「苦情をじっくり聞く」に違和感が…【他の翻訳者や機械翻訳の表現に違和感があったときはどうする?】 | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

「苦情をじっくり聞く」に違和感が…【他の翻訳者や機械翻訳の表現に違和感があったときはどうする?】

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先日ある仕事で

 

「お客様の苦情をじっくり聞く」

 

という表現を見ました

 

この「じっくり」という副詞の使い方に

少し違和感がありました

 

苦情をじっくり聞く

 

これは合っているのでしょうか?

 

どこかおかしくありませんか?

 

間違っているのでしょうか?

 

問題ないでしょうか?

 

ハチハチハチ

 

「じっくり」

 

辞書の意味は…

 

デジタル大辞泉

じっくり

落ち着いて、また、念入りに物事をするさま。「腰を据えて、―(と)話し合う」

 

 

広辞苑無料検索

じっくり

落ち着いて時間をかけて念入りに行うさま。

 

 

精選版 日本国語大辞典

じっくり

① 物事がよく合っているさま、よく密着しているさまを表わす語。 

② 落ち着いて時間をかけ十分に物事をするさまを表わす語。十分に。とっくり。

 

こうして意味を見てくると

 

「苦情をじっくり聞く」

は正しいような気がします

 

苦情を念入りに聞く

わけです

 

 

類語を見ると

 

慎重に

つくづく

篤と

念入りに

 

などと出てきます

 

いずれも

「苦情を聞く」

に合っていると思います

 

でも

「苦情をじっくり聞く」

と言われると

私はどうしても

ちょっと合っていないような気が…

 

「じっくり」と言われると

少しだけ

上から目線のような気がして…

 

「他人の話をじっくり聞く」

 

「言い分をじっくり聞く」

 

ああ、

でも

「先生の話をじっくり聞く」

これは問題ないか…

 

苦情がもっともだ

お客様の言い分は正しい

と考えると

 

「苦情をしっかり聞く」

 

の方がしっくりくるの思ったのですが

これは

私個人的な感覚でしょうか

 

 

UnsplashIcons8 Teamが撮影した写真

 

 

こんな風に

あれころ悩んだ末

 

苦情を「じっくり」聞く

 

でOKだという結論に至り

結局は

「苦情をじっくり聞く」

のまま(翻訳を)出しました

 

 

これは

あるとき

翻訳のチェックをしていたときに

実際にあったものです

 

こんな風に

他人の翻訳をチェックするときは

直感に頼ってチェックをするのですが

修正するときは

きちんと根拠がないと

修正できません

 

明らかな間違いは

簡単に直せるのですが

こういう

「直感的」なものだと

自分の直感が正しいとは限らないので

むやみに直すことはできません

 

最近、このブログでもよく話ている

機械翻訳の場合も

同じです

 

そして

たまにこんな風に

ちょっとした思考にハマってしまい

時間がかかることもあります

 

でも

この作業を軽んじてしまうと

ダメなような気がしています

 

個人的には

ちょっと違和感があって

「機械よりもこっちのほうが自然だろう」

と思うものもあるのですが

自分の直感が

必ずしも正しいとは限りませんし

機械の表現も

それはそれで評価されているわけで

(だから、翻訳会社は採用しているという理屈)

よって

私は最近

むやみやたらに

自分の言葉に直さないようにしています

 

ですので

私がチェックした翻訳に

たとえ変な訳があったとしても

それは

こういう理由が背景にある場合もあります

 

もし

完全に私の直感の訳文が欲しいというのならば

機械翻訳を使わずに

(私がチェック、編集するのではなく)

最初から私に翻訳するように

依頼していただければ済む話なのです

 

最近は

このようにして

機械翻訳の編集チェック(MTPE)や

他人の翻訳のチェック作業と

自分で一から翻訳する仕事を

分けています

 

これでも

私に一から翻訳してほしい

という需要も

まだあるのですよ

 

とてもありがたいことに

 

 

最後までお読みくださり

ありがとうございました

 

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