以前、あるテレビ番組で教育について討論していました。
お笑いなどの芸能人、政治家、評論家、教育者などによる討論会です。
ケンカのような暑い話し合いでした。
義務教育は必要だ! 必要ない! という議論です。
義務教育不要派の意見は
「能力の高い子に、能力の低い子の遅いペースで勉強させるのは可哀そうだ!」
「良いみかんも腐ったみかんと一緒にしておくと腐る!」
などとちょっとひどいことを言っていました。
義務教育必要派の意見は、
「学校は、国語や算数などの勉強のためだけにあるのではない!」
「子供を持ったことがあるのか!」
などとかなり怒りの意見でした。
日本以外の先進国ではほとんど飛び級制度があるそうです。
例として韓国の天才少年を取材していました。
物理が得意な小学生なのですが、どんどん飛び級して大学生と一緒に勉強しています。
その子の両親は、
「この子のような天才は飛び級のような制度を作ってどんどん才能を伸ばさないと国にとって損失です」
と言っているし、その子自身も
「天才として扱われるのは嬉しい」
と言っていました。
でも、趣味は子供らしく消しゴム集めなのです。
この子自身も本当に幸せなのでしょうか?
いくらなんでも大学生と付き合うのはむずかしいように思えます。
身体も違うし、興味も違うし、経験も違います。
学校には成績の良い子やまじめな子のジャマをしたり、
いじめたりする悪ガキも必ずいます。
「そんな連中にジャマをされるのは可哀そうだ!」
というのは分かります。しかし、そういう人達も含めて世の中です。
そういう事も分からないまま、ただ勉強だけできる人が
世の中の上にたってやっていけるとは思えません…。
養老孟司先生は、
「人間の能力で最も優れている能力は人の気持ちを解る能力だ」
と言っています。
学校は勉強だけを学ぶところではないのではないでしょうか。