実は大谷さんのあのプレーを成功に導いたのは大谷さんの才能ではなかった | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

実は大谷さんのあのプレーを成功に導いたのは大谷さんの才能ではなかった

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昨日の記事で、大谷翔平選手の素晴らしいプレーについて書きましたが、今日公開されていたサンスポの記事を読んで、考え方について少し思うところがあったので、今日はそのことを共有したいと思います。

 

その記事はこちらです。

 

落合博満氏「あとのバッターが大変になったと思いますよ」 大谷がセーフティーバントで好機広げた場面に〝オレ流〟意見/WBC - サンスポ (sanspo.com)

 

 

 

私、昨日の記事で、大谷翔平選手のプレーがいかに素晴らしいかということを話しました。

 

私も実際にプレーを拝見し、落合さんが話していたセーフティーバントの場面も見ていて、自分自身もとても感激していました。

 

しかし、落合さんの記事を読んで、少し考え直すところもありました。

 

(大谷選手のプレー自体が素晴らしいということはゆるぎないのですが)

 

それは、落合さんが言っていたように、「もし失敗していたら・・・」どうなっていただろうかということ。

 

そ今回は大谷くんも成功し、後の人たちがうまくつないだから「素晴らしかったね」という話になったのですが、これは、こういう偶然が重なっての「美談」になるわけで、どれか一つでも欠けていたら、まったく違った話になっていたかもしれないのです。

 

そして、(落合さんいわく)大谷くんはこのようなプレーを普段でもよくやり、それほど驚くことでもない。

 

なるほどなぁと思いました。

 

私のように、普段の彼のプレーを見ずに、このプレーだけを切り取って考える人は、どうしても「大谷さんのすばらしさ」というラベルを貼り付けて事実を曲解してしまうのだなぁと、ちょっと反省しました。

 

もちろん、大谷さんは素晴らしいんだけど。

 

でも、彼の普段のプレーをよく見ること、他の人のプレー(彼の前後の打順の人のプレー)もあっての話だということ、つまりコンテキストをしっかりと見て考えないと、事実とは違う解釈をしてしまうし、何よりも、大谷さんの素晴らしさを正しく理解できないことになってします。

 

私のような単純な見方しかできないと、どうしても大谷さん本人だけの素晴らしさで話を終わらせてしまう。

 

延いては、大谷さんを「天才」という一言で片づけてしまいがち。

 

これはあまりにも薄っぺらい。

 

大谷さんの素晴らしさの背景、周り、前後を見ることで、はじめて大谷さんの素晴らしさの本質が見えてくるのではないかと思いました。

 

ハチハチハチ

 

こういう考え方は、ニュースを見るときにも役に立ちます。

 

たとえば、ロシアのウクライナ侵攻のニュースだって、今起こっている事実だけを見ているのと、ロシア・ウクライナ関係で過去10年に起こった出来事、延いては、ロシアの歴史というものを踏まえて見ているのとでは、随分と解釈の仕方が違うだろうし、見えてくる事実も変わってくるでしょう。

 

こういうのは、解決策を見出す上では本当に重要になります。

 

今回の大谷翔平選手のニュースの見方で、私が改めなければならないなと思った点は2つ。

 

1つ目は、「大谷選手は、そもそもそういうプレーをするところがあった選手」なので、WBCの一場面だけを見て「いや、大谷選手は大舞台でも素晴らしいプレーをする!」と改めて感激するところではなかったということ。

 

その素晴らしいプレーができたのは、普段からやっているからだということ。

 

2つ目は、「大谷選手のあの賭けのようなプレーが良い結果に終わったのは、その後の選手がうまくプレーしたから」ということ。ゆえに、他の選手もいかに素晴らしいかということ。

 

つまり、私が先日の大谷選手のプレーを見て「大谷くんがすごい」と短絡的に結論づけてしまった原因は、①大谷選手の普段のプレーを知らなかったこと、②他の選手がいかに素晴らしかったかということ。

 

この2つの視点の欠如だったと思いました。

 

 

UnsplashAnika Huizingaが撮影した写真

 

 

ちょっと話は大きくなりましたが、これは翻訳をするうえでもとても大事なことになります。

 

字面だけを見て翻訳しているのと、前後関係や背景情報、その分野の基本的な知識を持って翻訳しているのとしていないのとでは、随分と違いが出てきます。

 

正しい語彙・表現の選択ができるかどうかということももちろんあるけれど、説得力のある文章を書けるかどうかというところは、このような背景情報を踏まえて書いているかどうかに大きく左右されるところだと思います。

 

文章をどういうトーンで書くか、どういう雰囲気にするかは、字面だけを読んでいては、なかなか判断が難しい。ゆえに、間違った書き方をしてしまう恐れがあります。

 

また、原文を写す(日本語訳という形ではあるけれども)だけでは、イメージを膨らませることのできる文がなかなか書けないのです。

 

先ほど話をした、ロシアとウクライナの関係もそうです。

 

しっかりとした背景情報を持っていないと、同じ事実を見ていても、(その切り取り方次第で)解釈の仕方が随分と変わってしまうということ。

 

これを、今回の落合さんの記事を読んで、あらためて認識させられました。

 

大谷選手の素晴らしいプレーも、彼の「才能」という一言で済まされがちですが、それではあまりにもお粗末。

 

彼のプレーの成功には、単なる「才能」や「運」では片付けられない、もっと多くの要因が絡み合っていたのであり、そこを見ることが本当は大事なのだと思います。

 

テレビや雑誌、新聞などのメディアは、こういう「切り取り方」で視聴者や読者を「楽しませる」ということをするわけで、気を付けなければなりません。

 

それがメディアの仕事なわけで、視聴者はとかく、メディアに振り回されてしまいます。

 

受け取る側はそこをしっかりと意識して、できるだけメディアのバイアスの影響を受けないように情報をとるスキルを身につけなければなりません。

 

それは、翻訳者という仕事にはとても大事なことだと思いました。

 

以上、昨日書いた記事の補足といいますが、新たに思うことがありましたので、落合さんの記事を紹介しつつ、追記させていただきました。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

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