秋:autumn と fall の違いはイギリス英語とアメリカ英語ではない | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

秋:autumn と fall の違いはイギリス英語とアメリカ英語ではない

いい季節になってきましたね

 

「秋」です

 

秋を英語で言うと

autumn

fall

この2つがあります

 

この2つの違い

イギリス英語とアメリカ英語の違い

と思われガチなのですが・・・

 

実は

正確な話をすると

そういう違いではないのです

 

一足先に秋も深まりつつある姥ヶ岳周辺(月山・湯殿山系)

2021年9月25日撮影

 

 

実際に

イギリスでもアメリカでも

どちらの単語も使われます

 

ただし

「秋」という季節を表す単語としては

fall はアメリカで広く使われている言葉で

イギリスでは autumn と呼ぶ方が好まれる

という「傾向」があるようです

 

ですので

autumn はイギリス英語

fall はアメリカ英語

と勘違いされることが

多いのかもしれません

 

でも

歴史を紐解くと

autumn という言葉も

fall という言葉も

イギリスで生まれ

両方とも

新大陸であるアメリカに

渡りました

 

スタンダードジャズや

映画などを見ても

autumn という言葉は

アメリカでもポピュラーです

 

アメリカの作詞・作曲家

ヴァーノン・デュークの作品

「Autumn in New York」(ニューヨークの秋)は

それはそれは

有名な歌ですし

私も大好きです

 

 

かと思えば

私の通っていたアメリカの大学では

「秋学期のことは

Fall semester と呼ばれていましたし

Fall という単語は

かなり広く使われていました

 

ただ

私が住んでいたところは

「秋」という季節自体が

ほとんど感じられない場所だったので

学校の fall semester 以外に

日常的には耳にしない言葉でした

 

それでも

街では

ショッピングモールなどの

ショーウィンドウには

Fall Sale

の文字が賑やかに

飾られていました

 

Google で

「autumn sale」「fall sale」と画像検索してみても

どちらの場合も

両方とも結果が表示されます

 

<fall sale>

 

<augumn sale>

 

ハチハチハチ

 

では

なぜ英語には

2つの「秋」があるのか?

 

なぜ

秋だけ2つの名前があるのか?

 

それぞれの言葉の

ルーツをたどってみました

 

古いのは

autumn

だそうです

 

こちらの言葉は

14世紀後半に

フランス語から入ってきたそうです

 

autumpne

 

このフランス語(古フランス語)の語源は

ラテン語のautumnusでした

 

ラテン語由来の「autumn」が使われるようになる前には

この季節

つまり

夏から冬にかけての季節は

harvest

と呼ばれていたようです

 

「収穫」という意味です

 

 

季節の「秋」の意味でもあり

「収穫」の意味でもあり

二重の意味があったわけです

 

ですから

ちょっとややこしかったようです

 

そのため

たまたまラテン語から入ってきた

「autumn」という言葉が便利だということで

好まれるようになっていった

という事情のようです

 

そして

harvest つまり秋の呼び方論争は

autumnでは終わらなかったようです

 

さらにいろいろな言い方が出てきた中で

やはり

「落ち葉」

つまり

the fall of the leaves

という言葉が

特に詩人の間で人気が高く

それがいつのまにか

harvest (秋)の代わりとなる言葉として

使われていったのだそうです

 

17世紀には

Fall of the leaves という呼び方は

fall

に短縮されていったとのことです

 

実際に

18世紀半ばまでは

イギリスでもアメリカでも

autumn の方が人気でした

 

しかし

19世紀中ごろから

アメリカ英語とイギリス英語の

乖離が顕著になってきます

 

その過程で

autumn と fall も

使われ方に差が出てきたようです

 

そんな経緯を経てきた言葉なので

アメリカでは

autumn という言葉が

ちょっと詩的というか

気取っているというか

少し特別な意味合いがある言葉として

捉えられる向きがあるかもしれません

 

それもこれも

他の季節に比べて

人が生きるうえで

特に重要な収穫の季節である「秋」だけが

様々な呼び方を持っていて

変遷してきたというのも

頷ける話かもしれません

 

 

 

ところで

日本語の「秋」の語源って

ご存じですか?

 

日本語の「秋」の語源は

これと言った定かなものはなく

意見が分かれるようですが

 

・空の色が「清明(あきらか)な」季節

・穀物などの収穫が「飽き満ちる(あきみちる)」季節

・紅葉などに使われる「紅(あか)」が転じた

・稲が「あからむ」(熟)から転じた

 

といった感じのようです

 

ちなみに

ラテン語の秋 autumnus の語源も

不明なようですが・・・

 

autumnus は 

auctumnus という言い方もあったようで

この単語の

auc - という部分は

もしかしたら

auctus (増加する)の影響を受けた単語ではないか

とのことです

 

最近は

天候不順や災害の季節のような雰囲気もあり

実りを存分に祝うことも

ままならない感じですが

 

それでも

我々の食糧を提供してくれる自然の恵みを

しっかりと味わって

感謝していきたいですね

 

昨日、ノーベル物理学賞の受賞が発表された

真鍋淑郎さんは

すでに何十年も前から

「気候モデル」を研究されていて

かなり先見の明があったと思われますが

こうして注目されることで

地球環境の保護や安定の研究が

さらに進めばいいなぁと思います

 

真鍋さん、受賞おめでとうございました

 

参考:

autumn | Origin and meaning of autumn by Online Etymology Dictionary (etymonline.com)

 

Is It 'Autumn' or 'Fall'? | Merriam-Webster

 

【秋の語源】あかり(黄熱)・あきらか(清明)・あきみつる(飽き満る)・あかく(紅く) - 和語の里 - 日本語・データ化・考察 - (hateblo.jp)

 

秋/あき - 語源由来辞典 (gogen-yurai.jp)

 

キラキラキラキラキラキラ

 

今日も最後までお読みくださり

ありがとうございました

 

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