メカキーとスマートキーの逆転 | 鍵のハニカム★スター 鍵のいらない世界を目指す、ちょっと危ない鍵屋のブログ

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《福岡県 某所 平成5年 イスズ エルフの鍵作成》

今年初めて車のエアコンを使いました。

しばらく経っても一向に涼しくならず。

ん? なんか熱風が出てね?

ヒーターになっとるやん。

この時期ありがちなミス。

ヒーターとクーラーの逆転。

さて、車の鍵作成界隈でも逆転現象が起こっています。

メカキーとスマートキーの逆転。

今回はある鍵屋さんが撃沈されたそうなのでリカバリー出動です。

その鍵屋さんは車専門の鍵屋さんらしく、スマートキー登録の技術は有しているとの事。

でも、イモビライザーもセキュリティーも入っていない古い車のメカキーが作れないそうです。

令和2年のヤリスクロスのスマートキーが作れて、平成5年のエルフのメカキーが作れないという逆転現象。

最近このような現場によく当たります。

その鍵屋さんはキーNOから鍵を作ろうと頑張ったそうですが撃沈。

どれどれ、イスズか、君にはまだ早い、ブハハ。

と、ヤリスクロスを外注している奴がゆ〜とります。

 

古いイスズのNから始まるキーNOをインスタコードで検索すると、M348を使えと表示されます。


でも指示通りにカットしても回らない。


なぜ回らないのか?


M348では鍵足が長すぎてピッチずれを起こす。


なので先端を2mmほどカットする。


そうする事で鍵足が短くなり先端合わせが、肩合わせになる。


肩合わせになる事でピッチが合う。



↑ノンカットのブランクキーに先端をカットした鍵を重ねた図。


キーNOから作成したのに回らないのはコレが原因。


次に適切なサイズのブランクキーにカットし直します。



M391が無加工でジャストサイズ。


M391はインスタコードには出てこない。


M348で回らない時は、先端を2mmカットするか、M391でカットし直すか。



今回のようなピッチずれによる失敗の怖いところは「段差は正解」だという事。


「回らないのは段差が間違えている」と思いがちなので、段差を修正しようと思います。


せっかくの正解をあえて崩すのですから、底無し地獄にハマります。


同じようなピッチずれ案件がスズキでもあります。


昨今ではコンピューターマシン任せなので、データに無い事が起きると対処できなくなります。


手彫りのコードマシーンを持っていない鍵屋さんも多くなって来ていますので、イレギュラーな事が起きるとハマります。


最近の車は商用車や軽トラックを除いて、ほとんどの乗用車はプッシュスタート式のスマートキーです。


なので新しく参入した鍵屋さんからすれば、メカキーよりスマートキーの方がメインの作業となります。


だから最新のスマートキーは登録できても、旧車の鍵はできないという現象が起こるのです。


しかもスマートキー案件の方が利益率が良いので、メカキーは捨てても良い。


鍵屋さんにも色々なスタイルがあるので「スマートキーだけでメカキーはやらない」逆に「メカキーはやるがスマートキーはやらない」など様々です。


ちなみに当店のスタイルは「やれるもんは全部やる」です。


コンピューターマシンが駄目ならコードマシーン。


コードマシーンが駄目ならミーリングマシーン。


ミーリングマシーンが駄目ならヤスリでインプレッション。


スマートキーも色々やって駄目なら最後は相棒にヘルプ要請をします。


鍵開けでも作成でも複案を持って臨む事が完遂率を上げる策です。



散々メカキーを作成してきたので、スマートキーはできるのにメカキーができないのは不思議な感じがします。


どちらも車の鍵ですが、両者は全く違う技術を用しますので、どちらかに偏るのも仕方ありませんね。


イモビランプが「フッ」と消える瞬間もいいけど、イグニッションが「カツン」とONになる瞬間も脳汁パナイよね。


でもやっぱり僕はテスターでピコピコやるより、ハンドメイドの方が好きだなぁ〜。


また1980年ランチャーデルタとかこね〜かなぁ〜。


1991年V12ジャガーXJでもいいなぁ〜。


どちらも難易度MAXなメカキー。


データもマシンも通用しない、己の腕のみで作るメカキーが好きなのであります。