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1.酵素とは?
酵素とは、体の中で起こっている化学反応に関連する必須タンパク質です。食べ物の消化や吸収、代謝など生命を維持するために必要なあらゆる活動に使われています。
酵素と一口にいってもさまざまな種類があり、人の体には、およそ5000種類の酵素が存在しています。
それぞれの酵素には決まったはたらきを持っており、例えば、脂質を分解する酵素は脂肪を分解できますが、タンパク質やでんぷんは分解できません。タンパク質やでんぷんを分解するには、別の酵素が必要になります。
食べ物を胃で消化したり、栄養を吸収したりするためには酵素が必要です。しっかり代謝が行なえず、体調を崩す可能性があるため、注意が必要です。
酵素は、遺伝子の情報が基本になって作られ、年齢を重ねると酵素の量が少なくなります。
食べ物を消化するためにはエネルギーが必要になるため、消化しにくい食べ物は胃腸の負担になります。
特に消化や代謝の能力が衰えがちな高齢者は、胃に負担をかけないように食事の量や食生活の見直しを心がけましょう。
2.酵素のはたらき
ここからは、酵素が与える代謝と消化への影響について解説します。
2-1.体内の代謝
酵素のおもなはたらきは、食べ物を胃で消化し、吸収して得られた栄養素からエネルギーを作り出すことです。
さらに、体に取り込まれた悪い物質を処理して、尿などで体の外に出す役割もあるほか、正常な体の成長や免疫反応、身体機能のコントロールなどのはたらきもあります。
2-2.消化酵素について
酵素にはさまざまな種類がありますが、なかでも重要な役割を果たすのが消化酵素です。
消化酵素には、以下3つの種類があります。
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・タンパク質を分解するプロテアーゼ
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・でんぷんを分解するアミラーゼ
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・脂質を分解するリパーゼ
プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解します。プロテアーゼのなかにはペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどの消化酵素のほか、パパイヤに存在するパパインやパイナップル由来のブロメラインなど、多くの酵素が存在します。
アミラーゼはでんぷんをブドウ糖に分解し、リパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解します。
3.酵素の特徴
酵素は、どのような状況でも十分にはたらくわけではありません。ここでは、酵素の特徴について解説します。
3-1.熱に弱い
酵素は熱に弱いタンパク質でおもに構成されているため、熱に弱い特徴があります。過熱すると酵素のタンパク質構造が変わり、酵素本来のはたらきが損なわれます。
3-2.特定の環境でのみ作用する
特定の環境でしか作用しないのも、酵素の特徴です。
酵素は人や動物の体内ではたらくため、35~40度の環境でより活動的になります。
また、各酵素は活発になるpHが異なるため、ある一定の範囲の条件下でなければはたらきません。pHとは、酸性かアルカリ性かを0~14の数字で示す指標のことです。pH7が中性を示し、数が小さくなるほど酸性に、大きくなるほどアルカリ性になります。
多くの酵素は、pH7.35~7.45の中性に近い状態で活発に作用します。ただし、胃酸によって強い酸性になっている胃の内部で機能するペプシンは、pH2という低い条件下で活発にはたらきます。
健やかな体を維持するために酵素の特性を理解しよう
酵素とは、食べ物の消化や吸収、代謝など、体内で起こるあらゆる反応になくてはならない必須タンパク質です。
酵素にはさまざまな種類があり、人の体には約5000種類の酵素が存在しています。
酵素には、それぞれに特定の性質を持っているのが特徴です。例えば、タンパク質を分解する酵素は、でんぷんを分解できません。
また、酵素のはたらきはpH値によって左右されます。さらに、タンパク質がおもな構成要素である酵素は熱に弱く、加熱すると酵素のはたらきは失われます。