傘寿まり子 第10巻 おざわゆき | 本に恋して❤

本に恋して❤

本が好き! 
自分が読んだ本を感想とともに残しておきたいと思いブログを始めました。

傘寿 まり子

第10巻

おざわゆき

 

image

 

おざわゆきさん「傘寿 まり子」第10巻を読みました^ ^

 

いままでの感想はこちら

 

第9巻では大部分が

商店街のファッションショーのお話しでしたが

 

終盤からはまり子さんの文芸誌で

小桜蝶子さんの本を書籍化する話しが

進んでいきます

 

 

書籍化はある出版社さんから

出版することに決まっていました

 

 

最初、私は

「まり子さんの文芸誌で出版すればいいんじゃない?」と思っていたのですが

 

まり子さんが出版できても

本屋さんに販売してもらうという

ルートがないわけですから

 

販売ルートがある出版社さんから

本を出してもらうという流れに

なるのかなと考えました

 

いまならまり子さんの文芸誌のファンや

作家さんのファンによる

 

クラウドファンディングで売るという方法も

あるような気がしますが

 

2019年発行のコミックなので

クラウドファンディングは

まだそこまでポピュラーじゃなかったかもしれないなと思いました

 

 

ところが小桜蝶子さんの本を

出版してくれるはずだった出版社さんから

取引をやめると連絡が入ります

 

出版社さんに出向くまり子さん

 

出版社さんでは最近、社長が交代

 

小説を読まない元商社マンだった

社長の息子が新社長になったため

採算が取れないという

文芸誌を刊行しないと言われてしまいます

 

困ってしまったまり子さん

 

そんなとき

以前まり子さんが執筆していた

文芸誌の編集者の斉藤さんから食事に誘われます

 

斉藤さんは

新聞で小桜蝶子さんが出版する予定だった

出版社さんの社長が変わったことを心配してくれました

 

まり子さんから

その出版社からは出版されないことを聞いて

自身の出版社から出しませんか?とまり子さんに言います

 

斉藤さんの出版社から

本を出すとなると

まり子さんを切った編集長の

文芸誌が窓口になります

 

 

「あの編集長にお願いに行かないと

いけないのか」ともんもんとするまり子さん

 

 

斉藤さんには

「いまのまり子さんの文芸誌には力があります」

「自信を持ってください」と励まされます

 

 

別の日、本屋さんに行ったまり子さん

斉藤さんが勤める出版社から出た本が

本屋さんで目立つ場所に

平積みしてある光景を目の当たりにします

 

斉藤さんが勤める出版社は実績がある…

 

 

まり子さんが担当しているある作家さんが

「ウェブは流れていく『情報』って

感じがするんだよね」

 

「紙の本は動かないもの」

「手でさわれてデバイスを通さなくても

つねに目の前にある」

 

「『形あるもの』なんだよなぁ」

「存在感がまるで違う」

と話していて

 

 

確かになぁ

私も電子書籍で本を買いますが

手元に置いて何度も読み返したいと思う本は

「紙の本でとっておきたい」と考えています

 

 

意を決して出版社を訪ねるまり子さん

 

編集長の話は他の出版社と同じような条件

 

まり子さんは自分の文芸誌で執筆している

作家さんの本全般を出版して欲しいと言いますが

売れるかどうか分からない本を

出版することはできないと言う編集長

 

話し合いの最中

ドアの外が騒がしくなります

 

何事かと外に出てみると

小桜蝶子さんの姿

 

それに気がついた社員さんが騒いでいたのです

 

しかも出版社の社長や

上層部の方を引き連れている蝶子さん^ ^

 

まり子さんも今回の話し合いに

小桜蝶子さんも誘っていましたが

「えー」「それあたいの仕事じゃなくない?」

と言われまり子さん一人で

話し合いに来たのですが

 

蝶子さんが昔の知り合いでもある

出版社男性陣に会いたくなって

連絡を取って出版社に来たというわけでした

 

社長やOBの皆さんは

蝶子さんがちやほやしてくれるから

デレデレしっぱなし

 

「今日は何の打ち合わせだ?」と会長に聞かれ

 

「あたいの新刊のよ」という蝶子さん

 

「できればうちの文芸誌の本を

すべてこちらの出版社におまかせできないかと」とすかさず売り込むまり子さん

 

「いいんじゃないか」

「出せ出せ!」

と言ってくださる上層部の方々

 

「そうですね」

「それもいいかもしれませんね」

と言う編集長

 

「えっ」「編集長…」とまり子さん

 

 

さっきは辛辣だったのに

上層部が言った途端コレ…?

 

 

「うそつきましたね?」

と編集長にいうまり子さん

 

以前まり子さんが執筆した作品が

よくなかったのに

「いいですね」

と言ったことを

引き合いに出すまり子さん

 

 

「あなたの言葉は信用できない」

と編集長に言います

 

「信用できないならなぜここに来たんですか?」と逆に編集長に言われます

 

話し合いはもの別れに…

 

 

事務所に帰って

編集者さんたちからも

「やっぱり紙の本がいいですかね」

「私、実は最近電子でしか本を買っていないんです」

気軽に決済できるし、

売り切れもない、

24時間売っていて、

専門書も海外の本も指一本

 

私もそう思ってました

 

編集者さんたちに

そう言われて悩むまり子さん

 

ある日、スーパーで買い物を終えて

ふと見ると長椅子に座って

紙の本を読んでいる小さい女の子がいました

 

「でも小さい子はまだ紙の本を読んでいる」

と思いながらよく見てみると

 

文庫本のタイトル

「七つ下りの雨」

作者「幸田まり子」

 

キャー♡こんなことあります?

あっ、マンガだった…^ ^フフ

 

その女の子に

「あの…」

「その本…あなたの?」

 

 

「おばあちゃんが書いたの」

とまり子さん

 

「えーうそー」と女の子

 

 

そりゃそうだ

 

 

「本当本当」幸田まり子

書かれた敬老パスを見せるまり子さん

 

 

カワイイ♡

 

 

「お父さんの本棚にあったの」

と言う女の子

 

 

この女の子が

とってもステキなことを教えてくれます

 

 

「本 うちにいっぱいある」

「本屋さんや図書館にない本」と女の子

 

 

「本 好きなのね」

「昔の本楽しい?」とまり子さん

 

 

「昔じゃないよ」「本を読むとね」

「そこに行けるの」「だから今なの」

「お父さんの本棚は知らない今がいっーぱい」

 

 

ここを読んでウルウルしちゃいました

 

これは電子書籍にはできない…ですね

この女の子はずーっとお父さんの本棚にあった本のことを覚えていてくれそう^ ^

 

いい話しだなぁ

 

女の子のお父さんが探しに来ました

 

お父さんを見ると

ケンカした編集長!

ではありませんか

 

 

編集長は文学青年だったと話してくれます

 

いま編集長をしている文芸誌も

その頃から読んでいて

まり子さんの本も持っていたというわけです

 

 

まり子さんは編集長に

「ぜひともうちの文芸誌の本を

出してください!」と頭を下げてお願いします

 

 

「その話は先日終わっていますが」

と編集長

 

 

「紙の本はだれでも

手に取って見られるのです」

 

「本を通じて時や人がつながる」

 

「うちの連載はそんな存在になれる

力を持つ作品ばかりです」とまり子さん

 

 

「ダメです」

「まり子さんの文芸誌は

チャレンジ作品ばかりだ」

 

「書籍化するのは賭けでしかない」

と言う編集長

 

 

「あら」

「うちの文芸誌も

ちゃんと読んでくださっているのね!」

とうれしそうなまり子さん

 

 

「あ」とうろたえる編集長

 

カ、カワイイ♡

 

 

「どうして言ってくださらなかったの」

とまり子さん

 

 

「くやしいからです」

 

「まり子さんの文芸誌は

『既存の面白いに合わせていく』

という姿勢がない」

 

「なのに面白い」

「それがくやしい」

と言う編集長

 

これって褒め言葉っていうか

最大限の賛辞♪

 

まり子さんもシンジラレナイっていう表情^ ^

 

「わかりました」

「検討しましょう」という編集長

 

ヤッター

 

まり子さんは編集長にお礼を言います

 

編集長は「ただし!」「条件があります」

 

「もっともっと売れる作家を連れてきなさい」

「うちで扱っているのが自慢できるようなラインナップを育てるのです」

そう言われたまり子さん

 

売れる作家…

 

”あの人しかいない”

以前から通っていた

進藤薫先生の家に

再度訪問

 

畦道で土下座するまり子さん

 

スゴい♡編集者魂

 

進藤先生にも

「そんなあぜ道で土下座したら服が汚れるよ」

と言われちゃいます

 

 

「でもでも」

「ぜひとも進藤先生に執筆していただきたいんです!」とまり子さん

 

 

「蝶子さんがいるからいいんじゃないのかな」

と進藤先生に言われますが

 

 

「進藤先生が加わってくださることで

うちの文芸誌は大きく飛躍できます」

とまり子さん

 

 

「そうかなぁ」

「他をあたってよ」

とにべもなく断られます

 

 

「また来ます」

と挫けないまり子さん

 

 

何度も進藤先生を訪ねます

 

しかし進藤先生も簡単には首を縦に振りません

 

 

「一度書かなくなってしまうと

それはそれで心穏やかな日を迎えることができる」

 

「もう一度あの地獄の日々に戻るのは

考えただけで疲れるんだ」

という進藤先生

 

確かに蝶子さんも書けなかったとき

「なんにも出てこない」

って言ってました

 

「こんなじいさんが戻るしかない」

「それが今の文芸か?」

「そんな文芸に未来なんかあるのか」

という進藤先生

 

”そんな文芸に未来なんかあるのか”

という進藤先生の問いに

 

 

「あります」

ときっぱり答えるまり子さん

 

「未来は私にも進藤先生にもわかりませんよ」

「だから『ある』って信じたものの勝ちです」

 

もうまり子さんったら、カッコよすぎ♡

 

進藤先生の表情も少し変わります

 

 

「明日から予定が入っていますが

終わったらまた来ますね」とまり子さん

 

 

 

ちえぞうさんと図書館にきたまり子さん

 

 

作家さんから依頼された

「資料集め」をしに来ました

 

ちえぞうさんに集めた本を持ってもらい

座って待っているように言って

まり子さんは別の階も資料探しに行きます

 

ちえぞうさんは

座れる場所を探しますが

なかなか空いている席がありません

 

空いたと思うと

すぐに別の人に取られてしまう

 

そんなことを何回か続けて、

やっと座れると思ったら

おじさんにはねとばされます

 

ちえぞうさんは

おじさんに文句を言いますが

他のおじさんに

「大きな声をだすな」

と叱られます

 

よく見てみると

たくさんのおじさんが

本も読まずに座っています

 

図書館の人に

「あの〜本借りない人がソファー占領してるんですけど」と言いに行くちえぞうさん

 

図書館の人に

「基本的に図書館の利用は自由なので

迷惑行為でない限り注意できません」

と言われます

 

数日度、

図書館に本を返しに一人できたちえぞうさん

 

ちえぞうさんはちえぞうさんを

はねとばしたおじさんが気になっていました

 

いました!

 

おじさんは相変わらず

ボーッと長椅子に座っています

 

ちえぞうさんはおじさんを誘って

外に出てラジオ体操を一緒に始めます

 

一緒にラジオ体操をしながら

おじさんは図書館に居たくて

いるわけじゃないという身の上話しを始めます

 

一生懸命働いて定年まで勤め上げ

これから好きなことを始めようと思って

カルチャースクールに通ったり

カメラを買って写真を撮ったり

ジョギングを始めたりしましたが続かない

 

奥さんは奥さんで自分のつきあいがある

 

自分の目の前にあったイベント

結婚、子育て、就職…

自分にはイベントがなくなってしまった

 

自分はどうしたらいいのだろうか

 

どこに行ったらいいのかわからなかったとき

図書館がオアシスとなりました

 

しかし図書館の椅子に座っていても

自分にはなにもない

 

「無」だけの人生

 

こらからどれくらいこの人生が続くのか

 

おじさんの話を聞いて

ポロポロ涙を流しているちえぞうさん

 

「つらかったねぇ」

とおじさんを慰めます

 

「私また時々図書館くるから

そのときはおしゃべりしよう」

とおじさんに言うちえぞうさん

 

やさしい♡

 

おじさんも泣きながら「うん」と答えます

 

 

一方まり子さんは自身の文芸誌に

執筆してくれている作家さんと

ファミレスで打ち合わせ

 

作家さんに読者さんにもっとわかりやすい文章を書いて欲しいと話すまり子さん

 

作家さんからは逆に

まり子さんが自分の作品を全く理解できていないと言われてしまいます

 

「うーん」「どうしたものか」

とファミレスを後にしますが

 

手帳がないことに気がつき

ファミレスに戻ってきます

 

そこでは作家さんがお友達を電話で呼び出し

「進藤薫を消したい」

と話しているところに出くわします

 

作家さんにはまり子さんが見えていません

 

物騒なことを言う作家さんにびっくりする

まり子さん

 

しかもまり子さんが日参している

進藤薫先生を?

 

第10巻はここまで

 

このままサスペンス劇場になってしまうの?

 

それはないと思いますが

どうやって問題を解決していくのか…

 

毎回ホントにドキドキハラハラです^ ^

 

 

 

本日はこのブログにお越しいただきありがとうございます(^_^)