売れる翻訳者最大の武器である「質」って具体的に何?「こなれた訳」じゃダメなの? | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

売れる翻訳者最大の武器である「質」って具体的に何?「こなれた訳」じゃダメなの?

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さっき(今日の午後)

こんなツイートをしたのですが

その「質」とは何ぞや?

ということですよね

 

多くの人が勘違いしているのは

 

質の高い翻訳=間違いのない翻訳

 

だと思っている点

 

あるいは

がんばって

 

質の高い翻訳=こなれた翻訳

 

もちろん

「高い質」という意味で言っているわけですが

 

「間違いのない翻訳」「こなれた翻訳」止まりでは

翻訳を仕事としていくうえでは

力不足です

 

これは

あくまでもスタート地点

 

この2つの条件が満せなければ

まず

翻訳者の見習いにもなれないわけで

まずは

ここを目指してから

翻訳者になったほうがいいです

 

翻訳で求められる「質」とは

要するに

ライターとして求められる「質」と同じです

 

プロのライターなわけです

 

ですから

原文を間違いなく訳したとしても

実際には使えません

 

お金はもらえません

 

中学生の英文和訳のような文章を

雑誌や新聞、書籍に

載せるわけにはいけませんよね

 

ましてや

契約書や財務報告書で

クライアントに出すわけにも

いきません

 

翻訳者に求められる「質」とは

そういうレベルのことである

ということを

忘れてはいけません

 

(自戒の意を込めて)

 

特に

フリーランス(自営業)として

独立して翻訳をする場合は

それをチェックしてくれる人がいないことも

多いかと思います

 

ちなみに

私は駆け出しのころ

独立していましたが

それなりの人に読んでもらっていました

 

特に

マーケティングや広告関係の文章は

自分もあまり実務経験がなかったので

苦労しました

 

(今でもしていますが)

 

自分で判断でき

売れる文章を自分で書けるようになったところで

初めて独立できるというわけです

 

ハチハチハチ

 

以上のことを踏まえて

翻訳をしようとすると

背景情報もなんの情報もなく

原文だけをもらったのでは

まったく書くことができません

 

プロだったら書けるのでは?

 

いえいえ

プロだからこそ

書けないのです

 

恐らく

駆け出しの人は

情報が足りなくても

書き切ってしまうでしょうね

 

プロであればあるほど

どんな情報やニュアンスを盛り込みたいか

判断できるので

いろいろな情報が欲しくなるものです

 

それはたとえ

昨日お話したような

たった2文であっても

変わりません

 

(2文しかないからこそ

もっと情報が必要)

 

 

昨日書いた記事は

こちらです↓

 

翻訳を依頼するとき、原文の他にどんな情報を提供すればいいですか?(今日はもらった情報はほんと無駄 | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所 (ameblo.jp)

 

 

 

昨日の話では

翻訳会社から

そういう情報が提供されないので

不満だ!

ということだったのですが

 

ここで

私は愚痴のようなことを

言ってしまいましたが

もう1つ注意しなければならないことがあります

 

それは

翻訳会社が

すべて必要な情報を

提供してくれるわけではない

ということです

 

言ってみれば

翻訳会社の担当者も

(専門翻訳会社でない限り)

対象の業界のことを

知らないという可能性が高いです

 

ですから

どんな情報を提供しなければならないか

知らない人も多くいます

 

それをいいことに

原文しか提供しない人もいて

それはちょっと違うのでは?

と思うのですが…

 

やはり

発注する前に

翻訳者が必要とする情報の

最低限のことくらいは

デフォルトで送ってもらいたいです

 

(でないとやりとりで時間が無駄)

 

何が必要かは

昨日のブログも参考にしてみてください

 

なんでもかんでも

プロジェクトマネージャーに

「くれ」

とねだってばかりではいけません

 

じゃあ

手に入らなければ

あとは自分の勝手な判断で翻訳するのか?

というと

そこが問題になるわけです

 

つまり

あとは自分の調査能力

持っている知識

読解力・推察力・洞察力

というものの勝負となり

それが

品質を左右します

 

最善の努力を尽くして

提出した訳文は

最終的には

発注者の判断に委ねられます

 

発注者はその業界のプロです

 

ですから

否が応でも

翻訳の質に判断が下ります

 

そこで良い結果が出せるかは

翻訳会社の担当者の力でも

ソースクライアントの力でも

誰の力でもなく

翻訳者本人の力となります

 

そういうことを踏まえて

一人前の翻訳者にならないと

独り立ちはできない

ということです

 

(自分もそうでしたが)

すべて

翻訳会社に求めていると

必要とされる「質」を提供することは

難しいと思いますし

 

なによりも

仕事として

なかなかうまくいかないと思います

 

 

UnsplashVictoria Heathが撮影した写真

 

 

翻訳者が身につけるべき「質」とは

エラーフリーとかこなれた訳とかではなく

お客様(発注者)に満足してもらえる質の文章が書けること

 

そのために大事なことは

翻訳会社のPMさんに資料を求めるだけでは

不十分であり

 

場合によっては

 

・どんな資料や情報が必要かPMさんに伝えてクライアントから調達してもらう

(何がなぜ必要なのかをPMさんに理解してもらえるように、丁寧に伝える)

 

・不足している資料は自力で調達する

(ネットや図書館、書店、業界などあらゆるリソースを活用)

 

・必要な情報(用語など)はどこをどうやって調べれば出てくるかを知っている

 

・採用した訳語や表現について説明責任を果たすことができる

 

 

こういうことが

必要になってきます

 

翻訳の仕事って

大変そうでしょう?

 

翻訳者を目指している人の

やる気をそいでしまうかもしれませんが

でも

それが翻訳の仕事ですので

仕方がありません

 

これができない人は

一人前の翻訳者になれないか

単価が上がらず稼げないか

残念ながら

あまり向いてないと思います

 

翻訳の仕事は

間違いなく理解し

適切に表現できるようになってからが

修行のスタートだと思ったほうがいいです

 

そして

翻訳の作業の大部分は

訳文をひねり出す作業ではなく

こういった調査や検証などの作業です

 

翻訳者は世の中に大勢いるのに

翻訳業界は

なぜかいつも人手不足…

という理由は

以上の観点から

需要を満たせる人材が圧倒的に少ないから

ということができると思います

 

翻訳業界は

常に人材不足です

 

こういう観点から

翻訳の「質」を担保できるようになると

仕事はぐいぐい増えていくと思います

 

私もまだまだですが

さらに精進していきたいと思います

 

 

最後までお読みくださり

ありがとうございました

 

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