2026/5/7 19:00 ザ・シンフォニーホール
ピアノ:桑原志織
■ショパン:「24の前奏曲」Op.28より第15番 変ニ長調「雨だれ」
■ショパン:ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1
■ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
■ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
■ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想」
■ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 Op.52
■ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
<アンコール>
■ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53
桑原志織さんのオール・ショパンプログラムをどうしても聴きたくて、大阪遠征してきた。
基本的に遠征はしないことにしているので、相当迷ったが、行って本当に良かった。
桑原さんの演奏自体は、1月の東京のショパン・コンクールのガラ・コンサートでピアノ協奏曲第1番を聴いたことがあるが、ソロ・リサイタルははじめてである。
1月のコンチェルトも素晴らしかったが、昨日の演奏は本当に圧巻だった。
コンクールの感動を思い出させるレオナールのドレスで登場され、配信で何度も何度も繰り返し聴いている、ショパンコンクールで演奏された曲たちを次々と聴かせていただき、感無量だった。
1曲目の雨だれの最初のフレーズからもう心震えた。
豊かで多彩な量と質の音がホールに溢れていた。
桑原さんの音には1つ1つに何だか美しい伸びがある気もする。
ワルツ・スケルツォは思ったより(配信で聴いているイメージより)テンポ速めな気がしたが、1つ1つの音がクリアで本当に多彩。
強音は女性とは思えない力強さと重厚感なのだが、(良い意味で)女性らしさ?柔らかさ?も感じるのは先入観だろうか。
そして、後半のバラード4番とソナタ3番は本当にやばかった。
桑原さんのバラード4番は、ショパンコンクールの配信でも私が最も繰り返し聴いている演奏の1つである。
恐らく50回以上、いやもっと聴いているかもしれない。
元々、この曲は特に大好き、というわけではなかったのだが、桑原さんのコンクールでの演奏で虜になった。
1月のエリック・ルーのリサイタルでもこのバラード4番が演奏され、これまた素晴らしかった。
エリックのバラードは昏い炎が最後のコーダで一気に燃え上がるような感じがしたが、昨日の桑原さんの演奏は心を深く抉ってくるような感じだった。
今更比べる必要もないのだが、甲乙つけがたく、どちらも見事という他ない。
バラード4番で大興奮しているところにソナタ3番。
興奮覚めない第1楽章から、第2楽章を経て第3楽章でうっとりしたところに第4楽章最初の和音で強烈に全細胞が再び覚醒させられる。
和音1つごとにボルテージが上がり、頂点に達したところで、主題が現れ、鷲掴みにされる。
そこからはもう流されるように心ごと持って行かれ、気が付いたら文字通り涙が出てきていた。
私のお隣の席の方も泣いていた。凄かった。
アンコールは堂々たる英雄ポロネーズで、まさに「女王様の凱旋」だった。
アンコール前にマイクを持ってお話してくださったのだが、関西でのリサイタルは初とのこと。
コンクールには功罪あり、色々と難しい点もあるのだろうが、やはり桑原さんのようなピアニストを世に出してくれる仕掛けなのであれば、それはなくてはならないものなのかもしれない。
桑原さんのリサイタルは、9月に東京で予定されているものもチケット購入済である。
残念ながらソナタはプログラムにはないが、バラード4番と新たにバラード3番が入っている。
更に進化したバラード4番と、ブレハッチのリサイタル以来、今、最も個人的にはまっている曲の1つであるバラード3番が聴けるのは超楽しみである。
そして、ショパンだけでなく、モーツァルト・バッハ・シューベルトもプログラムに入っており、こちらも楽しみだ。
↓ショパンコンクールでのバラード4番を含む1次予選の演奏

