合理的配慮でよく相談をうけるのがこれかもしれません。社内にこんな雰囲気があるとついつい切り出せなくなりますね。困っても言い出すことができずメンタル不調に、または溜めに溜めて爆発!誰だってそうなりますよね。何かが違う・・、そう「合理的配慮」の入り口が間違っています。こちらの扉は、差別や人権、労働問題の扉です。

「合理的配慮」の整理と再構築をしてみます。


(本質は建設的対話と合意形成)
・合理的配慮の本質は、建設的対話、合意形成になります。
・両者においてベースに信頼関係がないと、建設的対話、合意形成は上手くいきません。
・信頼関係が形成され、心理的な安全性が保たれていると、「配慮」の内容が自然と建設的なものになります。(むしろ提案や改善に近いので歓迎ですよね)
※信頼関係形成には1on1が有効です。

(キャリア自律との関係)
・両者が同じ価値観や目的を共有していることも重要です。それにはリーダーの説明責任(アカウンタビリティ)も重要になってきますよね。
・キャリア自律型の人材は合理的配慮の内容がよい提案や改善に近い。

※キャリア自律を引き出すためには、組織の心理的な安全性、リーダーの説明責任、対話の機会がポイントになります。

(障害の特性の部分)
・一番難しいのは障害特性への配慮になります。(わかりづらいので)
・配慮することで、生産性やウェルビーイングがどれくらい向上するかなど本人の説明責任も大事です(ヒアリングします)。
・雇用契約内容や社内ルールの変更が必要となる内容は、主治医や支援機関(できれば管理者)からの意見(可能なら書面)が有効です。(客観性や判断基準にもなります)
・場合によっては周囲の社員にも説明が必要です。「あの人だけいいな」になると組織運営の支障になります。(もちろん本人同意のもと)

※障害理解のチャンスにもなります。

(向き合う姿勢が大事)
・「合理的配慮」の表明は信頼関係形成のチャンスでもあります。しっかり言い分を聞き一緒に考える姿勢が大事です。

・無意識のうちに自分がどう扱われるかを印象付けします。また、会社・リーダーとして相応しいか試されているのかもしれませんね。

※時間をおかない対応や、フォーマルな場面設定などもポイントです。

(その他)
・対話の記録・履歴は書面で残していくことをお勧めします。
・人事、総務との連携もお勧めです。ノウハウにもなり、社内での統一した対応が必要な場合があります。
・普段使わない頭を使います。「なるほど」と思うこともあったりして担当者を成長させてくれます。
・担当者一人で考えるのでなく周囲の社員、人事、総務にも相談する。(組織が成長)
・おそらく、ワークエンゲージメントの高い職場は「配慮かわがままか」で悩まされることはない。(これは仮説)

上記は、高齢者や外国人、様々な事情や制約のある社員に共通する対応です。

さらに、一般社員も一見、画一的にみえますが実は多様で基本は同じです。