「学校を休んで自宅で勉強する」みたいな休養のイメージに誤解されやすい在宅フリーランスという働き方
「自宅で仕事をする」と聞くと、昔、小学生のときの「風邪などを引いて学校を休んで自宅で勉強をする」みたいなイメージがあるからか、「体調が悪くてもできる仕事」とか「会社に行かないで休養するときの働き方」みたいな感じで捉えられることがどうも多いようです。
あと、たとえば「会社員として使い物にならなくなったら自宅で翻訳をしてちょっと稼ごう」とか、「家事や子育てをやりながら、隙間時間を有効活用するために翻訳をしよう」とか。
もちろん、そういう働き方を確立して稼いでいる人がいないわけではありませんが、現実を申し上げますと・・・
まず、体調が悪いときは、自宅にいたって仕事は捗りませんし、下手したらやる気は起きません。
体調が悪いのをおして仕事をがんばってしたとしても、ミスをしたり、すごく集中できなかったり・・・
ちょっと歯が痛くたって、仕事(特に翻訳のように、解釈して考えて物を書き出す仕事)なんかは、それほど思ったようにスムーズにできるものではないのです。
自宅に独り籠って、上手く訳せないストレスと、締め切りが迫ってくるプレッシャーと、そんなことは関係なくどんどん舞い込んでくる依頼メールと(それなのに、引き受けるべきかどうか迷うほど金額は安くて)・・・
そんなプレッシャーや閉塞感から、また人と話さないので、精神的に参ってしまう人も、翻訳者の中には少なからずいます。
以下にボッチ好きで引き籠り体質の私でも、人と話さず運動もせず、クライアントからのプレッシャーや、ミスや下手な翻訳をした自分に対する嫌悪感などから、1日筆が進まないこともあります。
在宅でフリーランスをするということは、外から見たら、人との関わりがなく、すべては自分次第、うまくやっていけそうな気がすると思うのですが、なんと、一番仕事の邪魔になるのは、自分のそんな内面だったりするのです。
フリーランスは、働いただけ稼ぐことができます(収入は、税金や経費以外、誰からも引かれることなく、自分で自由に使えます)。
だからといって、「時給」×「働いた時間」=「手に入るお金」という、幸せの正比例にはならないのです。
「働いた分だけお金がもらえる」というハッピーな公式を胸に独立しても、どういうわけかうまくいかない・・・
それは、「働く時間」がいくらたくさんあっても、その時間をすべて、自分が思い描いたような充実した時間にできるわけではないのです。
その原因はすべて「自分」です。
じゃあ、気合いを入れれば、自分の気持ち次第で何とななるのか、というと、現実にはそうもいかないのです。
同居している家族がいる場合、あるいは介護や養育すべき人がいる場合などは、なおさらうまくいかないことを想定しておかなければなりません。
人の病気や不幸は、いつやってくるか予想できません。
なのに、突然降りかかってくるのです(自分の病気もそうですが)。
そういうとき、独りで働いているフリーランスは、代わりとなる人がいないと、対処できません。
私の経験上、そういう大変な状況は、仕事が特に詰まっているときに限ってやってきてしまったりします。
小さな子供がいれば、突然熱を出したり、学校が急に休みになったり・・・
「今、仕事が忙しいから」といって回避するわけにはいかないわけです。
こういう状況では、もしかしたら会社員のほうがまだ対処しやすい状況にあるのかもしれません(実際には辛いですが)。
重要なポイントは、
・自分がどれだけ働けるか(1日あたり何時間、1週間に何日、1月に何日くらい)を知ること
・身体的、精神的に病になって働けなくなったとき、どう対処するかをイメージしておくこと(そんなことがあってもおかしくはない、ちゃんと休んで治すために時間や対処法を想定しておくこと)
やはり、「自分がどれだけ働けるのかを知っておくこと」がポイントなのだと思います。
その限界を超えて、一時的に仕事をしてしまう(できてしまう)こともあるかもしれませんが、それは残念ながら長く持ちません。
最悪なのは、自分がミスなどをしてしまって、クライアントや翻訳会社からの信頼を失ってしまうことです。
「体調が悪くて」とか「子供が熱を出して」と言っても、同情はしてもらえるかもしれませんが、残念ながら次の仕事は約束されないです。
もちろん、フリーランスは、自分の可能性を最大限に引き出すことができる働き方であることは間違いないのですが、その上の方ばかりをみて、自分の限界など、足元をしっかりと見ておかないと、つまずいてしまいます。
「フリーランス」は、すべてを自分の責任で行うからこそ、得るものも大きいですが、やるべきこと、考えるべきことも多くなります。
つまずいている暇はないのです。
だからこそ、万が一のことをいろいろと想定しておきつつも、そういう状況が起こらないようにするために、普段から1つ1つを整えておかなければなりません。
スケジュールの管理、自分のスキル、自分の体調、仕事環境の整備(家族などの事情)・・・
歯車は、1回崩れだすとなかなか元の調子に戻すのが難しいです。
1人で大きな責任を抱えているフリーランスの場合はなおさらです。
歯車のズレ、ボタンの掛け違え、(心身ともに)体調の崩れ、何かの誤解など、早めに検知して修正していくという力も、フリーランスの場合はとても重要なスキルではないかと思います。
フリーランス20年目に突入した私が一番心がけていることは、「決して無理をしないこと」「常にどこかにバッファ(余白)を設けておくこと」「普段から1つ1つ積み上げておくこと(能力も健康も人間関係も)」です。
それでも、1年に2~3回は崩れることがあるわけですから、「もし普段から整えていなかったら、どうなっているんだろう・・・」と考えるだけで、恐ろしいです。
身体的にも精神的にも、体調が悪いと本当に仕事ができないですし、そんなときフリーランスは本当に困ります。
ゆっくり体を休めながら、パソコンで仕事をする・・・ なんて風にはならないのが現実です。
「在宅ワーク」という働き方について、コロナ禍でだいぶ、実際にどういうものかが理解されるようになってきたと思いますが、それでもまだまだ、現実に反して「のんびりしたイメージ」が持たれている気がします。
むしろ、うまくいかない(計画どおりに仕事がはかどらない)ことが多いので、そこをいかに計画するかが鍵となります。
UnsplashのAlexandra Gornが撮影した写真
実は、ここ1週間ほど、とても忙しく(仕事もプライベートも)、新しい仕事のプレッシャーもあり(匙加減がまだよく分かっておらず)、日課にしていた運動があまりできず、ちょっと体が弱り気味でした。
体調を崩したというほどではないのですが、その前兆のような・・・
私は、自分が無理をしていて疲れすぎていると、歯が痛くなる傾向があるのです。虫歯ではなく、ちょっと歯茎が弱るといいますか、酷いときは腫れたり痛くなったり血が出たりします。
今回も、昨日の朝から歯が痛くなりはじめ、夜はちょっと上の歯茎が腫れてズキズキしていました。
そのせいか、精神的にもちょっと落ち気味だったのですね。
もしかしたら、虫歯かな?とも思ったのですが、昨日の夜、大きなプレッシャーのかかる仕事が終わり、解放されたからか、今朝は特に歯の痛みはなくなっていました。
ただ、気になることもあり、朝5時前に目が覚めてしまい、それから目がさえてしまいました。
今日は、夕方明るいうちに仕事をすべて終えることができ、約1週間ぶりにウォーキングにも出てきました(前回は先週の金曜でした)。
(いつの間にか、田んぼにもう水が張られていた)
そしたら、歯茎の腫れも引き、今は特に気になるところもありません。
そして、運動もできたから、今夜はすがすがしい気持ちでお酒を飲んでいましたww
やはり、精神的なプレッシャーや身体的な疲労が蓄積すると、体調に表れるのだなぁと思いました。
幸い、このような症状が出てくれるので、早めに体を休めたり、無理に仕事を入れるのを控えたりすることができます。
今日も、夕方から明日朝にかけての仕事の依頼を3件ほどされたのですが、ちょっと体調が心配だったので、すべて断りました。
このように、自分の体調を把握して(自分ができているかどうかは、確信はありませんが)、実際に歯車が狂ってしまう前に対処できるということも、フリーランスの場合はとても重要なような気がします。
とはいえ、このように実際に仕事の調整を自由にできるというところは、フリーランスの最大のメリットだとは思います。
そうなってもいいように、収入や貯蓄などをきちんと管理しておくことも大事ですが
フリーランスには良いところも悪いところもありますが、自分をよく知り上手く管理できるようになれば、最高の働き方であるとは思います。
みなさんはどうですか?
このように、何か自分の体調(心身ともに)のバロメーターとなるようなものを、自分で持っていらっしゃいますか?
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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