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翻訳の仕事をしながら通訳の仕事までゲットしてしまう方法

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通訳の仕事をしていると、翻訳の仕事が付帯業務として発生することはよくありますが、逆も然りなのです。

 

つまり、翻訳の仕事をしていて、通訳の仕事が発生することがあります。

 

後者は前者ほど多くはなく、普通は発生しないでしょう。

 

しかし、私は実際に何度もありました。

 

翻訳の仕事を依頼された人から、「通訳の仕事もやっていますか?」と、別件で頼まれると言う話ではなく(もちろん、そういうときもありますが)、翻訳の業務を担当した案件で通訳を頼まれることがあるのです。

 

とても大きな案件につながった事例を挙げると・・・

 

もともとはプレゼン資料(パワポ)の和訳の仕事でした。

 

その仕事は、海外の翻訳会社経由でいただいた仕事だったのですが、最初に「翻訳者と面接をしたい」というクライアントからの要望があったのでした。

 

私は当時東京に住んでいて、クライアントの日本法人の方と面談することになりました。

 

翻訳会社から、クライアントと面談を頼まれることはたまにあります(多くはありません)。

 

その時も、何を求められているかはよく分からなかったのですが、とにかく指定された場所に向かいました。

 

話の内容は、翻訳を担当するプロジェクトの概要、パワポ資料の訳し方の細かい説明(プレゼン資料なので、ただ訳するだけでなく、思い切ったトランスクリエーションをしてほしいなど)がありました。

 

その流れで、「実は、ミーティングする内容を熟知して、今後の翻訳にも生かせるように、ミーティングに同席してほしい」という要望が出されました。

 

私は承諾して参加しました。

 

その経緯については、以前、別の記事で割と詳しく書きましたので、そちらもお読みください↓

 

どうしたら私が大手化粧品メーカーを相手とする仕事を獲得できたか

 

 

 

確か、何度か会議に参加した後だったと思いますが、「もう、この会議のメンバーになったほしい」と言われたのです。

 

実は、プレゼンが成功し、クライアントがプレゼン先の企業(上の記事参照)から契約を取ることができ、その後、長期にわたるプロジェクトが始まることになったのです。

 

また、そのクライアントは別の企業にもプレゼンを仕掛けており、複数の大型契約を結ぶことになったのです(もちろん、プレゼン資料の翻訳は私が担当)。

 

その流れで、プロジェクト自体のメンバーになって、すべてを把握したほうがより良い翻訳もできるし、英語を話せる人たちも多いけど、コミュニケーションをより円滑にするために通訳としても働いてほしいと言われたのです。

 

結果的に、その会社とは、翻訳の仕事とは別に、個人的に業務提携契約を結び、それからしばらく翻訳と通訳の仕事を担当することになったのです。

 

ハチハチハチ

 

翻訳会社を通して仕事をしたクライアントと、後に翻訳会社を外して仕事をすることは、業務契約上の違反となることがあります。

 

ですので、よく自分の契約を読んで違反しないかを確認しないといけません(クライアントの場合も同じ)。

 

私の場合も、そのクライアントとつないでくれた翻訳会社との間には、そういう業務のしかたは契約違反でした。

 

 

その点、そのクライアントは(当然ですが)そういう法務的なこともよくわかっていらっしゃって、私に最大の配慮をしてくれました。

 

翻訳会社との契約(翻訳の仕事)はしばらく継続してくれたのです。

 

つまり、翻訳の仕事は翻訳会社経由で発注してくださり、通訳の仕事を直接契約を結ぶということになったのです。

 

この方法は、私の契約の場合は大丈夫でした。

 

(これも、それぞれの契約で違いますので、真似する場合はよく調べてからやった方がいいです。あとから訴訟になったら大変です)

 

まあ、この事例は、翻訳会社経由でもらった翻訳の仕事から通訳の仕事が派生したという話で、すこし注意が必要ですが、翻訳会社を通さず、自分で獲得した翻訳の仕事から通訳の業務が発生したこともあります。

 

(この場合、すべて自分ですから、契約の問題は発生しません)

 

たとえば、あるイベントの代表者などの挨拶文を翻訳する仕事があったのですが、そのイベントの司会者の言葉の翻訳も担当することになり、「もし、当日参加できるなら、いっそのこと通訳というか、司会者の外国語担当として参加しないか?」とお誘いを受けたのでした。

 

結局、数日間のイベントの全日程の同行通訳の仕事も得ることができたのでした。

 

 

UnsplashThe Jopwell Collectionが撮影した写真

 

 

翻訳の仕事をしていると、クライアント(発注者)と実際に面談することはまずないのですが、(多くはないですが)たまに求められることがあります。

 

実際に、単なる面接のような場合もありますが(目的はいろいろですが、プロジェクトの詳細を口頭で説明したいという場合が多いです)、今日ご紹介したように、プロジェクトにもっと深く関わってほしいという要望が出される場合もあります。

 

説明するだけで終わってしまう場合もありますが、今日ご紹介したように、かなり深いつながりになることもあります。

 

また別の事例ですが(それは、知り合いから紹介してもらった仕事ですが)、最終的にはその会社のメンバー(非常勤役員みたいのような立場)になって、海外からの問い合わせや海外の企業に対するアプローチ、さらには海外プロモーションの仕事まで担当させてもらったこともありました。

 

このときは、マーケティングや広告宣伝のことまで、かなり深く勉強させてもらいました。

 

このように、かなりぶっ飛んで展開をするときもあります。

 

ですから、私は(そういうのが好きだということもありますが)翻訳の仕事で面談や面接を求められると、喜んで出向いていきます。

 

他の翻訳者さんたちで、どれくらいの人が面接を求められたり、通訳の仕事を依頼されたりしたことがあるか、聞いたことがないのでまったく分かりませんが、私は結構あります。

 

こういう声掛けをしてもらえるようになるのに、コツのようなものがあるのかは分かりませんが・・・

 

でも、そんなことも視野に入れて、翻訳の仕事で私が心がけていることがあります。

 

それは・・・

 

・(特にマーケティングやプレゼンなどの仕事では)翻訳の目的や効果を考えて、必要があれば実際にその翻訳を使用する現場を想定した実践的な文書を作成する(海外市場向けではなく、日本市場向けにカスタイマイズ)

 

・そのとき、必要に応じて細かいアドバイスも添付するようにする

 

・実際に会いたいとか、電話で説明をしたいと言われたら、喜んで応じる(実際に会ったり声を聞いたりすると、話が盛り上がることがある。そうすると、付帯業務にも結び付きやすい)

 

・労力を惜しまず、クライアント(発注者)のために骨を折る

 

こういうことをやっていると、翻訳の仕事自体は(時給換算してしまったら)とても安くなってしまいます。

 

もちろん、それがお金にならないこともたくさんあります。

 

しかし、いつもそこを惜しんで仕事をしていては、大きなチャンスはなかなか掴むのが難しいと思います。

 

また、そういう機会が到来したときにチャンスをものにできるよう、自分のスキルを上げておくことが大事です(翻訳以外のスキルも)。

 

いつ、どのようなスキルが必要とされるか、求められるかは分かりません。

 

分からないのに準備をしておくのは難しいことですが、(将来的に)自分がどういう仕事をしたいのかを想像して準備をしておくといいでしょうね。

 

自分のやりたい仕事が来たときに役立てばいいのですから、やりたくない仕事のスキルは伸ばしておく必要はありません。

 

でも、この考えは、翻訳や通訳の仕事をするうえで、チャンスを広げるという観点からとても大事な要素だと思います。

 

労力を惜しまずに準備をした人に、チャンスは降ってくると思います。

 

翻訳の仕事をしながら通訳の仕事もゲットできるなんて、よっぽどの棚ぼた(棚から牡丹餅)と思われるかもしれませんが、実は、しっかりと準備することによってしかるべきときに獲得できる、むしろ「必然」だったりするのです。

 

大事なのは「常に準備を整えておくこと」です。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

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