大黒美和子のライブは2回目。
今回は肩の力が抜けた、楽しいライブでした。
彼女は、とってもステージのクオリティーが高いうたうたい。しっかりしたプロ意識、プロの水準が分かっているからこそ、手を抜けないのだろうと思う。インディーズの歌手がプロに混じるとすぐばれるのは、歌唱力のせいだけではない。プロにはプロの最低限維持すべきステージの質があり、そこを維持することに力を注いでいる。アマはそもそも最低限の水準が分かっていない。
モチロン、歌もいい。構成力がしっかりしてるから、聞かせる。
最初の一音から、サビの盛り上がりを最もドラマティックにするためにどのような声音や強弱にすべきか考えられている。
「月の暈」とか、今回は歌わなかったけど好きだなあ。
きっといい師がいたんだろうな。
まあ、いろいろあったのだけど(分からなければ検索してね)、うたうたいとして体に染み付くまで鍛えられた蓄積が、彼女のステージを支えている気がする。
前川清風にいえば「昔があるから私は生きてゆける~♪」だな。
でも、今回特に「良かった」と思った曲は、「スマイル」かな。
前回聞いたのは、再スタートの直後。その時は肩に力が入っていた。笑顔がぎこちなく、ステージングもちょっと過多。なんかインディーズの20代の女性POP歌手でそこまでやるかな~みたいな感じがあった。
だから今晩は笑顔が良かった。もっと、もっと、もっと心から笑って欲しいけど。「スマイル」という曲に自身の願いがこもっているようで、「ガンバレ」と応援したくなりました。
ただ今晩のステージは、伝わり感が弱かった気がする。なぜだろう。前の方が切実に訴えかけてくる迫力があったけど。むかーしから変わらずに応援し続けているのファンの方もいらっしゃるので、あまり偉そうなこと書くのは少々気が引けますが。
期待を込めて言うと、もっともっと人生経験を積んで、働いて、心を磨いて、もっと恋して、人生に悩んで、社会と向き合って、曲作りに没頭して、音楽を愛して、祈りの心をもって、その人生の中から珠玉の曲を世に送り出して欲しい。うたうたいの経験値は十分に高いのだから、大黒美和子にはできると思う。