倉沢桃子、森恵に続いて3番手はkoume。
見た目はかなりタイプ。きれいなお姉さんタイプ。
白のギャザーがたくさん入ったワンピースみたいなドレス。
黒く長い髪、上品で優しい笑顔。美形。
フルバンドを従えて、アイドルのように登場。
そして歌唱力もやはりアイドルのようでした(笑)
バックバンドの人たち、ギターを除いてあまり楽しそうでない。
まあ、一体で何かを作り上げているグループではないのでしょうからね。
その点、渋谷めぐみなどは、ベテランのスタジオミュージシャンらが気に入ってサポートしているインディーズ歌手ともいえる。それだけに演奏を含めて、グループで盛り上げている感が客席にもじわじわ伝わってきて、共にノリノリになれる。それも歌の実力があるからこそのサポートなわけです。
koumeがそうした実力を、作曲も含め、少なくとも今回のライブでは片鱗も感じさせてくれなかったけど、すでにメジャーデビューしているわけだ。テレビ東京の番組「ミューズの晩餐」のエンディングテーマ曲を歌わせてもらっている。
美人だから得しているのだろうか?
うーん、得をしている感は全く感じないけど、こうしてシンガーソングライターとして活動を続けられているという点で何がしかの恩恵はあるのだろうか。
最後はThe SPIN。
このバンドを目当てに、オタ風男達とおっかけ風女性らが最前列に進み出て、スタンディング。どんなグループか知らなかったが、この時点である程度推測ができた。
しかも、女性陣がみな20代半ば前後(にみえた)。
多分、数年前はビジュアル系でおっかけ女子高生をたくさん動員していたのだが、その後はいまいち新しいファンをつかめずにきているのではないか。そのままファンが持ち上がったのか。
それとも、ボーカルのかわいい女の子が加入したことで風向きが変わったのか。
ギンギンと音を鳴らし、うるさい。女の子もかわいいけど…。
「お前ら座ってんじゃねーぞー」
と客席に強圧的にのたまわっていたが、それで思わず立ち上がりたくなるようなカリスマ性は感じなかった。
よくいるんだよね。こういうバンド。
「俺達はノリノリだぜー」と叫びながら、客をのせられないの。
もちろん、僕もノリの良いバンドでは思わず立ち上がって跳ねてしまう。良質のロックやパンク、レゲエなどのパワーの前では人は無抵抗に、思わず立ち上がって体を動かしてしまうものだ。
昔、アフリカから来たパーカッションだけのグループの屋外での演奏では、その分厚い打楽器の音に心の底から震え、体中が火がついたように熱くなり、イベント会場に音楽と関係なく来ていた多くの老若男女が、最後はみな踊り狂っていた。リズムは人間の原始的な衝動を突き動かすものなんだと、その時つくづく思った。
だから、しっかりしたリズム感のあるバンドは客を簡単にのせてくれる。それが最高に快感で、客は刺激と幸福を感じるものだ。
TheSPINは、パンチがない。リズムが悪い。エレキギターがガチャガチャの騒音でしかない。ファンの方には申し訳ないが、ただ五月蝿いという感じで、大変残念であった。