憧れの人の発音を真似て大半の人が舌を噛んでしまった国民 | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

憧れの人の発音を真似て大半の人が舌を噛んでしまった国民

スペインの大部分では
"z" と
後に軟母音が続いた場合の "c" の発音が
英語の "th" に近い音になります

(スペイン語の話です)

いわゆる
舌を歯で挟む
あるいは
舌の先を上前歯に当てる
音です

いや、
もしかしたら
英語の th よりも
がっつり舌を歯に挟むかもしれません

以前、
テレビを見ていたら
こんなシーンがwww



Hace sol.
晴天です


というフレーズを
スペインの人たちが
発音するシーン

この発音の現象が
よくわかると思います

スペイン語の z の発音については
語学仲間との間でもよく話題にのぼり
面白がられるのですが

(仲間はスペイン語以外がご専門)

この映像を見たら
「本当だ~!」
と、感動してもらえるに
違いありません爆  笑

かたつむりかたつむりかたつむり

例えば

Gracias
ありがとう


この言葉は
ご存じの方も多いかと思いますが

これもスペインでは
「グラシアス」
ではなく
どちらかというと
「グラティアス」
のような感じ

実際には
英語のときよりも
息が多く放出されるので
Grasias
に聞こえなくもないのですが
いずれにしても
舌を噛みますwww


では
サ行はすべて
舌を噛むのかというと
そうでもなく・・・

"s"(エス)は
普通に英語の s に近い音

※実際には、英語よりも大量の息が出るので
「シュ」に聞こえる場合もあります

だから
スペインのほとんどの人は

cerrar(閉める)

serrar(鋸で切る)

違った風に発音します

アンダルシア地方や
ラテンアメリカなどでも
スペイン語は話されていいますが
これらの地域では
こういう区別がなく
すべて
英語の ”s” と同じ発音

だから
cerrar

serrar
も同じ音


慣れないと
難しいです

難易度が上がるのが

例えば
zapatos(靴)
という単語

最初の「za」は
舌を噛む「ザ」

複数を表す語尾の「s」は
普通の s の音

ごっちゃになっちゃいそうですね


地域によっては
ごっちゃになるところもあるようで
全部 z で発音してしまうような地域もあるようです

あとは
舌足らずといいますか
上手く発音できない人も
z で全部発音してしまうみたいで
これは、いわゆる「欠点」のように言われることも
あるとか

日本語で言ったら
吃音みたいなものでしょうか

ちょっと違うかな・・・

勉強不足で
確信をもっては言えませんので
すいませんあせる

別に、欠点でも欠陥でも
なんだもありませんがね

そして
zapatos
よりもトリッキーなのが
例えば

desciensión

s が2つ、cが1つあります

これ
スペインの人は
発音を区別します

ラテンアメリカなどは
しません


こんな風に
スペイン語の発音にも
地域差があります

こういう地域差を考えるのも
語学マニアとしては
楽しいところなんです

ハチハチハチ

ちなみに
スペインではなぜ
舌を噛む音があるかというと・・・

中世の時代
神聖ローマ帝国のカール5世
スペインを統治することになり
カルロス5世として王様になったとき
この王様がうまくスペイン語を発音できなかったので
それを庶民も真似て
発音するようになったそうです

今でもあることかもしれませんが
当時は
国王に対する敬意や憧れの意を込めて
話し方を真似るということが
よくあったそうです

最近の人は
王様や天皇陛下の話し方を真似る
ということはあまりないかもしれませんが
有名人の話し方や
流行りの話し方をみんな真似る
ということはありますよね

憧れの対象こそ変われども
言語学的に見て
人のやっていることは
中世も今も
大して変わらない
ということでしょうか。


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