9月24日 Epochol  & Natural  @代官山nomad | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

「大切なライブです」
という案内がこの日の2組の出演者から、ファンや友人らの元に届いた。それに応えたのか、50人も入ればいっぱいのノマドの客席が2度満席状態に沸いた。客が入れ替わってだ。


ノマドがここまで混むのをはじめて見た。今月なら鎌純&森恵ツーマンもそれぐらい混んだかもしれないが、惜しくもそのライブは見逃した。

「大切」というと、ワンマンや誕生日、レコ発ライブなどが思い浮かぶが今回の2組はいずれでもない。


まず4組目の男女2人組の「Natural


3番手の大橋隆三くん(大橋トリオではないよ)from 愛媛(お笑い「ものいい」の吉田サラダに何か似ている。違うかー)が終わると、客席にはそれまで外や後ろで立ち見していた客がぞろぞろと大移動。客席を埋め尽くした。ワオ


ナチュラル最終章!つーことで、「本日を最後に解散します」と宣言。すでに9月1日時点で彼らのホームページで公表されていたので、本日のお客さんは最後の姿を見に来たのだろう。


解散の理由についてMCで深く語ることはなかったけど、ブログを見ると「お互いの音楽性の違いや、お互いの今後考え」て、それぞれの道を進むことにしたとのこと。確かに前見た時に、二人の組み合わせには少しずれがあると思っていたが、そこは熟成することもあるのがユニット。自分達なりの独自色のある音楽を作ってはと書いたが、二人の音楽性の違いがそうした独自色を作ることできなかったのかな。


ただ、ライブの中身は、前回見たときに比べ格段に良かった。


キーボードのNAOちゃんは、前回同様にセンスのあるサポートぶりを発揮して好感を持てた。特に変わったのは、ボーカルのTATSU君だ。前は甘っちょろい、お客さんとのコミュニケーションの取り方もよく分かっていない井の中の蛙風の学生といった感じだったが、ちょっと良い歌手になっていた。


解散とソロ活動のスタート。一人で甘えが許されなくなることが、彼を一皮剥けさせたのだろうか。すごい勢いで新曲を作りまくり、他の歌手に注目してそれを盗み始め、少し高い水準を意識し出したようだ。禁煙した、という決意も好感がもてる。


彼は青森から上京し、日吉に住み、音楽に没頭し始めた。

あれっ?て思いました?そうです。これって渋谷めぐみと全く同じ。青森から日吉(地域)に移り住み、音楽活動に没入している彼女。二人は年齢も違うし、全く接点はないようだけど、そんな偶然があるなんて、おもしろいね。彼はもう日吉に住んでないようだけど。


ソロとしてのTATSUは、まったくのスタート地点。歌がうまいだけで実績のないアーティストでしかない点では、渋谷めぐみに及ばない。だけど、どうやら彼は人生のすべてをかけて歌に没入するつもりらしい。短期間ではっきり分かるほど歌唱力や声が向上しており、今、急成長を遂げつつあることは少し楽しみだ。


ただソロが難しいのは、サポートの演奏家らを自力でそろえていかなければならない点だ。打ち込みのカラオケでライブするソロ歌手も多いけど、それは所詮カラオケ。お客さんに金を払ってもらう歌手としては、それでは物足りない。多くのサポートとうまく付き合い、応援してもらう事もアーティストとしての重要な資質

なのだ。TATSU君はギターなども少しはできるようなので、今後は自ら演奏するスタイルにも挑戦してはどうだろうか。


ちなみにNAOちゃんは、色々なアーティストの鍵盤サポート活動をより積極的にしていくらしい。彼女は音楽をよく分かっていて、MCなどもうまいし、チャーミングなのできっと活動の幅は広がるだろう。頑張って欲しいね。


彼らがいずれ、日吉のライブハウスnapで、渋谷めぐみと競演する日もくるかもしれない。それは、自分的には少し楽しみだ。


ちなみに3番手の大橋君も、素晴らしいギターテクを披露し、客席を乗せた。少し小太りで、自らMCで「ふー、喉が渇いたから炭酸。ゼロだよ」「必ずやせてやるからな」と笑いを取っていた。本当にものいいを彷彿するんだよなあ。彼はソロで、こうして全国で新しいファンを開拓していくのだろう。


さて、Naturalが演奏を終えると、ザーっと客がはけてしまった。トリのEpocholの方が客が少ないと格好つかないなあ、と心配したのも束の間、それは杞憂に終わった。続々と新しい客が入ってきて、Naturalに負けずに客席を一杯にしたのだ。


続きは次項で。