2025/12/25  19:00 東京芸術劇場

ピアノ:ジャン=マルク・ルイサダ&角野隼斗

 

■ラヴェル:マ・メール・ロワ

 第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ

 第2曲 親指小僧

 第3曲 パゴダの女王レドロネット

 第4曲 美女と野獣の対話

 第5曲 妖精の園

■フォーレ:組曲「ドリー」

 第1曲 子守歌

 第2曲 ミ・ア・ウ

 第3曲 ドリーの庭

 第4曲 キティー・ワルツ

 第5曲 優しさ

 第6曲 スペイン踊り

■モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(バックマン編曲)

■角野隼斗による即興

 

■ブラームス:間奏曲 Op.118-2

■シューベルト:第3幕間奏曲 劇音楽「ロザムンデ」D797より(シェーンベルク編曲)

■ブラームス:ワルツ集 Op.39-2,6,15

■ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

■チャイコフスキー:金平糖の踊り、花のワルツ バレエ音楽「くるみ割り人形」より(コチシュ編曲)

 

<アンコール>

■映画「Diva」より プロムナード・センチメンタル

■バッハ:神の時こそいと良き時 BWV106

     Santa Claus is coming to town

■ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番

■ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 フィナーレ

 

今年最後の演奏会は角野隼斗さんと師匠のルイサダ先生のクリスマス・デュオリサイタル。

抽選には悉くはずれ、最後の望みをかけた芸劇の先行先着での争奪戦で運良く手に入れたチケットで、本当に楽しみにしていた。

 

1985年のショパンコンクールのドキュメンタリーをNHKで見て(当時中学生)、当然多くの日本人女性と同じくブーニンに魅了された私だが、そこにちょこっと登場した5位入賞のルイサダ先生もとても気になったのだ。とても粋で素敵なショパンを弾いていて、この人の演奏もいつかちゃんと聴いてみたいなと思ったことを覚えている。

が、その機会ないまま時は流れ、前回ショパン・コンクールのときに角野隼斗さんの師であると聞き、妙に納得した。

大好きな角野さんのピアノと共に、待望のルイサダ先生の演奏が聴けるということで、ワクワク2倍で会場に向かった。

同じ師弟デュオでも先日のゲルシュタイン&藤田真央はアンコールを除くと1曲目のみ連弾であとは2台ピアノ(こちらがデュオリサイタルとしては一般的?)だったが、ルイサダ&角野隼斗はソロとアンコールを除く7曲中5曲が連弾だった。

しかも2台ピアノも向かい合わせではなく、隣りに並べる形式。

主にルイサダ先生の提案らしいが、この二人らしくて面白い。

角野さんが何かのインタビューで語っていたところによると、「2台ピアノは個性と個性のぶつかり合いと協演」「連弾は一体になる感じ」だそうだ。

 

さて、肝心の演奏会の感想だが、お洒落で粋でチャーミングな雰囲気満載の、クリスマス気分も最高に盛り上がる素敵な演奏会だった。

そしてルイサダ先生の奏でる音は艶々で、想定以上に芯があって深くてボリューミー、そこに角野さんのキラキラな高音がからむと本当に美しい。

ラヴェルはとてつもなくキラキラだったし、手拍子ありのフォーレのスペイン踊りは本当に粋でお洒落、トイピアノまで登場したくるみ割りの「金平糖」は思わず微笑んでしまうチャーミングさ(2人でグランドピアノに向かってスタンバイした後、角野さんがくるっと後ろを向いてトイピアノを弾き出す演出笑)。

角野さんのソロの即興は直前のアイネ・クライネにベートヴェンの月光ソナタなど(?)をからめて、’角野隼斗感’満載で大満足、後半最初のルイサダ先生のソロのブラームスは大人の深みある素晴らしい演奏。

ルイサダ先生のアンコールのソロも素敵だったし、ブラームスのハンガリー舞曲は1stのルイサダ先生の音炸裂で圧巻だった。

2人のコミュニケーションやルイサダ先生のチャーミングな言動(サンタに扮して客席最前列にお菓子を配ったり、最後のスピーチで「サンタさんちょっと疲れた」と日本語で仰っていた笑)にも何度も笑わされ、心底楽しい夜だった。

とても素敵なクリスマスプレゼントをいただいた気分になった。

 

それにしても、はじめてルイサダ先生の生音を拝聴したが、想像を遥かに超える魅力だった。

来年5月には来日してソロリサイタルをされる予定で、5/30は浜離宮で何と私が今大はまりしているショパンのマズルカづくしのプログラムということで、早速チケットを入手して今から心待ちにしている。