翻訳の仕事はどのようにして入ってくるのですか?(仕事が途切れずに入ってくるようにする方法) | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

翻訳の仕事はどのようにして入ってくるのですか?(仕事が途切れずに入ってくるようにする方法)

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フリーで翻訳を仕事にしようと考えている人が最も心配なことのひとつに「仕事が途切れなく(たくさん)来てくれるのか?」という問題がると思います。

 

先日、私の仕事の詰まり具合について記事に書きましたが、あれは特殊ねケースだろうと思う人もいるかもしれません。

 

もちろん「現場である程度使い物になる翻訳ができないと仕事が来ない」ということはありますが、実際に私の翻訳が文句のつけようがない素晴らしいものであるかというと、必ずしもそうではないですし、他の人の翻訳を見ていると、「素晴らしいなぁ」と思う翻訳をする翻訳者さんはたくさんいらっしゃいます。

 

しかし、逆に言うと、「素晴らしい翻訳」ができるからと言って、あるいは「完璧な翻訳ができる」からといって、仕事に恵まれるかというと、そうはいかないのが現場なのです。

 

つまり、いくら翻訳の腕を磨いて待っていても、それだけで仕事が来てくれるわけではないのです。

 

そこは注意が必要です。

 

では、実際に翻訳の仕事を切れ目なくもらえるようにするにはどうしたらよいかをお話したいと思います。

 

まあ、私の経験も限られていますから、これがすべてではなく、あくまでも私の場合、こうやって仕事をたくさんもらえるようになったという一例としてお読みいただければと思います。

 

ハチハチハチ

 

まず、フリーランスの翻訳の仕事のもらい方には、大きく2つの方法があると思います。

 

①お客さんから仕事を直接もらう方法

 

②翻訳会社を通して仕事をもらう方法

 

①については、フリーランスとしては(特に駆け出しのうちは)仕事をたくさん、途切れなくもらえるようになるまでは、なかなか難しいと思いますし、自分のビジネスが確立するまで、時間がかかるかもしれません。

 

フリーランスの場合、②の方が、仕事を(最初のうちから)たくさんもらう方法としては現実的であり、有効だと思います。

 

私も、フリーランスになってから20年近く経ちますが、②の方法で仕事を受けるのが9割だと思います。

 

ただ、②の「翻訳者を通して仕事をもらう」と言っても、そこにも2つの形態があります。

 

そして、その2つの形態をうまく利用して仕事を獲得することが大事です。

 

どいういうことかというと・・・

 

翻訳の仕事を受注するとき、翻訳会社から電話やメールなどで仕事の打診が来て、それを1件1件受けると思っているひとが多いかと思います。

 

しかし、実際には、翻訳会社からの仕事の受け方にも、大きくわけて2つの方法があります。

 

①1件1件(メールや電話で)打診が来る

 

②業務プールに掲載された業務を(早い者勝ちで)自分で取る

 

 

①の方はイメージしやすいかと思いますし、これがほとんどの人がイメージする翻訳の仕事の受け方だと思います。

 

②は、翻訳会社を通じて仕事をしていないと、イメージしづらいと思います。

 

簡単に説明を加えると、翻訳会社の受注システムのようなものがあり、新しい翻訳案件が翻訳会社に入ってくると、直接翻訳者に引き受けるか受けないかの確認のメールが届くのではなく、受注システムに翻訳案件が自動で掲示されるのです。

 

そして、自分の引き受けたい業務(引き受けられる業務)であれば、それをシステムのボタンを押して受注するのです。

 

これは、その受注システムにアクセスできる翻訳者の間での早い者勝ちになります。

 

逆に、自分で獲得するのが難しいのでは?(早い人に取られてしまうのでは?)と思われるかもしれません。

 

ただ、このシステムには、ある程度翻訳会社から実力を認められた翻訳者でないとアクセスできないようになっています。

 

また、業務分野や言語ペアによっても、受注システムに掲示される業務が異なってきます。

 

つまり、翻訳会社に入ってくる仕事がすべて(自分のアクセスする)受注システムに掲示されるのではなく、自分の専門分野(事前に登録しておく)や業務の種類(翻訳、レビュー、品質管理など)によって絞り込まれた業務しか表示されない(自分に入ってこない)ようになっています。

 

ですので、ランダムに仕事が来るのではなく、自分が引き受け可能な仕事しか、基本的には受注システムに表示されないようになっています。

 

 

UnsplashFlyDが撮影した写真

 

 

担当できる専門分野がとてもレアな分野しかなかったり、とても狭い分野に絞り込み過ぎていると、もしかしたら受注システムに入ってくる仕事が少ないという場合もあるかもしれません。

 

しかし、私の経験からすると、私のようにわりと一般的な専門分野(マーケティングのような、あまり専門性が必要とされない分野)に絞っていても、ほぼ毎日新規の仕事が出てきます。

 

分野にもよるかと思いますが、今日も、ある翻訳会社のシステムには20件ほどの新規の業務が今日だけで掲示されています。

 

このような受注システムに乗っかっている取引先(翻訳会社)は、私の場合2社あって、今日はもう1つの受注システムからの仕事で手一杯だったのえ、この20件の仕事はパスしました。

 

これは、他の(同じ専門分野の)翻訳者の方が取ってくれた(と思う)ので、おそらくすでに翻訳は完成していることと思います。

 

ただ、システムに登録されている翻訳者が全員手一杯であったり、できる人が不在だったりした場合、その仕事が宙ぶらりんになってしまうこともあります。

 

そういうときは、プロジェクト担当者から直接メールや電話などがきて「対応できないか?」と尋ねられるわけです。

 

そして、納期や条件などを調整して、引き受けたり、引き受けなかったリします。

 

かたつむりかたつむりかたつむり

 

以上の感じで、私の場合は、常に仕事がある状態を維持できています。

 

このほかにも、受注システム外で、直接プロジェクト担当者から打診が来て引き受ける仕事もあります。

 

その仕事には、単発の仕事もあれば、長年自分が専属で担当している仕事もあります。

 

自分が専属で担当している仕事とは、特殊な分野の仕事だったり、自分に指名が来ている仕事だったり(クライアントによっては、同じ翻訳者を指定することがあります)、プロジェクト特有の用語やスタイルがあるために他の翻訳者に依頼しづらい仕事だったりがあります。

 

こういう風に、自分を指名してもらえる仕事があると、受注の安定にもつながります。

 

また、翻訳料も少し高めに設定してもらえたり、納期を(自分の都合に合わせて)柔軟に設定してもらえたりするので、スケジュールを埋めたり、収入を安定させたりするうえで、大きな強みとなります。

 

私の場合は、このように指名していただいている仕事を最優先にし、空いている時間を受注システムの仕事で埋めるという風にしています。

 

「指名」をもらえるようになるには、その翻訳会社との長年の関係も必要になります。

 

また、指名してくれるクライアントがそれほど多くいるわけでもないので、特に駆け出しの翻訳者がそこを目指すのは難しいかもしれません。

 

長い時間と経験を重ねて獲得していけばよいかと思います。

 

それは時間がかかるかもしれませんが、先ほど話をした「受注システム」に関しては、その翻訳会社との付き合いの日が割と浅くても、利用させてもらえるかもしれません。

 

また、最近は、自動化の世の中ですし、最初から受注システムで仕事の依頼が来るという翻訳会社も増えているかもしれません。

 

この「受注システム」方式を利用できれば、仕事があまり途切れなくなると思いますし、自分のスケジュールに合わせて、柔軟に仕事を増やしたり減らしたりできるようになるので、そういうシステムのある翻訳会社を狙うというのも、これから翻訳の仕事を始めようと考えている人には良い方法かもしれません。

 

「自動化」は、(特に翻訳業界では)とかく非難の対象になることも多いのですが、自動化されているからこそ、翻訳の仕事がとてもやりやすくなっているという現実はあると思います。

 

ですので、(不便なところもありますが)個人的には自動化は大歓迎です。

 

私がこうして、毎日スケジュールを仕事で埋められるようになったのも、自動化のお陰だと思います。

 

 

翻訳を仕事にしようと考えている人は、翻訳の腕磨き(技術力アップ)ももちろん必須ですが、翻訳の仕事をどのように入ってくるようにするかを考えることも大事だと思います。

 

今日の話が参考になれば幸いです。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

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