音の五人衆夢--僕らの日常
「おら、もう寝ていいんだろーが!部屋は何処だよチャッチャと教えやがれ!!」
左近はイラつきながら怒鳴った。
「うん。皆の部屋、案内するよ。」
チョイチョイと手招きをすると、少女は家の奥へと招いた。
見かけはオンボロ家だったが、内装はかなり広く古き良き家を醸し出している。
ただ歩くたびにギシギシ音がするのはいただけない。走ったら崩れてきそうである。
「大丈夫なのか、この家・・。」
辺りをキョロキョロしながら多由也は不安げに言った。
「へーきへーき。崩れてきたら・・・・・・崩れてこないよ。きっと。」
壱羽自身も絶対に崩れてはこないという確信は無いらしい。
と、壱羽は何かを思い出したのかポンと手を叩いた。
「忘れてた。まだ紹介してなかったんだ。でも、何処行ったかな・・?」
「何の事ぜよ?」
「私の家にはもう一人、同居人が居るの。だけど、何処に居るんだろ・・。」
壱羽がそう呟いた時、
「俺は此処に居ますよー?」
幼い子供の声がした。六(七?)人が振り向くと十歳程の少年が其処に立っていた。
サラサラの茶髪が光に反射し輝いている。子供ならではのサラサラ感だ。
少年は君麻呂達を警戒するような好奇心の目で見つめた。
「紹介するよ、うちの同居人の野乃助。ほら野乃助。」
壱羽が急かすと野乃助は緊張しながらも一歩前に出て自己紹介をした。
「のっ野乃助です!!よ宜しくお願いします!」
カチンコチンに固まった野乃助の姿を見て壱羽は苦笑した。
五人は野乃助を気に入っていないようだったが、さすがに身内の壱羽の前では言えない。
不満は胸に留めておく事にした。
それぞれ挨拶が終わると、七人となった集団は個人の部屋へと案内されながら向かった。
「此処だよ、それぞれ分けて使ってね。」
五つの個人部屋があった。 五人は早速一ヶ月間自分の城となる自分の部屋へと入っていった。
パソコン部であった
今日はパソコン部があった♪あー、早く寝てぇーーーー。
眠くないけど寝たいよー。明日が嫌です。地球なんか滅びちまえ!!
今こそ甦れ・・アングルモアの帝王よ・・!
・・・冗談でぃっす。だって地球滅びたらミスフル読めなくなるからやっぱ駄目だよ。ぅん。
陰陽魔境伝-十二話
ヒカルの心の読める白夜、そんな彼にヒカルはやはり心の中で怒鳴った。
『だって聞こえるものは聞こえるし?式神専用耳栓とかあったら喜んでやってあげますぜ?』
(ムカつく奴だ!!本当に俺の式神か!?)
そして、夏芽は・・。
「私は『菫』って名付けたのに何でアンタみたいな奴が・・!」
『それはこっちの台詞だ!!こっちだっていい迷惑だ菫なんて・・。」
「あー、もう嫌だ!私、式神の契約解除していいか相談してくるわ!!」
契約解除とは式神を変えることを指す。
夏芽は綺羅の元へ怒った様子で走っていった。
(喧嘩してんな早速。)
『菫もああ見えて短気だし、相手も相手だなー。』
白夜の口調は全くやる気が感じられない。
(夏芽はあの性格だしな~)
『確かにそうっぽいな、お嬢様気質って奴・・あの二人大丈夫か?
まぁ、オレ達は気にせずにしとくのが一番っしょ?』
(心を読むなって言っても無視するお前の根性は気にしないで置くよ。)
『そりゃどう致しまして、最高の誉め言葉だぜ。
礼に公衆便所をラッピングしてプレゼントしてやるよ。』
悪戯な声で白夜は言った。
(いらないよ!)
「何でこんな奴が俺の式神なんて・・。」
ヒカルは小声でボソリと呟いた。
「それでも私よりマシだわ!」
夏芽がプリプリしながら荒々しく話しかけてきた。
「あ、夏芽。契約解除出来たのか?」
「替えてもらえなかった。全く理不尽だわ!式神に名前を付けてしまった以上、それは契約を
交わしたということ、修行を終えない限り契約破棄は許さないですってよ!」
まぁ、綺羅が言うことは正しく最もだ。
前々から思っていた
五人衆夢アップでぃっす。それにしても君麻呂が優しすぎる気が;
でも、奴はヮりの中では紳士なんです!!(必死
だって何話だか忘れたけどロック・リーと戦ってる時、「僕はお薬の時間です!待ってください!!」
って言われて普通待つか!?待たないだろ!今まで殺気バリバリだった癖に何、手を止めてンのよ!?
それってセーラームーンが長ったらしく変身してる間、待っている敵と同じですよ!!
だってあんな長い変身してるンだからその間に攻撃出来るでしょ!
昔はセーラームーン大好きだったのですが、こんな疑問幼児にぶつけたら泣かれますね。(笑)
五人衆夢‐‐‐僕らの日常
ダレながら聞いていた左近を前に向きなおさせると、壱羽は言った。
「何でも良いから長~い言葉を言ってよ。」
簡単に言ったものの聞いている方は支離滅裂で意味が分からない。
左近は少し悩んだが、口を開いた。
「・・・バカアホドジマヌケチビノロマカスゲス・・(余りに汚い言葉続きなので以下略)」
悪口のオンパレードを並べると、左近はすっきりした面持ちであった。
これだけ言われて良い顔をする者は居ないだろうが、壱羽は何か企んでいるような笑みを浮かべていた。
「そんなに短い言葉で良いの?」
「!?」
今の台詞は如何考えても短い言葉では無かった。なのに・・
「短い言葉って何だよ!じゃぁ、テメー今俺が言ったこと憶えてやがんのか あァ!?言ってみろよ!」
「いいよ。・・バカアホドジマヌケチビノロマカスゲス・・(やはり以下略)」
「誰がバカでアホでドジでマヌケでチビなノロマカスゲスだってー!!??」
「左近・・自分で言ったことぜよ・・。」
そう、壱羽は左近の言ったことを全部そのまま言い返したのだ。
台詞を聞いたのはたった数秒の間なのにそれを瞬時に憶えるのは神業である。
「如何いうことなんだ?壱羽。」
多由也が聞いた。
「だから言ったでしょ?私は一時大量記憶の能力を持ってるって。
さっき見て分かったよね。その瞬間に聞いた、読んだことをどんなに長くても憶えることが出来るんだ。
・・まぁ、憶えていられる期間は三日だけどね。それ以降はさっぱり忘れちゃう。」
「・・その能力を狙われているのか?」
君麻呂が先を読み、言った。
「そう、どっかの里に眼を付けられているみたい。奴らが積極的に動き出すのは今月いっぱい。
だからその間、護衛して欲しいんだ。ダメ?」
壱羽はお願いするような眼で見つめた。
「・・僕は別に構わないが。」
「ゥチもだ。壱羽は嫌いじゃないしな。」
「此処は結構居心地良いし、遊べそうだからOKぜよ。」
「飯が食えるならそれで良い。」
皆それぞれ賛成のようだが、左近は何も言ってこない。そして・・
「・・仕方ねぇ、暇だから付き合ってやるよ。」
「え!?ホント!?やった!有難う!!」
子供のように壱羽ははしゃいだ。
「じゃぁ、これから改めて宜しくね!皆さん!!」
ニッコリと笑ってそう言った壱羽の顔は輝いていた。
五人衆夢‐‐‐僕らの日常
自己紹介も終わった所で話は本題に入った。
「今回、貴方達を呼んだのには訳があるの。」
「訳が無かったら意味ネェだろーが。」
左近が茶々を入れ、それを多由也が足を踏みつけ止めさせた。
「・・えっと、始めに言っておくと私って忍なんだよね。」
沈黙した。
「ハァァァァ!?忍だぁ!?」
左近が真っ先に反応し、怒鳴った。 それもそのはず、彼女が忍であったなら左近達を呼び寄せる必要も
ほとんど無い。 だが、その前にこの鈍くさい壱羽が忍という事実に驚いていた。
「そ・そんなに意外?私って。」
「まぁ、ゥチもはっきり言ってビビったけど・・。」
「まさか壱羽が忍なんて思いもしなかったぜよ。」
五人衆は少なからず驚いていた。 そこで左近が更に怒声を発した。
「おら!如何いうことだ!?テメーが忍だったんなら何で俺らを呼んだんだ!」
「落ち着け、左近。オメーはせっかち過ぎる・・。」
左近の背後から声が聞こえた。それも左近と似たような・・。
と、左近の背中から姿を現したのは今までずっと眠っていた右近であった。
右近の存在に気づいていたのか壱羽は大して驚かなかった。
「右近の言う通りだ、左近。最後まで話は聞け。」
君麻呂は冷たい口調で言った。壱羽に見せる笑顔とは全く違う冷徹な表情だった。
左近は納得いかない様子だったが、口を閉じた。
壱羽はそれを確認すると、口を開いた。
「さっきも言ったけど、私は音の忍なんだ。だけど、基本的能力は備わっていない。」
「どーゆー事だ?」
多由也が聞いた。その質問に壱羽は答える。
「チャクラを持っていないって事。だから、忍術も幻術も使えない。体術もそんなに出来ないし・・。
普通の忍みたいに早く走ることも出来ない。」
「おい、それだったら忍の意味無いぜよ。」
鬼童丸が言った。
「私の専門は極秘情報任務収集なの。 まぁ、一言で言うと、私は常人より一時大量記憶能力が
優れているの。」
淡々と語った壱羽の言葉は五人衆に疑問を与えた。
「一時大量記憶・・?」
「う~ん、口で説明するのは難しいな。ちょっと左近って人。協力してよ。」
「『って人』って何だおい。」
五人衆夢‐‐‐僕らの日常
「終わった~!!」
力の限り叫ぶと少女はその場に倒れこんだ。
「やっと終わったな。 ゥチは疲れたぞ・・。」
多由也は寝転がりこそしなかったが、椅子にドスンと腰を下ろした。
「・・やっと落ち着ける部屋になったな。」
君麻呂は一人、満足そうに笑っていた。 それもそのはず、部屋は最初の面影も無く、
ピカピカのツルツルな空間となったのだ。 窓、家具、壁の全てが新品同様の輝きを放っている。
だが、約一名、その喜びを全く感じていない者も居た。左近だ。
一応、掃除はやっていたようだが。
「皆、お疲れ様! ホンッッットに有難う!!」
少女は満面の笑みで微笑みかけた。
それを見てその場に居た全員が可愛いと思ったのは言うまでもない。
「こんな夜遅くまで働いてくれて・・嬉しいよ。」
確かに今は明け方の5時。 かなりの重労働だ。
そして、うれし泣きなのか少女はその瞳にうっすらと涙を浮かべた。
「おいおい、泣くことないだろ・・。」
多由也は少女の頭を優しくポンポンと叩いた。 涙を拭うと少女は切り替えたようにテキパキと言った。
「ねぇ、御飯にする?それとも寝ちゃう?どっちにする?」
「寝るに決まってンだろーが!部屋は・・」
何処だ、と聞く前に君麻呂が左近を引きとめた。
「待て。 その前にやることがあるだろう。」
「んだよ!?俺は眠ィンだよ!!」
口答えする左近を君麻呂は強く睨み付けた。 左近は一瞬、うろたえると、舌打ちをし、
機嫌悪そうに席へ着いた。
「あ・の。 やることって・・?」
少女が聞いた。
「自己紹介もしてないだろう。 任務内容も聞いていない。」
確かにそうだ。到着してから何も聞かされていない。
「そっか・・えっと、私の名前は『壱羽(いちは)』だよ。貴方達は?」
少女は名乗ると、君麻呂達に紹介を求めた。そして、つぎつぎと自己紹介をした。
「僕は君麻呂。 五人衆の一人だ。」
「さっきも教えたが、ゥチは多由也だ。」
「俺は鬼童丸ぜよ。」
「俺は次郎坊だ。」
そこまで全員言ったが、やはり約一名、何も言っていない者が居る。
「・・・・おい、お前だ。」
君麻呂が言った。
「・・・・・・・・・・左近。」
