"オクロック" の由来 | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

"オクロック" の由来

Photo by Paweł Czerwiński on Unsplash

 

一昨日と昨日で

時刻の表し方について

お話しました

 

まだお読み出ない方は

リンクを貼っておきますので

よろしければお読みください

 

午前12時は昼?夜? 午後12時っていつ?

 

20時が何時かすぐに分からない国民

 

昨日の話の中にも

出てきましたが

英語の場合

例えば「7時ちょうど」みたいなとき

 

It's 7 o'clock.

 

というように

o'clock

という単語を付けることがあります

 

このo'clockって

どういう意味か

考えたことありますか?

 

今日はそのお話です

 

ハチハチハチ

 

英語の時刻の表現で

独特なのが

o'clock

という言葉

 

例えば

「7時です」

と言うとき

It's seven o'clock.

と言います

 

もちろん

It's seven.

でもOKですよ

 

この

o'clock

という言い方

 

時刻の基準が時計

というのは

最近の話でして

昔は

ご存じのとおり

太陽をを見て

時刻を言い表していました

 

o'clockという表現は

実はその名残で

of the clock

の略なのだそうです

 

つまり

It's seven of the clock.

ということ

 

「時計の7時です」

 

と言っているのです

 

「今何時?」

と聞かれて

当時は

「太陽では〇〇の時」

とか

「時計では〇〇時」

というふうに

言っていました

 

時間の基準が

必ずしも「時計」ではなかったのです

 

当時は

日時計や砂時計、水時計が

盛んに使われていました

 

of the clock

がなぜ

o'clock

になったか?

 

それは

簡単な話です

 

英語では

早口で言ったり

省略していったりすることを

そのまま文字にします

 

例えば

do not → don't

let us → let's

I will → I'll

 

こんなふうに

of the clock も

短縮されて

o'clock

となったわけです

 

この

o'

の省略は

なにもo'clockだけの現象では

ありません

 

ハロウィーンの飾りで

今や日本でも知名度を上げた

ジャックオーランタンハロウィン

 

Jack-o'-lantern

 

この真ん中のOにも

アポストロフィーを付けて

O' 

と書きますが

これも

o'clockと同じ原理です

 

Jack of the lantern

 

Jackとは

「ジャック」という人の名前ですが

英語では

普通の「男」という意味でも

使われる言葉です

 

日本語の「太郎」

みたいな感じですかね

 

日本語の「太郎」にも

~ばかりしている者

という意味があります

 

早弁太郎

ぷう太郎

・・・

 

あるいは「〇〇兵衛」ですかね

 

のん兵衛

助兵衛

・・・

 

ともかく

Jack-o'-lantern は

「ランタンの男」

「ランタン男」

「ちょうちん男」?

ということです

 

アイルランド人の名前でも

よく見かけますよね

 

O'Brian

O'Connor

O'Hara

O'Neill

などなど

 

アニメや多くのテレビCMでも使われ

日本でも大ヒットした

『アローン・アゲイン(ナチュラリー)』

を作詞・作曲した

ギルバート・オサリバンも

O'Sullivan

 

私もこの楽曲が大好きです

 

これもやはり

of the...

ということで

「ギルバート・オサリバン」は

「サリバンさんちのギルバート」

ということです

 

英語では

the Sullivan

定冠詞theを付けて言えば

「サリバン家」

という意味になります

 

定冠詞って

意味を大きく変える

大事な単語です

 

話はずいぶんと逸れましたが

o' は割とあちこちで見かけます

 

時刻を表す

o'clockも

同じというわけです

 

そう考えると

別に

「7時ちょうど」

みたいな

きっかりの時刻にだけ使われる

ということもなさそうです

 

では

It's seven thirty o'clock.

と言うのか?

 

つまり

7時半

みたいな

半端な時間でも

o'clockと言えないのか?

 

o'clockの語源を考えると

7時きっかりなど

ちょうどの時刻にしか使わない

という理由もなさそうです

 

of the clock

ということであれば

別に

It's 7:30 of the clock.

でもあり得そうですよね

 

ところが

どうやら

きっかりの時刻以外には

o'clockを使わないようです

 

確かに聞きません

 

理由はよく分からないままですが

調べてくれている人もいるようです

 

それでも

これといって確証の持てる答えが

出されていないようです

 

でも

きっかりの時刻以外では

o'clockは使われない

というのが

ネット上では統一見解のようです

 

では

7時半などの時刻には

なぜ使われないのか?

 

ここからは憶測の域を

出ませんが・・・

 

まず

リングイストでライター・編集者の

ジョナサン・オーウェンさんが

自身のブログでこんなことを

書いています

 

10:30 o’clock

 

"Clock" の原義は「鐘」

 

昔の時計は

1時間毎に

きっかりの時刻に鐘を鳴らす

仕組みで

当時、

腕時計など手元に時計がなく

鐘の鳴る回数で

時刻を把握した

 

だから

of the clock

と言うときは

鐘の鳴る時刻

つまり

分単位ではなく

時間単位ということ

 

オーウェンさんは

こんな仮説を立てていました

 

確かに

o'clockの元の表現

of the clock

「時計の」という意味ではなく

「鐘の」という意味だったとしたら

 

seven thirty of the'clock

とは言えませんよね

 

30分では

鐘は鳴りませんから

 

実際に

時計の歴史を紐解いてみると

初期の時計には

確かに

分針や秒針は

ありませんでした

 

分針の描写のある資料は

15世紀以降のものだそうです

 

また

個々人が持つことのできる

コンパクトサイズの時計

 

つまり

懐中時計が出てきたのは

16世紀

 

それまでは

柱時計や置時計しかなかったわけで

やはり

時刻を知る=鐘を聞く

しかも

分針がない時代であれば

 

何時?何分?何秒?

などといった

ダルい質問はあり得ないわけで

 

What's the time?

と聞かれれば

It's seven of the clock.

となるのが

自然です

 

これが意味するのは

「Clockの7時」

ということです

 

先ほども述べたように

当時の時計は

日時計、砂時計、水時計など

これに加えて

鐘時計(clock)が

あったわけです

 

だから

seven of the clock

seven o'clock

とは

「鐘時計の7時」

という意味と考えるのが

妥当かと思います

 

以上のことから

o'clockは

毎時きっかりのことしか言わないという習慣も

十分に信憑性のある憶測であり

納得がいくわけです

 

かたつむりかたつむりかたつむり

 

以前、

カラオケのうまい友達に

 

「ワンオクロック知ってる?」

 

と聞かれたことがありました

 

そのとき私は

「もちろん!」

と答えました

 

その友達は

英語がほとんどできないので

 

"こいつ、そんな表現、よく知ってるなぁ"

と、

私は内心で関心していました


そう、

私は英語の「one o'clock」だと勘違いし

その友達が

o'clockを知ってるか?

と尋ねたのだとばかり

思ったのでした

 

読者のみなさんは

もうお察しですよねニヤリ

 

特に若い世代に人気の

ロックバンド

ONE OK ROCK

の話だったのです

 

英語ができるからって

私は随分と上から目線でした

 

でも

若者の流行に関して

全く無知な私に対して

その友達に

逆にマウントを取られた形になってしまうという

大失態でしたwww

 

ちなみにこのバンドの名前の由来は

 

 結成当時、練習スタジオに入るのが、深夜パックで料金が安くなる毎週末の午前1時(one o'clock)だったこと

(Wikipediaより)

 

とのことです。

 

ONE OK ROCK

 

 

 

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