【前記事】
2014東方神起「WITH」アルバム考察 前編
8 Chandelier
Chandelierは「帰る場所」を見つけた「僕」の歌で、その設定だけでもぐっと来るんだけど、一般的な読まれ方とは別に、<東方神起>というアーティストとその<ファン>の関係を物語る曲でもある。
「僕」はずっと「君」の側にいる訳じゃないんだけど(笑)、「君」という帰る場所があるから「遠くにいても 迷わないだろう」、「”待っていて”なんてきっとわがままだけどね 約束なしじゃ 生きれないよ」と思っている。
家の窓の明かりは「家族の証」、その温かく素朴なイメージの光が、なんでシャンデリアなんだろう、と最初に聴いた時ちょっとひっかかっていました。シャンデリアってちょっと豪華で絢爛たるイメージだから。
candle lightでも音は合うし、Chandelierに何か他に意味があったかなあ、と調べていて色んな画像でChandelierを見ている内に、あ、そうか!と思ったことがありました。
それはChandelierってたくさんのろうそくの光を集めたものだっていうこと。一つのろうそくじゃなくてね。
たくさんの光を持っているもの、それはまさに<ファン>じゃないか、と。
そうひらめいた瞬間、歌詞の世界がより鮮やかに立ち上がって来て、胸に迫るものがありました。
”今日までの道は 決してラクなことばかりではなかったけど今では
その出来事が 僕らの愛を強くしたよ 二度と泣かないように”
<東方神起>の「今日までの道」を考えた時、韓国でデビューしてすぐに人気絶頂になったのに、日本デビューで多くの時間を外国での生活に費やさなければならなかったこと、怪我、事故、ボンド事件を始め、分裂騒動、再始動への風当たりなど、いろいろな「ラクではないこと」が思い浮かぶけれど、その中で<ファン>が最も恐ろしい敵になった時もあったんだよね。
私はそういうファンとは違う、私はずっと2人を応援しているし、彼らをそういう奴らから守れる存在なんだ、と、彼らを傷つけた<ファン>を、自分とは無縁の存在なんだ、という風には、私は思わない。
熱狂的に愛することは、常に憎悪や無関心とも紙一重になることだから。
私の中にもたぶん、いつなんどき、愛した者を傷つけたくなったり、否定したくなったり、非難したくなるような気持ちが隠れてる。かつて自分が<東方神起>を離れていった3人に対してそうだったように。
それでも人をスターにするのはファンの愛だと、スター自身が思える時、どれだけそこに祈りのようなものが込められているんだろう。
曲は、2人のハーモニーを響かせながら、優しく優しく語りかける。
You are my chandelier. ”君らが照らしている場所に、僕は帰るんだ。”
ピアノを中心としたシンプルな楽曲だけど、2人のハーモニーが聞かせどころとして活かされた曲で、アカペラコーラスから、デュオとなった東方神起の、一つの到達点だと感じられる曲。
9 Baby don't cry
この曲は、シングルTime works wondersのカップリングとして初聴き。Time works wondersの後で聴く、という構成だった時から思っていたんだけど、この曲ってバラードの後に来るのに、ものすごく相性のいいリズムとメロディを持っている気がするんだ~。
止まっていたものを、軽やかに動き始めさせるイメージっていうのか。ギターのッジャ・ッジャ・ジャッジャッジャッって感じのリズムの繰り返し、ドラムもほとんどリズムパターンが変化せずAメロからサビまで一定なのが、軽やかに感じる。あれが気持ちいいんだよね。
ちょっと気持ちが落ち込んでいる時とかに聴くと、「とりあえず、歩き出そうよ」って言われているような、そんな感じ。高音が続いてユノには苦しそうだけど、声を上げる時の、ちょっと抜ける感じの声の出しかたが、私は好きだな(笑)。
10 Answer
この曲は、クラブ系の打ち込みダンスサウンドって感じで、発聴きはSWEAT収録カップリング。若干、このアルバムの中で異質な感じもする。
声もけっこう部分的に加工されていたり、間奏が長めにとってあって、最初からダンスパフォーマンスと組み合わせて披露されることが前提にある曲だと思います^^
11 Calling
今回、何がいいって、こういうメロディ重視の曲が、アレンジも含めて聴かせるって所だね。アレンジャーは井上慎二郎さん。プレイヤーとしてギターでも参加。
すごくドラマチックなスケール感のあるアレンジで、ドームのような広い会場によく合いそうな一曲です。
Spinningがアルバムの派手でアクティブな面をアピールする、”リード曲”としての位置を持っているとしたら、Callingは、歌手としての東方神起の力量を見せつける一曲。
3拍子的なリズムがこの曲をテンポよく盛り上げていく。ピアノの速弾き3連譜が序盤からサビ、最後に至るまで休むことなく続き、最後の「Fu-u」でようやく止まる。Believe in Uも同じように”3”のリズムを感じる構成だったから、今回井上さんの中での”流行”だったのかなーと推測(笑)
基本はチャンミンがメイン、ユノがハモリパート。
後半に向けて、2人のコーラスが重なり合う所は圧倒されます。ものすごく盛り上げておいて、最後静かにハモリながら曲を終わらせる。
最後までしっかりヴォーカルの魅力を堪能させる、素晴らしい1曲。
12 Sweat
東方神起恒例夏曲としてリリースされたSweat。オシャレなダンス曲として仕上げられたジャズナンバー。
TREEコンでも披露されたけど、2度目となるWITHでの披露は、ブギウギVerとかアレンジを変えてくれたら面白いんだけどなー。
この曲は、歌詞の韻の踏み方が曲に合っていて、随所随所で気持ちいい。
「swingでレイトショー 何度もリプレイでしょう」とか、「賛否両論空論SOS クレーム炎上 今日もSweat」とかね。
寒い時期のライブツアーになるけど、会場を「真夏」にさせるような熱いノリが期待されます^^
13 Special one
この曲、シャウト気味に歌いだす2人の声に、最初意表をつかれる(笑)。こういう歌い方もするんだね~~。
それと曲の終わり方も、すごく意外性に満ちてる。
いわば、入り口と出口で違った印象を持たせた曲だと思う。
カッティングが効いてるギターのリズムに、シャウト気味に歌ってからんでいくヴォーカル。2番は同じ部分をラップにしたり、笑い声をいれたり、ノリを大切にして、歌そのものがダンスしているような賑やかさを感じます。
そのまま終わるのかと思うと、終盤で意表をつくリフレイン。
陽気なファンキーソウルナンバーが、繰り返すフレーズのひとつ We are We are one。
最後はテンポをぐっとスローにして、それまでとは打って変わってメロウな歌い方のハーモニーで終わる。
"Remenber We are We are one Remenber"
”忘れないで、僕らはひとつだ。覚えていて。”
歌詞としては、一度も出てこないタイトル・ワード”Special one”が、余韻の中で浮かび上がってきて、グッときちゃう。
そんな小さな”仕掛け”のある曲。
14 With Love
アルバムタイトル曲のような位置づけで、最もアルバムのコンセプトやメッセージ性とつながる曲・・・ということで、若干身構えて聴くところのある曲なんだけど(笑)、最初に聴いたとき、アコーディオン風の音に意表をつかれました。そう来たか(笑)。
2人の声がよく調和していて、まさに「ふたつの声にひとつのソウル(refuse to lose)」
ユノがインタビューで「東方神起のライブは、お客さんと東方神起とで作るものだから~」という話をしていたけど、今回はこの曲を一緒に歌おうっていうんだな?と、ファンならピンとくる一曲です(笑)。
曲は後半のla la laで尋常じゃなく、映画のエンディング並みに盛り上げていて、ふつうに聴いていると、ちょっと違和感もあります(笑)。
でも、ライブで実際に聴く時には、感極まっちゃってるだろうから、これくらい盛っていた方が気持ちにはぴったりくるのかもしれないなー。
出だしの歌詞「風流れる道に 長い影を伸ばしていく」という部分と、レトロな音がなんとも言えない郷愁を誘います。ユノの歌い方がとても丁寧で、そっとやさしく発音されていく日本語の響きがいい。
中盤あたりから徐々にこみあげる気持ちをぶつけるような、チャンミンの歌い方。
バラードの中の<静>と<動>の部分を、2人で一つの曲として表現している感じが、すごいよね。
もはや外国人が歌う日本語曲、という域ではなくて、ほんとうに「気持ちを歌う歌」になっているなあと感じます。
作詞作曲編曲、井上慎二郎氏。東方神起の内なる<メッセージ>を表現する役割を担うのは、やっぱりこの人なのかなあ。
思えば、5人の東方神起の活動休止後、3人が東京ドームで歌う曲として、3人が5人で再びやれることを望んでいること、その気持ちを歌にしてほしいと直接メンバーに言われて、「君を待っている」「君の居場所を守っている」という言葉を軸に「W」を作詞した井上さん。
当然その時の反応には、「3人こそ”東方神起”から出て行ったはずなのに、待っているだなんておかしい」という「辛辣な意見」(by井上慎二郎さん)もあったし、3人寄りと思われる中で、
2人の東方神起が復活したあとに発表した、「急にこの世界が昨日と違ってても 君がいればそれだけで奏でられるDuet/複雑な現実も予想できない筋書きも ふたりでいればちっとも怖くなんかないから」という歌詞のDuetを、井上さんが作ることに、ファンからの非難もあった。
それでも ユノが泣いてしまって、本当に歌詞通りになったWeep(作詞井上慎二郎)のように、いつからか、「東方神起」の内面の「ことば」や「思い」を表現する人として、東方神起の楽曲制作陣になくてはならない人になったんだろうなあ、と思います。
彼の作詞はストレート過ぎて、私には物足りなさを感じることも多いけれど、シンプルで誰にでもわかりやすい。2人が歌いながら気持ちを音に乗せていくのに、とても歌いやすい「ことば」を選んでくれる、そんな存在なのかもしれません。
15 Christmas is Loving
大人っぽいジャズバラードによるクリスマスソング。
クリスマスの賑やかなパーティが終わって、夜眠る前にホットワインとか、氷砂糖を一つ二つ溶かしたホットウィスキーとか、まあお酒ばっかりだけど(笑)、温かいお酒を飲んで夜の余韻を楽しむ、そんな時間に流したい曲。
英語部分も多い歌詞構成だけど、最後のチャンミンのささやくような”Coz snowflake, Red socks,Present and Candle Christmas is loving ”が引き込まれます。そして最後の”your smile”というハーモニー。このあたりでとても幸せな気持ちになる。
東方神起のクリスマス曲は色々あるけれど、今年はこんなジャズバラードを流してみるのも素敵かもしれないね^^
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最後に。
T1STORY海外公演も順調ですが、私の週末トップネタはアルバム「WITH」でした(笑)。聴いていると、とにかく2人の歌い方がまた新しくなっていることに気づくし、TOHOバンドの面々が浮かんでくる時もあって、「あー、これはライブでの楽しみが増えた!」って思うことも。
Refuse to loseのたたきつけるようなピアノとか、後は録音で済まさないなら、Callingのピアノはカキヤンを、太いベースラインを聴くとカズさん(になるか??)を、Special oneやDIRTのような曲は近田さんを、それぞれどうやって魅せてくれるかなあってつい想像しちゃう。
金管楽器を使った曲がこれだけ多いなら、地味に値上げしたことだし(ええまだ根に持ってます)、金管楽器奏者も呼んでくれないかなーとか。
ユノの高音の歌い方、シャウトするような力強いラップ、鼻に抜けるちょっと色っぽい声、男っぽい低音、チャンミンのハイトーン、少し遊ぶような歌い方、男っぽいラップ。
色々な表情が楽しめて、それでいて、最後には2人の声が一つに重なる美しいハーモニーがしめる。
これが今の「東方神起」だ!と感じさせる、楽しいアルバムでした。
日本の年末歌番組で彼らを見ることは今年もないけれど、MBC歌謡大祭典には2年ぶりに出席が決まっているし、そこでのSMアーティストとの豪華なコラボや、単独パフォーマンスを楽しみにしたいです^^
最後におまけ。先週一週間、寒波で北海道・日本海側を中心に雪の被害も多くありましたが、名古屋のゆのっくまさんがブログで紹介していた雪だるまが、あまりに可愛かったので^^
ゆのっくまさんのブログ「久々に・・・」からお借りしました。⇒http://ameblo.jp/u-knowtime-max/entry-11966644227.html
雪だるま神起~~♡♡♡ 可愛すぎる(笑)(笑)雪で暗いニュースも多い中、ちょっとなごんだ、ゆのっくまさん作成の可愛い雪だるま神起でした。雪の中でも咲き誇るシクラメンのピンクも素敵。
雪の被害が深刻な地域にお住まいの方もいらっしゃるとは思いますが、事故に気を付けてお過ごしくださいね。
17日リリース日には、山野さんから最後の一枚を入手して、無事、紙の背表紙も完成★
OCEANのこのVer気に入ってたんだけど・・・(笑)
これに変更。
うーん一気に爽やかさが消えちまったゼ(笑)でも、色彩のド派手さが目を引いていいと思います(笑)
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