2025/12/10  19:00 TOPPANホール

ピアノ:キリル・ゲルシュタイン&藤田真央

 

■シューベルト:創作主題による8つの変奏曲 変イ長調 D813

■シューマン:アンダンテと変奏曲 変ロ長調 Op.46

■ラヴェル:ラ・ヴァルス

 

■ブゾーニ:モーツァルト《ピアノ協奏曲第19番》の終曲による協奏的小二重奏曲

■ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45

 

<アンコール>

■ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集より第2番

■ラフマニノフ:6つの小品より第4曲 ワルツOp.11-4

会場に到着すると、舞台上に3台のピアノ!?

中央にはベーゼンドルファー、右と左にはスタインウェイが1台ずつ控えている。

最初のシューベルト(連弾)はベーゼンドルファーでの演奏、その後の2台ピアノはスタインウェイに交換されて演奏された。

 

その経緯は1曲目演奏後のピアノ交換時間中のTOPPANホールのプログラムマネージャーの方のトークで明らかになった。

何とこのベーゼンドルファーは1909年製で、ヨーロッパでの戦火をくぐり抜け、現在はベーゼンドルファー・ジャパンからTOPPANホールに無償貸与されているものだそうだ。

当初は全ての曲をスタインウェイで演奏する予定だったが、練習でこのベーゼンドルファーを弾いたキリルさんが「調律なしでも良いから、これで最初のシューベルトを弾こうよ」と仰ったのが今日の午後16:00。

ベーゼンドルファー・ジャパンに連絡したら、「今すぐ(調律に)行きます!」ということで、きっちり調律もされたピアノが舞台にセットされ、私たちはまさに一期一会の音を聴く機会に恵まれた。

プログラムマネージャーの方が’Intimateな’という表現をされていたが、何とも温かみのある柔らかく豊かな音に聴こえた。

お二人の楽しくふくよかな演奏とややこじんまりとした響きの良いTOPPANホールにぴったりだった。

藤田さんもインスタグラムでこのピアノを弾けた喜びを発信している。

藤田 真央 MAO Fujita(@maofujita_piano) • Instagram写真と動画

 

2曲目以降の2台ピアノももちろん素晴らしく、特にラ・ヴァルスは表現する言葉が見つからないくらい凄かった。

生でデュオリサイタルを聴くのははじめてだったが、素晴らしい才能のかけ合わせがとてつもないものを生み出すのを目の当たりにした気がした。

お二人の間に漂う信頼感や親愛の情が音楽となってホール中に響き渡っていた。

そして何よりお二人が本当に楽しそうに弾いていて、とても幸せな気持ちになった。