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僕好みの依頼が来ましたよ。
先発の鍵屋さんが撃沈、それを聞いて早々に退散した2番手の鍵屋さんからの依頼です。
3番手か・・・まぁいいだろう。
このような状況で僕に回ってくる仕事は、難しい作業である事は確定です。
鍵屋さんが開けれない鍵を開けに行くんですからね。
さあ、車か? 玄関か? はたまた金庫か?
・・・机。
ムハハ! 机をなめんなよ、机を!
事務所でよく見る、デスクの脇に設置された、3段式のキャビネットです。
どうやら鍵を閉めた状態で、鍵を引き出しの中に入れたまま「バタン」と閉めてしまったようです。
うむ、コレが先発の鍵屋さんが1時間以上粘って開かなかった鍵か・・・
相手にとって不足無し、いざ参らん。
・・・3分経過・・・スコン
あら、開いてしも〜た。
撃沈された鍵屋さんがこのブログを見ているかは分かりませんが、なぜ開かなかったのか?
レーキングで開けようとしたからです。
コクヨのリバーシブルキーは、開く奴は瞬殺ですが、レーキングで開かない奴は、とことん開きません。
段差を見ましたか? 見て無いでしょう?
このデスク錠は一番奥から ①③②①○ の5枚タンブラーです。
レーキングでは一番奥の①を、Jピックで押さえられません。
なのでピッキングで開ける必要があります。
ただし、これも簡単ではありませんよ。
ストレートピックで、どのように一番奥の①を押さえるか?
ここで奥義、逆ピッキングが炸裂します。
まず、テンションを強めにかけて、全てのピンを押さえます。
そこから、徐々にテンションを緩め、奥の①を残したまま、残りのピンを解放します。
奥の①をピックの先端で押さえたまま、テンションを緩めるのがコツです。
奥の①さえ決まれば、後は目をつぶってでも開きます。
机の小さな鍵だと思って、なめとったらいかんよ。
僕がどんだけ机の鍵とたわむれて来たか、君には分かるまい、ブハハ。
僕はこの机の鍵を必ず開ける自信がある。
なぜなら、ピッキング技術もさる事ながら、僕には更に、インプレッション鍵作製解錠と言う究極奥義があるからだ!ムハハハハハ!!
デスクやキャビネットの、両側がギザギザのリバーシブルキーは、高級車の解錠より難しいですよ。
車はスプリングの力で、テンションをかけると反発しますが、デスク錠にはそれが無い為、ピンが間違った位置で決まってしまいます。
それに、L型テンションを使用してのピッキングは、レーキングと違い、感覚が取りづらいのです。
これはもう、修練を積むしかありませんね。
と、大口を叩いていますが、実はもっと難しいデスク錠があり「そいつに当たったらヤベ〜な」と思ってます。
僕も撃沈された時は報告しますので、乞うご期待!
デスク、ロッカー、なめんなよ!