職場での不適応という表現はあまりよくないですが、多くの支援者は普通に使っています。

今日、ちょっとそんな支援者の方を見かけたので・・・

そこには、どこか「本人の課題」というニュアンスを感じます。それが企業担当者に伝わり、上手くいかないことがあると知らずのうちに本人の側に原因を求めてしまいます。個人的には「ズレ」「ギャップ」「相互作用」といった言葉を使って、本人と環境の双方の課題であるニュアンスが伝わるようにしています。


会社内での関係性もどうしても本人と会社(上司やチーム構成員)は、「障害者×非障害者」「配慮される側×する側」「サポートされる側×する側」が前面に出てしまい、本来の「雇う側×働く側」が不明確になりそうです。これを乗り越えるためには構造的な問題を理解して、きっちり「働く側」と「雇用側」(人と組織)のエンゲージメント(「信頼」と「貢献」)の関係を形成するのがポイントです。

さらに、エンゲージメントのもとで、自立・自律、主体性が発揮できるようになると、課題を引き受け乗り越える力、チャレンジする力がついてきます。気づくと、かつてあったような課題は消失しています。不思議ですね。「いい人」は組織が育てますがその通りです。

 

定着率が低い、雇用の質の問題など、実はそれほど複雑で大変なことでなく、このエンゲージメントにこそヒントがあるように感じます。