ダマスカスに住んでいた頃、母が訪ねてきた。
私の母は、旅行好きで
私の留学先には、休暇を利用して必ず遊びに来た
エジプト然り、シリアもまた然り。
エジプトの時は、エジプト国内をいろいろ回ったのだけど
ダマスカスに来た時、彼女は是非とも死海に行ってみたいと言った。
死海はお隣の国ヨルダン(或いはイスラエル)にある。
「近いんだから良いじゃない」という訳だ。
シリア国内にだって、いろいろ見るものはあるんだけどね、
と私は思った。
けれど、勿論日本からはるばるシリアまで来るなら
『近いんだから』死海に行ってみたい
と言うのも理解できる。
しかし、彼女の滞在期間はそれほど長くない。
斯くしてダマスカスからタクシーで死海に日帰り旅行なんていう
強行軍プランが出来上がった。

ところで母は仕事の都合上
夏にしか海外旅行はできなかった。
それも8月。
私たちが死海に行った日、最高気温は50度を記録した。
死海のヨルダン側に行ったので、
設備といえばコンクリートの簡単な更衣室と
海の家よりも簡素なシャワーがひとつだけ。
確か、冷房の効いたレストランもあったと思う。

とにかくじっとしていても暑い。
タクシーも暑くて触れないほどの暑さ。
エジプトに3年半も住んで、
エジプト以外にも近隣諸国をあちこち旅行して、
夏の沙漠を体験したことだってあったけれど、
それは私にとってそれまでの人生で体験した最高気温だった。
死海の水も、ぬるま湯と化し、
全然涼を取るどころじゃない。
風が吹いても、熱風だし。
それでも、折角だからと、水面でフワフワと
暫く浮遊感覚を楽しんだけれど、、、。
結局暑さに耐え切れず、2~3時間くらいしか滞在しなかった。
また冷房の効いたタクシーに戻った時はホッとした。

何でこんな事を今ごろ思い出しているかと言うと、
11月に入って段々寒くなってきたから。
暖房をケチって着膨れ状態でいると、
あの時の死海の暑さにすら憧れてしまう。
ダマスカスでも冬は寒かったけどね。



今までで一番圧倒された星空は、
10年前エジプトのファラフラ・オアシスで
夜明け前に見た星空だった。

多分今ではホテルも幾つか建って
様子も大分変わっているのだろうと思うけど
私が初めてファラフラを訪れた時は
バス道路沿いにホテルとも呼べないような宿泊施設があったきりだった。

白くて四角い、豆腐みたいな建物には
部屋が確か8つ程あったような気がする。
私と友達が泊まった時は、私たち以外に客もいなかった。
食事をする時は、ちょっと歩いた先にある
バス停をかねた休憩所のような
これまたこじんまりしたレストラン。

翌日バハレーヤ・オアシスで
別の友達グループと合流する予定だったので
ファラフラでは一泊しただけだった。
丁度冬時間から夏時間に変わる時で
朝6時のバスに乗ることになっていた。

朝目が覚めたら、真っ暗だった。
当時ファラフラでは夜間は電気の供給がなかったから。
手探りで着替えて、
バスを待つことにした。

待っている間に、そのホテルの
2階への階段を上ってみることにした。
その時初めて、踊り場にある窓に
窓ガラスも入っていないということに気付いた。
そして階段を上りきると、そこは屋上だった。
つまり、階段はあったけど2階はなかった。

その時、その星空を見た。
真っ暗闇の中で星が降ってくるような、そんな星空だった。
圧倒されて、直ぐには言葉が出なかった。
あまり星が沢山見えすぎると
星座も天の川も
却って見えないんだと思った。

あの後バハレーヤで友達と合流して、
白砂漠や黒砂漠にも行ったけれど
あれほどの星空は見ることができなかった。

そしてその1年後の同じ季節に
再びファラフラを訪れた時には
立派なホテルが建っていて、
より近代的な発電所ができていて、
夜になっても、街灯からどんなに離れても
「真っ暗」にはならなかった。
そして星空も、同じようには見えなかった。

あれ以来、イロイロと他の砂漠にも行ったし
ヨルダンのワーディー・ラムでも夜明かしまでしたのに、
やっぱりあの時ファラフラで見た星空に
匹敵するようなものはなかった。
もう一度、あんな星空を見たいなぁ、、、。
昨日まではインティアン・サマーならぬ
ゴールデン・オクトーバー、金色の10月だったのに、
それも昨日限りだったらしい。
ここ2週間ほど雨らしい雨も無く、
本当に快晴続きで、秋晴れを楽しんでいたのに、、、。

これから日もどんどん短くなっていって、
暗くて寒い、じめじめした冬が足早にやってくるような気配。

なんて考えて外を見たら、
あぁ、既に雨が降り始めていた。
何だか肌寒い、こんな雨の日は
湯たんぽを膝に乗せて
カフェオレを作って、
好きな音楽でも聴きながら、
ずっと後回しにしていたことをするのが良いかもしれない。

とは言え、先ずは卒論が先だね。
あぁぁ、、、ちゃんと終わるのだろうか。
秋って段々日が短くなるせいか、
ついつい月をじっくり眺めてしまったりします。

公園や庭を枯葉がどんどん埋めていって、
一見栗みたいなマロニエの実がころころ光っていて
それはそれで風情があって好きですが。

ところで、月見草がドイツ語では
Nachtkerze、直訳すると夜のロウソク
っていうのは、
確かに、暗い中でボーっと黄色い花がゆれてる感じが
ロウソクみたいで分かるなぁ、
とネーミングに感心しました。

気持ち的には、月見草とか待宵草という名前の方が
叙情的だとは思うけれど、
それはきっと文化の背景が違うせいかなぁと
ふと考えてみました。
8月の下旬から9月の半ばにかけて
ワインを作っている地方のあちこちでワイン祭りが開かれる。
町の広場にワイン製造元ごと出店が出て
ワインの飲み比べができる。
ワインが好きな私には、たまりません。
レストランでオーダーするよりも少量が頼めて、
そして価格もお手ごろだ。

ワイン以外にも、食べ物の出店も出る。
いかにも手作り、という感じのソーセージやハム
チーズなんかを売っているものから、
普通のグリルソーセージをパンにはさんだだけ
という定番のスナックまで、いろいろだ。
時間に余裕があれば、近場のワイン祭りを制覇してみたい。
今年は無理だけど。