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「タイパ」ってご存知ですか?
私は知らなかったのですが、ある企業の広告で「タイパ」という言葉が使われていたのを見て知りました。
自分のTwitter(現在のX)を振り返ってみると、この言葉を知ったのは、1年くらい前。
最近では聞かない気がしますが、もう死語になったのでしょうか?
みなさん、ご存じですか?
「タイパ」は、「タイムパフォーマンス」という和製英語の略だそうで、まあ日本人は何でも3語に略すのが好きだなぁと思いながらも、「よく考えたら、これって意味がよく分からんな・・・」と訝しく思ったのです。
なぜなら・・・
これはどうやら「コスパ」(コストパフォーマンス)の派生語のようなのですが・・・
「コスパ」とどう違うんだろう??と不思議に思ったのでした。
「コスパ」の説明としては・・・
かけた費用に対する効果(費用対効果)を意味する「コストパフォーマンス」の「コスト」を「タイム」(時間)に置き換えた造語で、和製英語。
こういう説明があったのですが、そもそもこの時点で「コスト」の意味をちょっとはき違えているような気がするのです。
まあ、日本語の「コスパ」は、百歩譲ってそういう意味だとしましょう。
つまり、「コスト」(費用)は、投入されたお金に対するパフォーマンスという意味だと。
しかし、ちょっと考えてみて頂きたいのですが、そもそも「コストパフォーマンス」と言うときの「コスト」とは、Wikipediaでの説明にもあるとおり「投じられた費用に対する効果の良し悪し」という意味でして、その「コスト」とは、単に金額の問題ではなく、「機会費用」(Opportunity Cost)のことなわけです。
「コストパフォーマンス」という言葉自体、そもそも「機会費用に対する効果(成果)」という意味合いの言葉なわけで、「コスパ」自体が「タイムパフォーマンス」と最近言われている言葉のそもそもの意味なわけです。
簡単に言えば、「コスパ」とは、最近の広告で言っている「タイパ」のこと。
何を言いたいかと言うと「時間=費用」。
「時間は費用」という考え方が Opportunity Cost の考え方であり、その意味での「コストパフォーマンス」が「費用対効果」なわけです。
「コスパ」は、単に「かけたお金に対する効果」を測るという意味ではなく、「かけた機会費用に対する効果」という意味で使われていた言葉なのです。
それが、いつのまにか「コスパ」の「コスト」は単なる金銭的な費用ということになり、「掛けた時間」という意味が無視されるようになった・・・
だから、あらためて「時間」という観点に着目をして「タイパ」という言葉が出てきたのだと思いますが・・・
「コスパ」という言葉が使われていたもともとの意味は、つまり今でいう「タイパ」だったのです。
「コスパ」という言葉が登場してしばらくたってしまい、もともとの意味がきちんと理解されないまま使われるようになったので、最近の誰かが改めて「タイパ」という言葉をあたかも発明したかのように使いだしたのです。
恐らく、「タイパ」という言葉を初めて聞いたときに私が抱いた違和感の原因は、そこにあったのだと思います。
UnsplashのRuthson Zimmermanが撮影した写真
ちなみに、「コストパフォーマンス」という言葉自体も実は和製英語でして・・・
英語でそのまま使っても、ちょっと違和感があります。
日本語の「コスパ」の意味を持つ英語のフレーズは・・・
Cost-benefit effect
Cost effectiveness
といったところでしょうか。
「Cost performance」と言っても、頭の良い人であれば何を言いたいのか(「費用対効果」と言いたいのだと)察してくれると思います。
でも、「Time performance」は、かなり厳しい・・・(おそらく通じない)と思いますので、注意してください。
英語で cost-benefit とか cost effective と言う場合、この「cost」とは、単なるお金ではなく、opportunity cost(機会費用)も含まれます。
ですので、最近の「タイパ」も、このcost-benefit effectやcost effectivenessに含まれてしまいますので、あらためて「time」と言う必要はないわけです。
もう「コスパ」の言葉の時代から、「タイパ」という意味が込められていたというわけです。
もしかしたら、「タイパ」という言葉を考え出した人は、「コスパ」の意味をよく知らなかったのかもしれませんね。
まあ、「言葉は生き物」ですから、私がこうやって主張しているのも、「タイパ」という新語に抗っている古い人間のボヤキなのかもしれませんが
そう言いつつ、個人的にはやはり「タイパ」という言葉には、特に「コスパ」の意味との対比においてちょっと首をかしげてしまうのでした。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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