本当の終戦記念日はいつ? 国によって違う「終戦」の捉え方 | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

本当の終戦記念日はいつ? 国によって違う「終戦」の捉え方

昨日が8月15日は

75回目の終戦記念日でした

 

「戦没者を追悼し平和を祈念する日」

というのが

正式な名称のようです

 

私も正午に

黙とうを捧げました

 

兎にも角にも

私の今の生活が

先人の尽力と犠牲の上に

成り立っていることに

もう一度

思いを馳せてみました

 

Twitterを見ていると

とめどなく流れてくる

終戦の日に関わる投稿・・・

 

勉強になりました

 

昭和7年生まれで

Twitterフォロワー5万人超の

大崎博子さん (@hiroloosaki) が

 

「敗戦の日なのに、テレビではその関係の話はあまりしてない。75年も経ったせいか?!」

 

と嘆いていらっしゃったのを見て

慌ててテレビをつける

 

https://twitter.com/hiroloosaki/status/1294573981014491136

 

たしかに

NHK以外は

ぜんぶ戦争とは関係ない番組

 

そういえば

お昼の黙とうのときも・・・

 

NHKのテレビを見ながら

参加したけれど

黙とうの時間が終われば

すぐに

「猛暑」の話題だった

 

他のチャンネルも

見てみたけど

どこもいつものお昼の

バラエティ番組

 

「なるほど、これが

終戦75年目の日本か・・・」

 

今日1日

ちょっと情報不足感が残っていたので

大崎さんのTwitterをきっかけに

夜のNHKの番組を見てみました

 

戦後補償についてでしたが

主に空襲を受けた

一般の市民たちの訴えが

特集されていました

 

いつもは

実家に帰って

家族と過ごし

じっくり考える暇もなかったのですが

 

今年は

コロナ禍ということで

実家にも帰らず

自宅で仕事をしたり

Twitterを見たり

ネットで勉強したり

初めてじゃないかというくらい

じっくりと勉強できました

 

そして

これまでになく

強い危機感が

自分の中に

生まれた気がします

 

そういう意味では

良かったです

 

そして

大崎博子さんは

こんなこともつぶやいていました

 

「日本の終戦記念日の時間は8月15日の12時だが、アメリカなどは東京湾上の米戦艦ミズーリの艦上において日本側が降伏文書に調印した1945年9月2日を対日勝戦記念日と定めている。」

https://twitter.com/hiroloosaki/status/1294456214177214464?s=20

 

そっか

国によって

8月15日の見方が

違うんだ・・・

 

当然ですよね

 

自分は

アメリカに住んだこともあるし

イタリアにも住んだことあるし

大学でも法律やパワーポリティックスについて

勉強したし

いろいろな人の体験談を

耳にしてきたし

比較的広い視野を持ってきたと

思っていました

 

でも

勘違いでした

 

驕っていましたね

 

何も知りませんでした

 

VJ Dayすら知りませんでした

 

ぼんやり

それぞれの国で違うんだろうなぁ

くらいには思っていましたが

具体的に

何月何日に終戦になっているか

終戦をそれぞれどうとらえているか

明確に認識していませんでした

 

恥ずかしい限りです

 

 

そもそも

「終戦記念」とか言ってますが

日本が降伏した日であり

他の国にとっては

ぜんぜん違うということ

 

国によっては

8月15日ではなく

9月2日のほうが

重要だったりするわけです

 

とうことで

今までの狭い視野を広げるべく

他の国での

8月15日や

「終戦」の扱いについて

少しまとめてみました

 

宝石緑宝石緑宝石緑

 

《アメリカ》

9月2日 対日戦勝記念日

Victory over Japan Day

 

V-J Day などとも呼ばれ

旧連合国では

こういう呼び方が一般的なようです

 

そして

多くの国々で

このV-J Dayの記念行事が

行われています

 

《英国》

ただし

英国だけは

VJ Dayが8月15日となっています

 

これは

英国では

日本が降伏を「宣言」した時点を

勝利と考えているのに対し

米国他では

日本がポツダム宣言に「署名」した時点を

勝利と考えていることの

違いとのことです

 

実際には

8月15日にする理由が

他にあるのかもしれませんが

詳しくは分かりませんでした

 

ただ、

多数の英国人捕虜が解放された日

ということで

もしかしたら

韓国や中国など

日本に占領された地域と同じように

8月15日に強い思いが

あるのかもしれません

 

また、

日本が降伏した当時

フィリップ王配が海軍将校として

東京湾の軍艦に乗務していたとのことで

それが影響している

ということもあるかもしれません

 

参考文献:

VJ Day: UK commemorates 75th anniversary as royals lead tributes

 

 

日本の侵攻があった国々では

「解放」されたことを記念しています

 

《韓国》

8月15日「光復節」解放記念日

 

1945年8月15日に

朝鮮が日本の統治から脱し

自主独立を取り戻したということで

この日が制定されています

 

「光復」とは

「奪われた主権を取り戻す」

という意味だそうです

 

《北朝鮮》

8月15日解放記念日

 

北朝鮮では

この日については

「光復」という言葉を

使わないそうです

 

《中国》

9月3日 「对日战争胜利纪念日

(対日戦勝記念日)

 

日本が降伏文書に署名した翌日を

このように制定しています

 

《ロシア》

ロシアでも

9月3日を「対日戦勝記念日」としているそうです

 

День победы над Японией

 

《ベトナム》

大日本帝国が占領した

ベトナムでは

8月15日に日本が降伏すると

権力の真空状態が生じ

八月革命が発生しました

 

結局

9月2日に独立宣言を発表し

この日を「国慶節」として

祝っています

 

《フィリピン》

フィリピンでも

9月3日にVJ Dayが祝われています

 

フィリピン全土の防衛を指揮していた

陸軍大将山下奉文が

1945年9月3日に

フィリピンで降伏文書に

署名したことから

この日は

"Surrender of General Tomoyuki Yamashita Day"

「山下奉文降伏の日」

とも呼ばれているそうです

 

東南アジアの他に国々でも

日本軍が家に押し入ってきた

などという話を聞きます

 

東南アジアでの現状を語る

こんな記事があり

興味深かったです

 

「東南アジアに暮らす日本の子どもたち」が担う役割

 

 

 

戦争は

75年前の昔の話では

済まされない話です

 

今の子供たちも

苦しい思いをします

 

東南アジアでの終戦といえば

以前『ビルマの竪琴』という映画を見て

心を動かされたのを

記憶しています

 

『終戦記念日を迎えるに当たり-『ビルマの竪琴』を読み返す』

 

この記事を読んで

映画のことを思い出すと同時に

ビルマではどうだっんだろう・・・

 

ミャンマーでは

どのようにして8月15日を迎えているのだろう

と、思いますが

詳しい資料はまだ検索中です

 

東南アジアでの「終戦」については

もっと詳しく調べてみたいと

思いました

 

《台湾》

 

私にとって

とても興味深かったのは

台湾でした

 

台湾についても

あまり深く考えたことがありませんでした

 

台湾人の友達もいるし

日本人の友達で台湾に現在赴任している人が

いるにもかかわらず!

 

お隣のことを考えてこなかったなんて

実に恥ずかしい!

 

台湾については

先ほど東南アジアの話で引用した

ながつかかおりさんの記事から辿り着いた

田中美帆さんのこの記事を読み

はっと我に返ったというか

何も知らなかった自分に気づいたのです

 

とても興味深かったです

 

台湾は「8月15日」をどう捉えている? 「終戦」と「光復」の間でゆれる戦争観

 

 

1945年8月15日、

台湾は日本統治下

 

だから「敗戦」を迎えたわけです

 

台湾に国民党政府が来たのが1949年です

 

だから

その前後で

太平洋戦争に関する認識が

二つにわかれるということです

 

「つまり、8月15日というのは、台湾では、この日を敗戦と位置付ける人もいれば、戦勝と位置付ける人もいて、立場が分かれる日でもあるのです」(記事から引用)

 

この部分は

とても印象的です

 

中国が

「戦勝国」であるかどうかには

議論があるわけですが

ただ

「終戦」の捉え方という点では

その議論は関係ないでしょう

 

とにかく

人々の認識としては

二つにわかれるという

複雑な状況にあることは

確かなようです

 

今度、

現地の人に聞いてみようと

思います

 

このように

私にとっては

「終戦」の見方に関しては

日本以外の視点を深く知ることが

とても重要なことだと

改めて認識した

貴重な2020年の終戦の日となりました

 

 

ハチハチハチ

 

最後に

話は逸れますが・・・

 

先ほど話した

NHKの番組を見て

強く感じたことは

 

実際に苦しんでいる人たちが

どんどん少なくなり

戦争反対の訴えが

今後は急速に

弱まってしまうのではないか・・・

ということ

 

当時の官僚や

政治家の方々の

インタビューもありましたが

みんな口々に

犠牲者がほっとからている現状を

認める内容

 

開き直っているとしか

思われません

 

"時間が経ったから

もういいだろう・・・"

 

しかも

その政治家たちも高齢

 

自分たちは

もうお役御免とばかりに

他人事のようにしか

考えていません

 

そういう方向に

状況は移り変わっている・・・

 

恐ろしいことは

恐らく残り少なくなった被害者も

残された時間が少ないということ

 

政府も

あと何年かのらりくらり

はぐらかしておけば

そういう声は

上がらなくなるだろう・・・と

 

そんなふうな対応がなされていることが

とても悔しいと思うのです

 

地上波の番組を見ても

大崎博子さんのおっしゃるとおり

ほとんど戦争の話題がなし

 

これは

放送局の問題でもありますが

関心を示していない

国民の問題でもあります

 

放送局は

特に民放は

視聴率で生きています

 

だから

視聴率の取れる番組しか

放送しないというのが

今の流行です

 

ということは

国民の関心が

番組にそのまま反映されている

ということ

 

なんとかして

変えなければ

また歴史は繰り返されることに

なります

 

その証拠に

戦争や原発に対する考え方が

全体としては

だんだん緩くなってきています

 

とにかく

現状と歴史を

しっかり把握することが

第一歩だと

今回は強く思いました

 

知れば当事者意識が芽生えると

自分の体験から

感じています。

 

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