Integrity:とても分かりやすい解説に巡り合いました。訳語もこれで決まりでしょう! | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

Integrity:とても分かりやすい解説に巡り合いました。訳語もこれで決まりでしょう!

ESG投資とかSDGなどという言葉は

聞いたことありますか?

 

投資の世界では

近年、非常に重要視されるようになってきた

概念です

 

Photo by Markus Spiske on Unsplash

 

ESGとは

Environment 環境

Social 社会

Governance ガバナンス

のそれぞれの頭文字を

とったものです

 

また

SDGとは

Sustainable Development Goal

の略で

つまり

持続可能な開発の目標

 

これは

2015年の国連持続可能な開発サミットで採択された

2030年に向けた行動計画です

 

要するに

ESGやSDGに対して

積極的に取り組んでいる企業に

投資をしていこう

という傾向が

投資界でも

強くなってきているのです

 

参考:

持続可能な開発目標(SDGs)とは

(国際連合広報センターのサイトに飛びます)

 

ESGという言葉は

投資界でも社会的にも

だいぶ浸透してきているので

基本的な訳語は

だいたい確立しています

 

SDGはさらに

国連がやっていることなので

多くが日本語に訳されていますし

『2030アジェンダ』に関しては

仮訳ながら

外務省が訳文を出しています

 

こういう

権威のあるところが

訳語や訳文を出していると

翻訳者としてはとても助かります

 

それに従えば

間違いないわけです

 

ところが

このような新しい考え方には

日本では一般的ではない概念が

たくさん付随するもので

訳語が追い付いていかない

という現実に直面します

 

「コンプライアンス」という言葉は

今でこそ

投資界でも企業経営でも人事でも

当たり前のように使われる言葉です

 

「法令順守」などという言葉が

充てられることもありますが

「コンプライアンス」と言って

ほとんど差し支えありません

 

20年前

私が翻訳を始めるか

始めないかのころ

コンプライアンスは

まだ出来立てほやほやの言葉で

どう訳したらいいか

分かりませんでした

 

そんな言葉が

たくさんあります

 

翻訳者んとっては

ある意味

時間が解決してくれる問題ではありますが

その言葉を訳す先駆けの翻訳者になってしまうと

頭を悩ませるわけです

 

新し概念は

じゃあ、カタカナ語でやってしまえばいいか

というと

そういう訳でもありません

 

コンプライアンス

ガバナンス

 

あたりは

カタカナ語の方が

優勢な気がしますが・・・

 

一方で

同じようなタイミングで

投資や企業経営の世界に飛び込んできた

sustainabible や sustainabilityは

「サステイナブル」「サステイナビリティ」かというと

「地蔵可能」「持続可能性」の方が

優勢な気がします

 

sustainabilityの概念は

今となっては

日本の社会にも定着している概念と言って

差し支えないでしょう

 

他にもあります

 

ハチハチハチ

 

最近、

ESG投資の関係の仕事で

ぶつかった言葉があります

 

integrity

 

です

 

この言葉も

最近は投資関係の仕事で

出くわす頻度が上がってきました

 

定訳があるかというと

コンプライアンスほど

確信を持って

「これ」という言葉が

まだない気がします

 

いろいろな場面での訳語を見ても

とにかくバラツキの多い言葉です

 

完全性

誠実性

正直

・・・

 

毎回

なんとかごまかして

訳語を当てるのですが

integrityに出くわすたびに

「やっぱ、どうしよう・・・」

と、考え直すのです

 

で、

先日、

えい!とばかりに

integrityというものの定義や

概念について

一から勉強しなおそうと

資料を漁りました

 

そこで

素晴らしい出会いがあったのです

 

中山国際法律事務所の代表弁護士 

中山 達樹 先生の解説で

あらためて「integrity」というものを

深く理解できた気がします

 

関心のある方は

是非読んでみてください

コンプライアンスの代わりに「インテグリティ」を - 中山 達樹|論座 - 朝日新聞社の言論サイト (asahi.com)

 

 

 

 

 

そして

これを読んだときが

私の中で

訳語がはっきりと決まった瞬間でもありました

 

「インテグリティ」

 

「コンプライアンス」という訳語が

そのままカタカナ語で定着している今、

それと対になる概念である

「インテグリティ」も

カタカナ語にしたほうが

とても伝わりやすくなるな!

と、確信したのです

 

しかも

本当の意味での

「integrity」の概念が日本に浸透すれば

カタカナ語には

伝統的な漢字語では

取りこぼしてしまうニュアンスが

込められることになるから便利!

 

だから

きっとこの複雑な概念の訳語には

カタカナ語の「インテグリティ」が

定着すると思ったのです。

 

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