いやぁ、コレ、本当に面白い本でした!
是非是非多くの人に読んでもらいたい1冊です!

ニコラ・テスラ(1856-1943)は、電気技師、発明家として、
かのエジソンと並んで活躍した大天才のひとりです。
ナイアガラ瀑布の発電所を開発した人であり、
かの地にはその銅像も建っています。

でもでも世間でニコラ・テスラの名を聞くとき、
そこにはダークなマッドサイエンティストの響きが・・・。
なんてことを検証すべく立ちあがった著者の研究の集大成とも言えるのが本書なのです。

空中放電の実験で、電気の妖しい魅力をプレゼンする科学者。
交流と直流のシステムの対立。
無線で地球規模の送電を可能にする世界システムの構想。
無線で動くロボットの構想。
CIAも秘密にしたがった研究資料。
などなど怪しげな行動や噂の数々が検証され、
ニコラ・テスラの天才ぶりがあますところなく論証されます。

なかでも印象深いのが、
ニコラ・テスラ本人が数々の天才的な発明の出所として、
「自分は受信機としてそれらを明らかにする役目を負わされているような気がする」
と語るところ。
凡人にははかりしれない天才の苦悩をかいま見たよう気がして、
少し背筋が寒くなりました。
その苦悩あったればこそ、我々がはかりしれない恩恵を受けていること、
それを素直に感謝したいと思いました。

とうとう出ましたBOOK3。
読む前に、しっかりとBOOK1と2の復習を済ませ、
姿勢を正して机に向かいおもむろに読みだしました。
いつもなら読み出したらcan't stopな私なのですが、
今回は大切に噛みしめるように読み、
かなり時間をかけて読み終えました。

読後、まず最初に浮かんだのが、
これはまだ終わりじゃないな・・・ということ。
続きがありそうな予感がしますね。
4冊揃って四季が揃うというような。

それから「ねじ巻き鳥クロニクル」でも気になっていた、
牛河のこと。
薄気味悪さをまとったなんとも魅力的なキャラ。
ディケンズ「デイビッド・コパフィールド」の、
ユライア・ヒープのような。
彼って、「ねじまき鳥」の世界で生きてますよね、きっと。
なんて考えだしたら、
みんな移行した世界が「ねじまき鳥」につながってるのかな?
なんて、今はアレコレ考えるのが楽しいところです。

簡素な文体で世界を美しく見せてくれる、
素敵な短編集です。

作者は1972年北京生まれ。
北京大学を卒業後、アメリカで免疫学を修める。
その後、作家を志すエリートたちの集うアイオア大学で創作を学ぶ。
現在は米国オークランドのミルズ大学で創作を教えている。

この作品は英語で書かれたものだそうで、
外国語で書かれたということで、あのスッキリと美しい文体が生まれたのでしょうか。

現実世界には、貧しい者、報われない者、カッコ悪い者、などなど、
物語の主人公として、いまひとつな人々が溢れていますが、
どんな登場人物もイーユン・リーの手にかかれば、
豊かな愛情で生き生きとしてきます。
いまは母国を離れているようですが、作者の深く広い大陸的な愛を感じました。


マシンガン雅代さんによる、幸運をつかむ自分を育てるためのバイブルです。
実社会で成功を収めている人の言葉だけに重みがありながらも、
お人柄ゆえか、おもしろおかしくアッという間に読めてしまう、
とってもためになる本です。

ことに経歴がスゴイもので、
その行動力、パワーたるや見習いたいものです。
しかもゴッド姉ちゃんというあだ名の持ち主だけあって、
その世話好き、おすそわけ好きのお陰で、
こちらまで元気とパワーをもらえる本でした。

とくに付き合う人の選び方や、幸福な結婚の極意など、
とても具体的な「幸運のつかみ方」が書かれていて、
即実践できる開運術満載です。

行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
と銘打たれたこの本。
興味深い内容のものでした。

そもそも経済学というのは合理性に基づいて発展してきた学問。
でもその経済をつかさどるはずの人間て、そんなに合理的な生き物なの?
という疑問から著者はさまざまな実験を試みます。
この本では、
著者が仲間たちと行った実験のデータを元に、
人間の不合理性や、迷いや過ちを回避するには?
といった呼びかけがなされています。

相対性の真理や、ゼロコストの誘惑、社会規範上の報酬、
高価なものの真の価値など、
私たちの身近な消費行動についての痛いところをつく研究成果はお見事!
読みやすい文体で、面白おかしく、
行動経済学なるものの世界にひきこまれていきます。

1975年に発表された24編の詩が編まれた詩集です。
「私の家への道順の推敲」などの魅力的な度肝抜かれる作品が収められています。
私が谷川俊太郎の詩を読むようになったのは、
大好きな矢野顕子さんの「よしなしうた」を聞いてから。
どれどれ詩集なぞ読んでみようと思い立ち、
『二十億光年の孤独』『コカ・コーラレッスン』『これが私の優しさです』などを買い漁りました。
どれも素晴らしくて、多感な10代の私を支えてくれる本でした。
もちろん今読んでみても、心の芯をあっためてくれる詩集です。

『定義』は、その装丁もシンプルで素晴らしく、手にとったときのサイズや厚さが絶妙で、その存在自体が素晴らしい詩集ですが、
読んでみると、目からウロコの、何度読み返しても飽きない詩集です。
美しく笑えてなんだかホロッくる、そんな「定義」がありますか?
真似してみたくなるけど、やってみるとドでかい壁にぶち当たる、そんな「定義」は他にはありません。

人生の奥深い楽しみ方をみつけた先人の言葉に、
感動するのみです。

ゴールデン・レトリーバー好きの皆さまお待たせいたしました。
(とは言え、私はバセット・ハウンド党のルル派ではございますが---
ご存知のない方は、デイビット・ハンドラー著「真夜中のミュージシャン」ご参照を)

あの素晴らしい犬の世界が再び!です。
過去の忘れられない傷を負った人々が、再び光の中を歩き始める物語。
愛犬の姿をした天使の助けを借りて。
なんてホントにあることです。
私たちの生活の中でも。

これを読むまで知らなかったのですが、
あの「ウォッチャーズ」当時、クーンツは犬を飼っていなったそうで。
それでもあれだけ書けるんだからスゴイ!
ま、クーンツは今でも宇宙人とは生活していないでしょうし、
それでもアレだけ書けるんだから、ホントにスゴイ人なのですが。

今回も悪役側にも興味深い人物が登場するので、
かなり面白く読めました。
この人物、とてもいいキャラなので、
もっとよく知りたくなります。
今度また書いてくれないかな。

2008年版「このミステリーはすごい!」1位となった作品です。
昭和20年代から三代にわたって警官となった男たちの物語です。

何がスゴイって、安い警察小説と違い、英雄が一人もいないこと!
好きなんですよねぇ、英雄不在の小説って。
昭和の暗い部分を描き、そのなかで地道に生き続けた家族の歴史には、深みと重みがあります。
が、考えてみればこれって、みんなの家族が通ってきた道でもあるわけで・・・。
そう考えると、ひとしおな訳です。

身近な歴史には、英雄を見つけづらいものです。
でもこういった素晴らしい小説を読むと、地味な、普通の人々のなかにこそ、英雄が隠れていることを知り、胸が熱くなるものですね。

著者はお茶の水女子大学の名誉教授で、英文学のほかにエディターシップ、思考、日本語論などの分野で、独創的な仕事を続けておられる方であります。

思考を寝かせ、発酵させて、あらたな発想作りに至るまでの経緯を、整理して述べてくれています。
独創的な発想を!などとお題目を唱えるごとくにおしつける教育法とは異なり、とても実践的で、ありがたい整理学であります。

30年近く前の著書だそうですが、グライダー人間なんて言葉、斬新すぎませんか?
今後も深い問題意識を持って、時間をかけて正していかなければならない、学校教育のあり方について、端的に述べた言葉だと思います。

2度3度と読んで、血肉にしていきたいものです。



ドクター・ケイ・スカーペッタの活躍する人気シリーズの最新刊です。
シリーズ最初の「検視官」が出版されたのが1990年、リアルタイムで読んできているので、登場人物たちとも20年来の付き合いということになります。

我が人生と同じように、さまざまな紆余曲折を経て、登場人物たちも歳をとり、危機や事件を乗り越えています。
もうほとんど友達のような感覚でいるので、前刊のようにマリーノが無茶する場面などは読んでいても大変苦痛でした。
コーンウェルも随分ひねくれて意地悪になってるなぁと、作者を恨んだこともありました。
でも、結局、人生ってそんなもんだよね。
という境地に至った頃あいに出た最新刊だっただけに、ひとしおでした。

愛読するシリーズものを幾つも抱えている私ですが、レギュラー陣にここまでいろいろやらせるのって、このシリーズだけです。
書く方も辛かっただろうけれど、登場人物たちは、きちんと成長しているようですね。
よかった。