若いころ、何もしらなかった私は、醤油の価値をまったく分っていませんでした。
ただ料理に適当にかけたり、味が薄い刺身につけたり、なんとなく使っていました。
「醤油は塩分の摂り過ぎになるからやめた方が良い…」
などよく言われ、醤油はなんだか悪いもののように思っていました。
ところが、今は
「醤油って最高だな~、日本に生まれてよかったな~」
と思っています。
お刺身やお寿司に使える調味料って醤油くらいしか無いですよね!
たんぱくで上品なお刺身の味を消さないで、いっそう引き立ててくれる調味料です。
お刺身にソースとかケチャップをかけたらどうなると思います?
そんな醤油ですが、同じ本醸造と書かれていても値段が
1L―700円~1L―2000円と倍以上の差があります。
『食品の裏側』の著者 阿部司氏によると、本醸造といっても、
昔ながらの自然の気温の中で長い時間をかけて醸造する
「伝統的な醸造」と「速醸」の2種類があるそうです。
スーパーなどでお手頃価格で買える丸大豆本醸造醤油は
この速醸方式で作られているものが多いそうです。
伝統的な醸造醤油は、時間をかけて発酵・熟成するため、
酵素や乳酸菌がさまざまな身体に良い物質を生み出します。
これが醤油のコクやうま味や風味を作り出してくれます。
また、味だけでなく、生臭さを消すような消臭効果もあるそうです。
味を比較するのにテイスティングがおすすめということなので、
15㏄の醤油をぬるま湯で10倍に薄めていろいろな醤油を試してみました。
市販のお弁当についてくる醤油や納豆についてくる醤油などと
「伝統的な製法で作られた醤油」も試してみました。
今は醤油といってもいろいろなものがあます。香料を使っているもの、
やけに甘い醤油、出汁の入った醤油もあり、正直、
本物が分らなかった人もいました。
サービスについてくる醤油や安い醤油の方は後からだんだん
「おいしくないな~」という感覚がこみ上げてきました。
10倍に薄めたとはいえ醤油だけを飲んだのは初めてです。しかし、
伝統的な製法で作られた醤油は「もっと飲みたい」という感覚になりました。
確かに醤油を単なる味付けという位置づけでは、値段が安い方を選ぶという選択肢
もあるかもしれません。しかし、醤油はそんなに量を使うものではありません。
おいしい食材をよりおいしくしてくれて、身体にも良い成分であることを考えると、
『伝統的な製法で作られた醤油』の文化は大切にしたいですね。