溝の口駅から、不安になりながらごみごみした街道を歩くこと7分。「糀ホール」はありました。糀=麹、いいねえ。建物が一階の酒屋さんのものなのだろうというネーミング。しかもモルトホールでも、葡萄ホールでもなく、糀。 酒屋店主の日本酒への愛情がひしひしと伝わってくるな。
日本酒党の僕も、たびたび各地の酒蔵を訪ね、酒造りの工程をみてきたから、米をアルコールのもとのブドウ糖に変えてくれる糀のすごさ、種類によって酵母とともにフルーティーにも重厚にも酒質を変えてしまう万能さなど、麹のアッパレな存在には、頭が下がります。ちなみに麹と糀は同義ですが、麹は中国から伝来し現在でも一般的に用いられる漢字。糀は、その後日本国内で酒や味噌や醤油などを作る際にこうじ菌が米に生えた様を、まるで米に花が咲いたようと職人らから生まれた字だそうです。そんな日本酒業界の心意気がホール名の糀に現れているようです。
そしていよいよ、ホールコンサートはじまり、はじまり。
続く