、それぞれの分野で最高の仕事してきた専門家にもしっかり意見を通していた。

彼女自身が、全てにきっちりとしたSuperflyのイメージを持ち、トータルにセルフプロデュースできると確信があるのだ。しかも、それがかなり高い水準にあるため、周囲も意地でもその水準の仕事をやらずにいられなくなる。腐ったり、青かったりしている奴は置いてくぞ、という空気がピーンと張り詰めているからこそ、Superflyのあの完成度があるのだと、大いに納得した。

番組ではSuperflyのルーツをたどり、彼女の故郷までカメラが追っていく。四国愛媛のその里は、田んぼと、河原と、遠くへ続く山並みと、果てしない青空しかなかった。

その河原で彼女は、腹の底から出した歌声を遠くへ、遠くへと飛ばしながら、今の歌唱スタイルを磨いたという。あの力強い歌声は、チマチマとした室内では絶対生まれない。大自然との格闘で身に付けた野性があるからこそ、理解できない都会人は圧倒されるのだ。
「日本一になる」と高らかに宣し、売り上げトップになっても自分は満足しないという。常により高い何かを求め続ける、と貪欲さを隠そうともしない。その気っ風、惚れてまうね。

日本人ミュージシャンのイチローとして、どんどん世界へ行って欲しい。そして「世界一になったけど、まだ満足してない」と言い放って欲しいな。

「マニフェスト」「Hi Five」も大好きな曲だが、発売日にゲットした2ndアルバム「Box Emotion」に入っている各曲もなかなか良い。「やさしい気持ちで」が今日時点で最も気に入ってハードプレー中。

Superfly越智には、その才能をくだらない商業主義に費消せず、最高の曲をどしどし作って、世界の大舞台に挑みかかって欲しい。ガツーンと地球をシェークしちまえグッド!