失語のある人の評価を行って思ったこと | あじあん Asian ST(言語聴覚士ブログ)

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回復期病院→JICAボランティア→大学院で学び、その後は神経発達症のお子さま等の支援に関わらせてもらい、現在は総合病院に勤務しています。言語領域に関わるトピックや、問題解決に役立つ情報を提供していきます。関心のある方はどうぞお立ち寄り下さい。

こんにちは!

 

先月

『失語のある人の訓練をします』

という記事をあげました😏

 

ざっくりと簡単に経緯をお伝えすると…

 

その方は15年程前に私が外来で担当していた方

で、久しぶりに評価・訓練を行う

ことになったというものです😊

 

今回は、その方の

評価をほぼ終えたので

そこまでの過程で

思うところがあったので

お話したいと思います!

 

その方はすごく真面目で

出された宿題に不平不満を言うことはなく

一生懸命こなします👍

 

朝は自習時間が設けられており

検査の日の直前も

プリント課題に取り組んでいました

(これはデイサービスで出されて

 いる宿題とのこと)

 

真面目な人ということに加えて

親しみやすい面もある方でもあります☺

 

かなり久しぶりの評価になるため

現状の能力を改めて

しっかりと把握する必要がありました

 

失語の検査だけではなく

知的な面や注意力

発音や舌、唇の動きなど

色々な検査を行いました

 

結果ですが

聞く、読むなどの理解課題

はすべて全問正答で問題はありませんでした

 

しかし

話す項目では

誤りが散見されました

 

特に文の音読や復唱では

非流暢な発話が多くみられていました

 

非流暢な発話につながる

中心問題については

私なりに把握できましたので

評価は一旦これで

終了することにしました

 

そして、今回は

御本人の方から切実にニーズに

ついてお話されていました

 

それは…

普通に話せる人と話をすると

どうしても引け目を感じてしまう

もう少しスムーズに

話せるようにしたい

ということでした

 

しかし…

私はこの方が実は15年前にも

同じようなことを言っていた記憶が

ありました

 

15年間という決して短くはない時間を経て

改めてニーズとして伝えてきている意味や

言葉の重みというものを

感じて受け止めざるを得ませんでした

 

御本人によると

失語の検査を受けることも

相当久しぶりだったらしいのですが

 

口を動かす検査は

脳の病気した後に

やって以来やった記憶がない

と言われていました

 

本人のニーズは先程述べたように

非流暢な発話の改善

にあります

 

15年前に私が外来で訓練した時は

発話中心の訓練を行っていました

 

しかし

本人曰く

この15年の間

(私以外で)

発話の訓練をやった人

はいなかった

と話していました

 

これを聞いて少しショックを受けました

(担当変更の時に訓練内容の申し送りも

 しっかり行ったと思っていましたが

 担当それぞれの考え方もあるので

 どうこうは言えませんが)

 

もちろんこの方は昔よりは

話せるようになっていたのですが

この方の発話の問題は読み書き練習では

解決できない

私は考えていました

 

私も言語聴覚士ですし

同じ職種である言語聴覚士を悪く

言うつもりはありません

 

私より優れた言語聴覚士がたくさんいることも

分かっています

 

しかし

最終的に割を食ってしまうのは

患者さん側ですし

患者さんは言語聴覚士を基本的には選べません

 

もやもやしたものが

残ってしまうのですが

外来担当だった私にも責任の一端は

あると思っています

 

ですので

今度は私がニーズに応えられる

有効な訓練を提供できるよう

全力を尽くしたいと思います👍

 

今回も

最後までお読みいただき

ありがとうございましたm( _ _ )m  

また次回お会いしましょう(*^▽^*)!