日本の銃規制は機能しなかったのか?ニューヨークタイムズ紙の論説を読んで考えました
アメリカの主要紙
ニューヨークタイムズ紙に
このような記事がありました
Does Abe Shooting Reflect Success of Japan's Gun Laws, Not Failure?
「安倍元首相の銃撃事件が映し出すのは日本の銃規制の成功、失敗ではなかった」
そのなかで気になった一節がこちら
"even the most stringent measures cannot totally erase the human capacity for violence. Rather, restrictions, if successful, can reduce both the severity of that violence as well as impose hurdles that make it less frequent."
今回の事件を受けて
私も
なんだ
日本だって銃が乱用されて
こんな悲惨な事件が起きたじゃないか!
銃規制が厳しい国のはずなのに
その規制が
機能してないんじゃないか??
アメリカのことを
銃社会で危険極まりないと批判してたけど
日本だって危ないじゃないか!
と思いました
しかし
この記事を読んで
特にこの一節を目にして
そうか
日本の銃規制は機能していたんだ!
そのうえで起こった出来事が
今回の事件なんだ!
と、考えを少し改める
きっかけになりました
この一節を要約すると
・どんなに厳しい規制を敷いたとしてもこのような「暴挙」を無くすことは不可能ということを証明している
・ただし、厳しい規制がこのような「暴挙」を抑えるのに役立っていることを示している
この2点です
そして、
実際、日本よりも銃規制が緩い国では、比較にならないほど銃による犯罪が多いこと
相当な技術力と知識がないとこのような銃器は作れないということ(自傷するリスクや上手く機能しないリスクが高すぎる)
銃規制が機能しているからこそ
実際に銃犯罪を犯す人が
(相対的に格段に)少ないのだ
ということを
述べています
確かに、今回の事件は
銃の恐ろしさや
銃規制の限界が示された格好であり
今後も
その脅威は増すばかりという
恐怖をあおるような事件でした
だからといって
日本の銃規制が
無効であるのか
力不足であるのか
というと
必ずしもそうではなく
不足や改善の余地があるかもしれないが
世界的に見れば
効果を十分に発揮していて
そのうえで
今回のような事件が起こってしまったのだ
ということを
この記事は訴えています
規制自体
世界的に見て
犯罪を抑えるのに
100%の効果を発揮しているわけでは
決してないが
相対的には
効果を発揮しているのだ
という視点を
この記事は示してくれています
これを踏まえたうえで
今後、
同じような悲惨な事件が繰り返されないように
さらに
これによって
助長されるようなことがないように
さらに
社会全体で
抑止に務めていかなければならない
ということなのでしょう
民主主義に対する冒とくであり
政治に対する挑戦である
というようなことが
さかんに訴えられていますが
もちろん
それはそうなのですが
何よりも
1人の
社会的にも重要な人物の命が
いとも簡単に
このような形で奪われてしまったことを
重く受け止めて
100%無くすことができないのであれば
そこで諦めるのではなく
少しでもそのリスクが減るように
務めていかなければならないと
思います
さらに今回の事件で気になったのは
犯人の素性が明らかになる前に
やはり
「外国人ではないか」
とか
国籍や素性をカテゴライズした
差別的な発言も
TwitterなどのSNSで目立った点です
人種や国籍
出身地や性別などで
犯人とのつながりを強調するような考え方は
とても危険であり
あってはならないことだと思います
それが
特にマイノリティについては
起こりやすいわけで
特定の人が
「レッテル」を貼られることによって
生きづらくなる社会は
現代においては特に
容認されないことだと思います
その点
ブログもそうですが
SNSにおいては
かなり助長されがちだと思うので
その防止に個人的にも務めていきたいですし
それが
以下に不合理なことであるかを
訴え続けていきたいと
今回の事件の一部始終をここまで見てきて
強く思いました
SNSは
そういうのが広まりやすい地合いがあると思います
自分も気をつけたいですし
みなさんにも気をつけていただきたいです
今回ご紹介した
The New York Times紙の記事でも
そのような視点が示されていると思います
事件が起こり
とかく
「日本の銃規制は機能していないんじゃないか?」
とか
「日本の警察は機能していないのではないか?」
みたいな議論が起こりがちですが
他の国と比較することで
それが客観的に見て
どれくらい機能しているのか
やる意味があるのかないのか
そういうことを
客観的に判断できるようになると思います
もちろん
それが十分であるとか
完璧であると言うつもりはないですし
比較論というものが
そういうことを意図したものではないということも
十分に承知しています
単純に
「良し悪し」
や
「機能している、していない」
ではなく
相対的に見て
すべてを否定するのではなく
機能している部分を評価したうえで
今回の事件の反省に立ったうえで
よりうまく機能する方法を見つけ出していく
というプロセスが大事なのではないかと
思います
そして
今回の事件でも
いろいろな情報が
いろいろな段階で流れていますが
新聞やテレビなどの報道も含め
やはり
日本国内の日本語の情報だけに頼るのではなく
いろいろな視点の情報を入手することが
とても大事だなあと
あらためて実感しました
特に
SNSは
誰が書いたか分からないような
コピペの情報が
多すぎます
注意したいと思います
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安部さんの回復を
私も切に願ってはいましたが
残念ながら
多くの人のその願いは
とうとうかないませんでした
せめて
今回のできごとが
次の悲劇を生まないことに
活かされることを
願ってやみません
安倍晋三さんの
ご冥福を心よりお祈り申し上げます
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