パートナーシップ制度 | いち江南市民のブログ

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愛知県江南市で暮らす日々をつづります

 6月議会に提出された請願は2つ。ネーミングライツともうひとつはパートナーシップに関する請願。パートナーシップ認定制度とは、性的少数者カップルの関係を公的に証明する制度で、同性婚が認められない日本において、今、日本の自治体で急速に広がっている制度だ。

 とはいえ、外国のパートナーシップ制度とは異なり、この認定制度で可能となる法的保障はごくわずか。(前者は税の控除、保険金の受取、面会権などがある) 公営住宅へ家族として入れるようになったり、病院で家族として扱われるようになったり・・・ぐらいか。

 江南市に同性パートナーシップ認定制度を求める請願。

 この制度成立によって江南市が混乱に陥るとはとても考えられない。ましてや男女共同参画都市を宣言してる自治体なんだから、もうこれはやるっきゃないでしょと思うのだが、興味深かったのは、LGBTをどう捉えているか議員の発言。以下、会議録から。

 

陳述人A・・・日本は、LGBTQの基本的人権に関しては後進国です。まず、性的指向 の差別全般に対応する法律がありません。先進国と言われる国々には、平等 法や差別禁止法があります。加えて同性婚を認めるなど、パートナー関係を 保障する法律を制定しています。同性婚を認めていない国は、G7では日本 だけです。そんな中、自治体が行っているパートナーシップ制度は、性的少 数者を保護するための、差別や偏見をなくしていくための数少ない貴重な制  度だと思っています。江南市にはまだこの制度がありません。だから、今回 請願を行いました。 

 今現在、日本全国でパートナーシップ認定制度が取り入れられている自治 体は200以上です。これは、日本総人口の5割以上をカバーしていることに なります。制度の大まかな流れとしては、利用を希望する2人がまず市や町 長に対し、互いがパートナーであることを宣誓します。その後、宣誓受領書 が交付され、それを市、まち、事業者の窓口で提示することで、婚姻関係同 様とみなされ、家族として同等のサービスを受けられるようになります。 ・・・略・・・以上、具体例で説明いたしました。

 このように、あくまで市の要綱に基づいて実施されるものですから、制度 でできることは僅かです。しかしながら、この制度のあるなしでは、人権と いう観点から大きく異なってきます。なぜなら、市内の様々な場所でカード を提示することによって、パートナーシップという考え方を社会に根づかせ ることができるからです。これは、市民や市内事業者、人々の性的マイノリ ティーに対する正しい理解促進に貢献します。そして、これは何よりも若い 性的マイノリティーの人々に希望を与えるものです。この制度をつくって一 体誰が困るのでしょうか。誰も困りません。これは、人権尊重の意味合いで つくる大切な一取組です。

  したがって、江南市でつくるのには時期尚早、つくっても誰もしないだろ う、江南市に必要ない、そういった考え方は捨ててください。これは、利用 者ゼロでもつくる制度なのです。江南市は、男女共同参画都市を宣言してい る市です。江南市民の多様な価値観、生き方を認めていく社会づくりのため にも、江南市がパートナーシップ認定制度を積極的に導入していくことを求 めます。以上です。

 ○委員長 ありがとうございました。 これより委員から陳述出席者の方へ質疑を行います。

○堀委員  非常に多くの方が困ってみえますということで、この 制度をぜひ行政のほうで認定していただきたい、いわゆる夫婦と同じような 形で認定していただきたいという意味ですね。

 ○陳述人A  はい、そうです。

 ○堀委員 はい、分かりました。 それで、ちょっとお伺いしますが、私は今、話は余談ですけど、毎朝カボ チャの花を毎日雄花と雌花を受粉させて、受粉させないことには実がならな いんですよ。非常に立派な実がなるもんですから、毎日毎日いわゆる雄花と 雌花を受粉させてやっております。これが自然の流れなんですね。そのような中で、こういうパートナーシップ認定ということで認定された方がどんどん仮に増えていった場合は、どのようになるかお聞きしたいです。

 ○陳述人B  制度ができたからといって、性的マイノリティーの人が 増えるということはあり得ません。今まで公表できない人がたくさん見えます。様々な理由です。例えば職業で差別されるとか、近所に知られると余計 なうわさが立ったりして暮らしていけなくなるとか、そのようなことで公に できないだけで存在しています、今でも。自治体がこのような制度をつくっ てバックアップしていけば、そういう人たちが自分のセクシャリティーにつ いて公にできるような社会通念が育まれていくと思います。

 

 カボチャ発言で、性的マイノリティに関する議員の認識が浮き彫りになったようだ。2000年代に高校の教科書検定で、セクシャリティの多様性や同性カップルの社会的理解の広がりといった記述が「理解しがたい表現である」と削除されたこと思い出した。あのジェンダーフリーへのバックラッシュ旋風のさ中である。

 これらの質問と陳述のあとも、議論は続きましたが、結局請願は採択され、ほっとしました。