投票締切後4秒で当選確実!なんでそんな速く出せるの?という疑問について調べてみました(出口調査) | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

投票締切後4秒で当選確実!なんでそんな速く出せるの?という疑問について調べてみました(出口調査)

先日の日曜日に行われた

東京都知事選挙では

投票締め切り後わずか4秒後

NHKが「当選確実」と出して

話題になりました

 

投票を締め切ってから

4秒では

まだ1票目も

開票されていないだそうし・・・

 

なぜ

そんな早くわかる?

 

疑問でした

 

そういえば

開票速報なんかの番組でも

開票率が0%なのに

「当選確実」

なんて出ることがあります

 

不思議だったので

この「当選確実」のしくみについて

調べてみました

 

Photo by Library of Congress on Unsplash

 

 

まず

この「当選確実(当確)」は

どうやって出されるのか?

 

その基になる情報・材料には

主に3つあるようです

 

①期日前投票の事前調査

②出口調査などの当日調査

③候補者や政党などに対する事前取材

 

まあ

細かくはいろいろあるのでしょうが

大きく分けるととこの3つです

 

投票は

投票日当日の他に

当日都合の悪い人のために

期日前投票も行われます

 

私の友達も

期日前投票に行ってました

 

確かに

当日何が起こるかわからないし

予め行っておくのは

賢いですね

 

この期日前投票に行った人に対して

実際に誰に投票したか

調査をします

 

出口調査です

 

さらに

投票日当日も

同じように出口調査が行われます

 

これで

実際に投票した人が

誰に入れたかをだいたい調べます

 

もちろん

出口調査に

全員が応じてくれるわけでは

ないでしょうし

嘘をつくかもしれません

 

でも

統計学的に有意な人数に調査を行い

その結果を基に統計をすると

だいたいの予測人数が出せるのです

 

ここが統計学の面白いところで

ある一定の人数を調査すると

例えば95%の確率で

誰が当選するかを

当てることができる

というわけです

 

100%確実な予測を出そうとすると

確率統計では無理なのですが

95%ならできる

というわけです

 

例えば

1万人の人が誰に投票するかを

予想するとき

96人の人を調査すれば

許容誤差10%

信頼率95%という計算条件設定の場合

その1万人の動向を

予想できるのだそうです

 

だから

開票率がたとえたった1%であっても

1万人の動向を95%の信頼度で予測するには

100人弱の調査で十分だ

ということです

 

ここでのミソは

この調査対象が

無作為である

ということです

 

ランダムに選んだ96人でなければ

こういう統計的なことは

言えないということが

ポイントです

 

96人を調査するとき

そのうちの50人が

同じ党員とか

親戚の人とかだと

ダメだということですね

 

このように

当選確実を出すには

出口調査が必須

ということになります

 

統計的に確率を出すのだから

少ない人数を調査すればいい

とはいえ

東京都の有権者

約1144万人の1%といえば

11万人以上だから

これを調査するための

人員もすごい必要ですよね

 

大変なことです

 

期日前投票は

公示の翌日から

投票日の前日までですから

これにも

ある程度の人員を

割く必要があります

 

こんなことを

誰がやるの?

 

ってことです

 

選挙管理委員会?

総務省?

政党?

 

いえいえ

これは

公的なところがやっているものでは

ありません

 

報道機関です

 

当選確実を出すのは

公式なものでもなんでもなく

各報道機関が

選挙の速報として

出しているものです

 

じゃあ

なんで報道機関は

わざわざこれを出すの?

 

みんな統一にして

協力しあえば

お金もかからないし

競い合うこともないし

データがもっと

正確になるんじゃないの?

 

なんて

思ったこともありました

 

なぜ

報道機関が

ここまでして選挙速報を出すのか?

といいますと・・・

 

それは

 

・なるべく早く選挙結果を人に伝えるという「報道機関としての使命」

 

そして

 

・他社との競争

 

この2つの理由があるのだそうです

 

(もっと他にも目的があるかもしれませんが)

 

確かに

選挙速報や当選果実の報道は

報道機関が勝手にやってることで

公には必要のないサービスですよね

 

私たちは

開票された結果を知ればいい

それだけです

 

ですが

「人よりも早く知りたい」

という人々や

候補者たちのニーズに応えて

ということのようです

 

ですから

他の局よりも早く!

 

という要求が生まれてくるのです

 

この競争が前提ですから

統一の「当確算出システム」ということには

ならないのですね

 

報道機関の競争力を上げるには

他社よりも

早く正確に

情報を出す

ということが

かなめになるわけです

 

出口調査の精度は

統計的に算出されるので

各社の間では

差があまり出ようがないのかと

思います

 

そこで

他社よりも正確な情報を早く出すために

政党や候補者事務所に

取材をしてデータの裏付けとするのだそうです

 

ここは

記者のコネや

会社が持っている情報網の質によって

差が出てきそうですね

 

まあともかく

期日前、当日の出口調査と

候補者や政党などへの取材を基に

「票読み」をする

のが

選挙速報・当選確実出す

しくみです

 

ですから

当選確実

と出ても

票の読み方を誤ったり

接戦が繰り広げられている選挙では

当確が取り消される

ということも

ないとも言えません

 

直近では

2017年の衆議院選挙において

新潟3区で

当確が取り消された

ということがあったようです

 

過去を遡ると

取消の事例は

結構あるようです

 

今回の東京都知事選挙では

小池百合子さんが

59.70%
という圧倒的な得票率でしたね

 

事前にも予想されていましたし

当日の早い段階から

当選確実のランプは

点灯していたことでしょう

 

発表のタイミングについては

特にルールや協定などは

なさそうです

 

今回の選挙では

もっと早くから当選確実は分かっていたでしょうから

NHKが締め切り後に発表した理由は

分かりませんが・・・

 

さすがにまだ投票を終えていない人がいる中で

「当選確実」

を伝えるのは

投票者の意欲にもかかわるので

まずいだろう・・・

 

ということなのでしょうか

 

あるいは

協定があるんですかね・・・

 

ちなみに

NHKはこんな方針を発表していました

発表後のことですが

 

都知事選「当選確実」の基本方針

 

 

 

ちなみに

落選する人に投票する

とても重要な意味もありますので

仮に、

投票する前に

当確が出てしまったとしても

是非投票しましょう!

 

その理由はこちら

先日書いた記事が

参考になると思います

湯川れい子さんの「結果は見えてるからわざわざ投票に行かない」と言う人の考えをひっくり返す一言

 

 

 

とにかく

今回の当選確実の速報は

誰よりもはやく

えっ?というタイミングで

NHKが出したということです

 

東スポさんは

このNHKの素早い行動を

報じていました

 

その記事は

こちら

【速報】小池百合子氏が当選確実 わずか4秒で

 

 

 

この記事の配信時間は

7/5 20:00

となっていました

 

20:00ってどういうことすかね!?

 

ハチハチハチ

 

余談ですが

英語では出口調査のことを

 

exit poll

 

と言います

 

日本語といっしょですね

 

いや

日本語が英語といっしょ

なんでしょう

 

ちなみに

「当選確実」

に当たる言葉を漁っているのですが

これは特に言い方がないようです

 

Google先生に尋ねると

sure win

と答えてくれました

 

でも

こういう言い方は

しませんよね?

 

詳しい方

どうでしょうか?

 

出口調査について調べてみると

その発祥については

諸説があるようです

 

メディア選挙先進国の

アメリカかと思いきや

Wikipedia 先生によると

1967年2月にオランダの議会選挙で

マーセル・ファン・ダム氏が

行ったのが最初とか

 

ただ

同年11月のケンタッキー州知事選挙のときが

最初という説もあるようです

 

で、

そもそも出口調査の目的なんですが・・・

 

「当選確実を出すため」

ではないそうです

 

えっ?

 

ですよね

 

出口調査 exit poll の真の目的とは

 

・不正や選挙違反のチェック・指標とする

 

・投票者の人口動態的な調査

 

つまり

投票した理由

選挙戦・キャンペーンが成功だったか否か

などを調べるためだそうです

 

とくに

不正・選挙違反の調査

というのは

意外でした

 

最近の日本に暮らしていると

出口調査は「当確」を出すため!

勘違いしてしまいます

 

それほど

選挙に関する報道が

薄くなっています

 

ともかく、

そんな出口調査ですが

 

先ほども話したように

 

今回の東京都知事選挙のように

圧勝の場合や

多数の候補者がいるときなどは

正確な結果が出るそうです

 

でも

接戦だったり

yes/no の国民投票だったりすると

正確な結果が出づらいそうです

 

そんなこんなで

当選確実が早々に出るのは

調査のお陰であり

今回のような選挙では

下手したら

昼過ぎに出ていても

おかしくなかった

というわけですね

 

それにしても

今回の投票率・・・

 

私は

このところテレビを見ず

主にTwitterなどのオンラインメディアで

情報収集をしていたので

もっと盛り上がっていたのかなぁと

思っていました

 

結構

もりあがってきたと

思っていたんです

(勘違い)

 

投票率が下がりそう・・・

という事前の噂はありましたが

ネット上の盛り上がりを見ると

前回の投票率は

もしかしたら

上回るんじゃないかなぁ・・・と

 

ところが

前回の59.73%を

4.73%も下回ったと!

 

コロナ問題や

オリンピック問題

人種差別問題や

性差別問題など

Twitterでは

若い人たちを中心に

すごい盛り上がっていて

「投票しよう!」

と多くの人が声をかけていたので

ちょっと期待していたのですが・・・

 

まあ

日本の政治に対する熱が

上がるには

もう少し時間と

私たちの努力が

必要なようですね

 

投票したみなさん

お疲れ様でした

 

そして

これからの4年間の都政を

しっかりと見守っていきましょう。

 

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丸山のプロフィールはこちらをご覧下さい。 

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