このところ、障害者や高齢者施設で虐待のニュースが増えているように思います。ネットの普及でニュースをキャッチすることが多くなったのかもしれませんが・・・

中でも気になるニュースです。

 

今年3月に虐待をした職員は自宅待機となり、その後自殺しています。今回は続報で、さらに4人の職員の虐待が明らかになり逮捕されました。理由は「注意しても聞いてくれず、イライラして殴ったり蹴ったりした」です。

ニュースによると、「普通の問題のない介護職員というふうに認識をしていた。技能実習生の方も勉強熱心で、普段からそういう姿からしか見ていなかった(理事長)」とのこと。特別素行がよくない職員でもなかったようです。3月に自殺をした職員は、むしろリーダーシップのある、なくてはならない職員だったとの同僚のインタビューも。

どこにでもいるごく普通の職員・・・

ここからは個人的な想像ですが、本来なら対応が難しい場合はケース会議で協議してチームで対応します。それでも困難な場合は事例検討で専門家のスーパービジョンを受ける場合もあります。本来の施設のもつ専門性や機能が働かなかったのは何故でしょう?そんなことを考えてしまいます。亡くなられた利用者の方はもちろんのこと、1人の職員の自殺、そして4人の職員の逮捕者、根の深さを感じます。

背景に職員の孤独や孤立があったのではないでしょうか。職員の抱える悩みをチーム担う体制がなく、さらには虐待を見かけても無関心な空気だったのかと想像します。遺族から死亡の経緯を調べる要望がなければ事件は表にでなかったことを考えるとゾッとします。主任・施設長、サビ管、理事長、理事会のガバナンスは、虐待防止委員会、第三者委員、技能実習生のケアは、職員メンタルヘルスと労働安全衛生委員会は?いろいろあっても機能していない施設が実は増えているのかもしれませんね。


なぜ機能しないのか、
先ずは経営トップの理事長の責任は重大ですが、障害者施設を取り巻く人手不足や、現場の負担が増えるばかりの障害者施策がかなり関連しています。そうなると、本事件は個別のケースではなくどこの施設でもありえることかもしれません。または既にどこかで起こってるという認識の方が正しいかもしれません。

第三者委員が入り検討するとのこと。どのような報告書が上がるか注目です。