「エープリルフール」、日本語とポルトガル語の意外な共通点
エイプリールフールについてちょっと書いてみようと思うのですが、日付が変わらないうちに慌てて書こうと思います。
4月1日は「エイプリルフール」と呼ばれ、ウソをついても良い日ということになっていますよね。
どういう経緯でこんな日が設定されたのか、起源はどこにあるのか調べてみたのですが、これがはっきり分からないというのが定説のようです。
そこで、最近流行りのChatGPTに尋ねてみたのですが・・・ やはりありきたりの答え(私がネットで調べて程度の答え)が返ってきました。
英語で尋ねたら、もっと違う回答が得られるのかな?と思って試したのですが、どうやら同じですね。
興味本位で、ポルトガル語やスペイン語でも聞いてみましたが、ただ機械翻訳されるだけでした。
AIはこの程度か・・・ と、ちょっと残念でしたが、同時に、まだまだ人間翻訳の方が上だなと、ちょっと自信がつきました
しかし、外国語、特に多言語の勉強にはなると思いました。
私なら、いまお話したように、同じモノやコンセプトを「英語で説明して」とか「ポルトガル語で説明して」と言うだけで、それぞれの言語で説明してくれるのです。
私は今までも同じような勉強や練習をしてきましたが、その練習に便利だったのがWikipediaでした。
用意されている言語しかだめですが、それでも言語のところをクリックすると別の言語での説明が見れます。
しかし、ChatGPTであれば、質問を入れるだけで他の言語でも説明してくれるので、さらに便利になると思います。ですので、これからは多言語の練習でもChatGPTを活用していきたいと思いました。
(2言語でもいいのですが)同じ説明を2つの言語で一緒に覚えておくと、関連語が頭に残りやすくて、英語の勉強としても良いと思います。
多言語をやっている人であれば、それをフランス語やドイツ語など、多言語でやっておくとさらに覚えやすく、頭の中が整理しやすいと思います。
で、実際に「エープリルフール」についていくつかの言語で説明してもらったのですが、それぞれの言語で少しずつ説明が違っていて面白かったです。
たとえば、フランス語では「エープリルフール」のことを「Poisson d'avril」(4月の魚)と言うのですが、その説明を尋ねると、なぜ「魚」なのか説明をしてくれます。
また、カタルーニャ語では「エープリルフール」のことを「dia d'enganyar」と言うのですが(Wikipediaで「エープリルフール」でカタルーニャ語のページに飛ぶとこの単語に辿り着く)ついて尋ねると、ちゃんと文化的な背景(4月1日ではなく23日に祝う理由など)を教えてくれます。
ただし、これはちゃんとその国の言語で尋ねたときの話。
「April Fool's Day」と言う言葉について、「これは何?」と尋ねると、英語でも日本語でもスペイン語でも同じ回答。つまり、AIが自動翻訳して回答しているようです。
面白いですが、質問をうまくしてあげないと、欲しい回答がもらえないかもしれないので注意ですね。
しかし、たとえば日本語の英訳とか、スペイン語訳とか、そういうものを知りたければ、機械翻訳としてもChatGPTは使えるということが分かりました。
もちろん、機械翻訳自体には、翻訳としての問題がありますので、そのまま(特に翻訳の仕事には)使うことは不可能です。間違いも多いですし。
今言ったように、「エープリルフール」が必ずしも、他の言語圏で同じコンセプトで祝われているとは限らないのです。
そこを知らないで「エープリルフールって何?」と、仮にカタルーニャ語で回答してもらっても、4月23日のエープリルフールについて教えてくれることはありません。
とにかく、質問のしかたに注意が必要ということです。
UnsplashのLaura Chouetteが撮影した写真
ちなみに、フランス語でエープリルフールのことをなぜPoisson d'avril(4月の魚)と言うのかというと・・・
フランスでは、エープリルフールの日に、知らんふりして誰かの背中に魚の絵をペタっと貼り付けて、気づかれなかったら「Poisson d'avril!」と言ってからかうのだそうです。
あとは、何かのウソや冗談に騙された人に対して「Poisson d'avril!」と言う説明もありました。
私はフランスにいたときこれをやったことが(やられたことも)ないので分かりませんが、ご存じの方がいらっしゃいましたら詳しく教えてください。
日本では、騙された人に同じように「エープリルフール!」とか言いますかね?
アメリカ(私が住んでいたカリフォルニア)では、やはり騙された人に「April Fool!」と言って、笑いあっていました。だいたいその場で冗談を晴らしていましたよね。
ところで、ちょっとおもしろいなと思ったのは、いろいろな国での「エープリルフール」の風習について調べているうちに、それがどんな日なのかの説明で、地域によって少し違いがあることに気づいたのです。
それは、「エープリルフール」にやることが許されているのが、「嘘」なのか「冗談」なのか、大きく2つに分かれるということです。
ちょっと細かい話なのですが・・・
Wikipediaの説明を見ても、日本語のページでは「毎年4月1日には嘘をついても良いという風習」と書いてあります。
「嘘」なのです。
しかし、英語では「an annual custom on 1 April consisting of practical jokes and hoaxes.」と書いてあります。
jokesやhoaxes
つまり、「冗談」とか「でたらめ」
まあ、「hoax」は「デマ」とか言う意味なので、ほぼ「嘘」と同義かもしれませんが・・・ lieと言う言葉ではないんですね。
フランス語でも
une plaisanterie ou une farce que l'on fait le 1er avril à ses connaissances, à ses amis et sa famille.
「冗談や悪ふざけ」
スペイン語でも
n día dedicado a las bromas
「冗談」
日本以外は「嘘」という言葉を使っていないのか?
そう思って、「日本という国は!」と書こうと思ったら・・・
ポルトガル語は、その日の名前自体が「dia da mentira」(嘘の日)でした
私としたことが、ちょっと穿った見方をしてしまいましたね。
長い交流の歴史があるポルトガルと日本、「エイプリルフール」の考え方が共通しているのにも、何か縁があるのでしょうかね。
面白いです。
ともかく、明日は健全に、仲が悪くならない程度に「冗談」や「デマ」を言って楽しんでください。
真面目ばかりではなく、笑い飛ばすことも大事ですよね。
Happy April Fool's Day!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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