Google画像検索で見る、言語別「サクランボ」のイメージの違い(10カ国語で検証してみた!)
うちは、親戚にサクランボ農家があって、この時期は総出で園に出ます。
実が付き始めると、あとは1カ月くらいで収穫になるので、この時期はまさに猫の手も借りたいほど忙しくなるのです。
今年は桜🌸が早かったけど、サクサンボ🍒も早い。今年も #さくらんぼはじめました pic.twitter.com/r7yg2TZa0L
— Marusan @ENGLISH JOURNAL連載中🇯🇵6ヶ国語翻訳者 (@marusan_jp) May 21, 2023
私は、2年前にこちら山形にUターンをしてきたのですが、そのシーズンから早速「人手」として当てにされ、1カ月ほどはみっちり農園でお手伝いをしています。
働き手のみなさんも、会社や自分の仕事があるし、あと、サクランボの作業は涼しい朝のうちが勝負なので、毎日6時くらいから1時間ほどの作業と、作業としてはとても軽いものです。
私のような、自宅で好きな時間に作業ができるフリーランスの翻訳者という働き方は、こういう農業のお手伝いをするのにも、最適かもしれません。
朝、起きるのは大変ですが、まだひんやり湿った空気の中、自転車をこいで農場まで行き、1時間ほど木に登って自然の香りに包まれて軽く汗をかくのは、とても気持ちいいです。
1日籠って座りっぱなしで仕事をしがちの翻訳者としては、とても良い気分転換ですし、むしろ、翻訳作業もはかどり、良い仕事ができているような気がします。
今日は、今シーズン初の作業の日でした。
今年は、例年よりも少し早く進んでいるようで、県からも早めに作業をするように指導されているようですが、うちの農園主がなかなか忙しいようで、作業はちょっと遅れ気味・・・
農場に行ってみると、こんな感じでした!
去年よりも随分と実も多くついているようで(色づいているものもちらほら)、急いで作業をしなければなりません。
まず、葉摘みをして、実に太陽が当たるようにしなければなりません。
こんなにもっさり葉っぱが茂っているので、これをトリミングする感じです。
それと、小さな実もたくさんついているので、摘果(果実を間引く)して、1粒1粒が十分に甘くなるようにします。
今年は、受粉がとてもうまくいったようで(年々良くなっている!?)、去年よりも実が多いようです。
これは、摘果も頑張らなければダメですね。
ということで、これから1カ月ほど、私は朝、農場労働者になりますwww
1カ月後の収穫が楽しみです!
ところで、「サクランボ」と聞くと、みなさんはどんなイメージですか?
かわいい?
上品?
高級品?
スイーツ?
サクランボは世界中どこでもあって、多くの地域で食べられていますが、それぞれの国や文化で、イメージは違うと思いませんか?
それぞれの国でどんなイメージが持たれているのかを調べてみようと、ちょっとGoogle検索をしてみました。
イメージを調べるためのGoogle検索のしかたについては、昨日の記事をお読みください。
プロの翻訳者が使えるGoogle検索の便利な方法(これで調査力ぐんとアップする!) | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所 (ameblo.jp)
個人的な印象ですが、日本では、サクランボというと「かわいい」とか「エレガント」「繊細」「希少価値」みたいな印象が持たれていると思うのです。
Google画像検索してみたら、やはりそういうイメージでした。
これは、「サクランボ」というキーワードで、Google検索を日本語設定で検索したものです。
設定言語については、昨日の記事を読んでみてください。
日本語設定のGoogle検索をするか、英語設定でするかで、ちょっと結果が変わってくるのです。
ちなみに、設定言語を「English」(英語)にした場合、こうなりました。
あれ?同じですね
まあ、キーワード入力欄と画像検索結果の間にある、サムネみたいなところのキーワードにちょっと違いはありますが。
実は、ここからも「イメージ」のヒントを少し拾うことができます。
日本語設定にすると、「イラスト」とか「かわいい」とか「壁紙」とか、素材的なキーワードが多く出てきます。
一方、英語設定で検索した結果は、「山形県」とか「山形さくらんぼ狩り」とか「さくらんぼ産地」とか、観光的なキーワードが出てきます。
さくらんぼに対する「イメージ」に、言語差があることが見て取れます。
面白いですよね。
で、ここで検索キーワードを「Cherry」にしてみます。
すると、画像のイメージがぐっとアメリカンな感じになるのです。
ご覧ください↓
日本人が持っている「サクランボ」に対する色イメージと、かなり違いますよね。
ただ、キーワードを見てみると、「drawing」とか「red」とか「clipart」とか、素材的な要素も多く見られます。
「kawaii」なんてのもあります。
やはり、「かわいい」カテゴリーに入るようです。
次に、言語設定を、英語からフランス語に変えてみました。キーワードは「cherry」です。
より、黒さが増してきたような気がします。
さらに、キーワードをサクランボのフランス語「cerise」にしてみました。
↓
さらにダークになりましたが、真っ黒なサクランボもあります。
これはうちの農園にはありませんが、近所の(たまに手伝いに行く)農園には、植えてありました(売り物ではないようです)。
さらに、キーワードに「bonbon」と言うものも入ってきました。
これはフランス語ですが、キャンディーという意味です。
日本にも、洋酒のおつまみに「ウイスキーボンボン」とかでおなじみかもしれません。
ここまでくると、いろいろと見たくなります。
スペイン語設定で、サクランボのスペイン語「cereza」を検索してみました。
プレゼンテーションされている画像が増えましたね。
よく食べるのでしょうか・・・
私はスペインに居たとき、あまり食べなかったので、実態は分かりません。
もしご存じの方がいらっしゃいましたら、コメントなどで教えてください。
キーワードを見ると、「dibujo」とか「animada」とかも見られます。
これは「描画」「アニメ」という意味です。
スペインは、アニメーション産業も盛んなので、この辺の言葉とサクランボがマッチしているのかもしれません。
「kawaii」というキーワードもあります。
次は、イタリア語設定でサクランボのイタリア語「ciliegia」を調べてみました。
色味はだいたい同じ感じですが、やはりキーワードにアニメや画像の他、「tatoo」(タトゥー)や「smalto」(マニキュア)というものも出てきました。
ファッションのキーワードとしても、「ciliegia」が入ってきているところがイタリアらしいですよね。
イタリア(ナポリ)では、サクランボをよく食べました。
八百屋さんによく売っていて、懐かしくて食べた記憶があります(昔の話ですが)。
次に、ポルトガル語を見てみます。
ポルトガル語は面白くて、Google検索の設定に、ポルトガルのポルトガル語とブラジルのポルトガル語の2つの設定があるのです。
果たして違いが出るのか、見てみましょう。
まずは、ポルトガル(欧州大陸)のポルトガル語で、サクランボの「cereja」を検索してみた結果。
色味は、少し明るい赤になった気がします。
では、ブラジルのポルトガル語で「cereja」を検索してみます。
何やら興味深いものがでてきますね。
南半球だからか、ちょっと違う文化の香りまでしてきます。
シロップ漬けみたいなのが多いのでしょうか・・・
ポルトガルのにもありましたが、真っ黒な、とうていサクランボとは思えないような形のもあります。
この画面の左下にある黒いサクランボは、Jardim Exoticoという品種みたいですが、これはブラジルの商品のようです。
ポルトガルのポルトガル語の検索でも、ブラジルのが引っかかってきたんですね。
他にも興味深い画像がいろいろと載っています。
同じポルトガル語で検索しても、随分と違ってくるものです。
ここまできたら、もうちょっと欲が出てきました。
中国語(簡体字)の設定で、サクランボの中国語「樱桃」(インタオ)を調べてみましたよ。
私、今中国語を勉強しているところですが、まだ2年目で、キーワードの方はあまり意味が分かりません。
でも、画像の色味は、まだ日本のイメージよりも黒い感じがしますね。
でも、欧米よりは明るくなってきているような気がします。
韓国語設定で、サクランボの韓国語「버찌」(ポッチ)を調べてみました。
だいぶイメージが変わってきましたが・・・
小粒の黒いサクランボが目立ちますね。
野生のサクランボって、粒の大きさ的にはこんな感じですね。
うちの近所になっているのは、もう少し赤いですが。
この「버찌」(ポッチ)と単語の他に、「체리」(チェリー)という単語もあるみたいなので、これでも調べてみました。
これは、ちょっと欧米に近い感じですね。
日本のサクランボとはやはり違う気がします。
サクランボに対する人々のイメージも、違いそうですよね。
そして、最後にアラビア語設定で、アラビア語のサクランボ「الكرز」
こちらは、私は全く読めないので、なんとも言えませんが、やはりイメージは日本とは違いそうですね。
まあ、画像やキーワードだけを見て、その国や文化の人たちがどういうイメージを持っているかを断定することはできませんが、少なくとも、言葉の表現や色使いの説明をするときなど、こういう違いを意識せずに訳してしまうと、現地の人にはちょっとうまく伝わらない・・・ということになりかねませんので、Google画像検索でざっとイメージを把握してから翻訳するというのも、ひとつの手かと思います。
ちなみに、Google検索では、「ハンガリー語」という設定ができないので、現地言語で検索はできないので今回は取り上げませんでしたが、ハンガリーでもサクランボがよく食べられます。
私がハンガリー語を初めて勉強したころ、ハンガリー料理に「meggy leves」というものが出てきて、興味津々でした。
これは、日本語では「サワーチェリースープ」などと訳されているようですが、直訳すれば「チェリースープ」
酸っぱいサクランボを使った冷製スープです。
これが食べてみたくて、初めてハンガリーに旅行したときには、この料理を出してくれるレストランに直行しました!
夏だったからか、だいたいどこのレストランでも出していたようなので、見つけるのは苦労しませんでした。
サクランボ好きなので、個人的にはとても美味しったですが、「スープ」として飲むと、日本人の方にはちょっと違和感があるかもしれません。
ちなみに、私の舌にはとても合いました!すごくおいしかったです。
日本語設定での検索ですが、「meggy leves」で検索した画像をご覧ください。
こんなスープです↓
欧米は、サクランボといえば、生食よりも調理して食べることのほうが多い気がします。
アメリカなら、やはりチェリーパイとかタルトですよね。
ハンガリーは、スープになって、夕食に出てきてしまいます。位置付けとしては、デザートではなくスープのようです。
こうして「サクランボ」を見るだけでも、世界の多様性が分かって楽しいです。
こういう知識を翻訳の仕事にも生かせたらいいですよね。
「サクランボ」で見る異文化の旅、いかがでしたか?ww
みなさんも、いろいろな言語で画像検索をして、楽しんでみてください。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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