0120557199
古いイスズのNから始まるキーNOをインスタコードで検索すると、M348を使えと表示されます。
でも指示通りにカットしても回らない。
なぜ回らないのか?
M348では鍵足が長すぎてピッチずれを起こす。
なので先端を2mmほどカットする。
そうする事で鍵足が短くなり先端合わせが、肩合わせになる。
肩合わせになる事でピッチが合う。
↑ノンカットのブランクキーに先端をカットした鍵を重ねた図。
キーNOから作成したのに回らないのはコレが原因。
次に適切なサイズのブランクキーにカットし直します。
M391が無加工でジャストサイズ。
M391はインスタコードには出てこない。
M348で回らない時は、先端を2mmカットするか、M391でカットし直すか。
今回のようなピッチずれによる失敗の怖いところは「段差は正解」だという事。
「回らないのは段差が間違えている」と思いがちなので、段差を修正しようと思います。
せっかくの正解をあえて崩すのですから、底無し地獄にハマります。
同じようなピッチずれ案件がスズキでもあります。
昨今ではコンピューターマシン任せなので、データに無い事が起きると対処できなくなります。
手彫りのコードマシーンを持っていない鍵屋さんも多くなって来ていますので、イレギュラーな事が起きるとハマります。
最近の車は商用車や軽トラックを除いて、ほとんどの乗用車はプッシュスタート式のスマートキーです。
なので新しく参入した鍵屋さんからすれば、メカキーよりスマートキーの方がメインの作業となります。
だから最新のスマートキーは登録できても、旧車の鍵はできないという現象が起こるのです。
しかもスマートキー案件の方が利益率が良いので、メカキーは捨てても良い。
鍵屋さんにも色々なスタイルがあるので「スマートキーだけでメカキーはやらない」逆に「メカキーはやるがスマートキーはやらない」など様々です。
ちなみに当店のスタイルは「やれるもんは全部やる」です。
コンピューターマシンが駄目ならコードマシーン。
コードマシーンが駄目ならミーリングマシーン。
ミーリングマシーンが駄目ならヤスリでインプレッション。
スマートキーも色々やって駄目なら最後は相棒にヘルプ要請をします。
鍵開けでも作成でも複案を持って臨む事が完遂率を上げる策です。
散々メカキーを作成してきたので、スマートキーはできるのにメカキーができないのは不思議な感じがします。
どちらも車の鍵ですが、両者は全く違う技術を用しますので、どちらかに偏るのも仕方ありませんね。
イモビランプが「フッ」と消える瞬間もいいけど、イグニッションが「カツン」とONになる瞬間も脳汁パナイよね。
でもやっぱり僕はテスターでピコピコやるより、ハンドメイドの方が好きだなぁ〜。
また1980年ランチャーデルタとかこね〜かなぁ〜。
1991年V12ジャガーXJでもいいなぁ〜。
どちらも難易度MAXなメカキー。
データもマシンも通用しない、己の腕のみで作るメカキーが好きなのであります。